不動産賃貸業の消費税8%に上げる時期(2013年9月24日)
2013年9月24日
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●落合会計事務所 オフィシャルメールマガジン vol.151 2013年09月24日配信●
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・ご挨拶………………………………3連休はいかがお過ごしでしたか?
・特集…………………………………消費税はいつから8%とすべきでしょうか?
●ご挨拶○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。
○○さん、こんにちは。
税理士の落合孝裕です。
いつもメールマガジンをお読みいただき、ありがとうございます。
3連休はいかがお過ごしでしたか?
私は日曜日に「ルーブル美術館展」を見に、
上野の東京都美術館へ行きました。
先週が台風だったことや、23日が最終日のことで、
30分並んでやっと見ることができました。
http://ameblo.jp/tochiai65282414/entry-11619219957.html
あと半分くらいは仕事と本を読んで過ごしました。
土日を除くと今月は残り5日になりますが、
月末までがんばっていきましょう。
●特集○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○
さて、今日は「不動産賃貸業の消費税8%に上げる時期」です。
消費税率の8%への引き上げは、
来年4月から実行されることがほぼ確実になりました。
10月1日に安倍総理より正式に表明されます。
不動産賃貸をしている会社や事業主の方は、
今から準備をしておくことがいくつかあります。
不動産賃貸は、翌月の家賃を前月末に受け取る
「前家賃」となっていることが多いのですが、
8%に上げる時期がいつなのか、理解しておく必要があります。
まず、消費税の対象となる賃貸料は、
○事務所家賃
○工場、倉庫の家賃
○駐車場、などとなっています。
居住用のアパート、マンションには消費税はかかりません。
不動産賃貸について、消費税の売上を計上する時期は、
「契約又は慣習によりその支払を受けるべき日とする」
となっています。
(消費税法基本通達9-1-20)
この場合の「支払を受けるべき日」ですが、
「前家賃」であれば、前月末となります。
ということは、
○平成26年4月分の家賃=3月末に受領
「支払を受けるべき日」は3月末なので
4月分の家賃まで、消費税は【5%】となります。
○平成26年5月分の家賃=4月末に受領
「支払を受けるべき日」は4月末なので
5月分の家賃から、消費税は【8%】となります。
これが原則的な取扱いです。
ただし、申告をするにあたって、
個人事業なら12月末にもらう翌年1月分の家賃を、
決算期末に「前受金」として経理処理することができます。
このようにすれば、
12月末にもらう家賃を翌年まわしにして、
今年は収入に上げずに済みますので、
1ヵ月分の家賃にかかる税金がトクになるわけです。
この経理処理をしている場合は、
消費税の8%に上げる時期も、
それにしたがうことになります。
消費税の決まりでは、以下のようになっています。
---------------------------------
資産の譲渡等の時期について、所得税又は法人税の課税所得金額
の計算における総収入金額又は益金の額に算入すべき時期に関し、
別に定めがある場合には、それによることができるものとする。
(消費税法基本通達9-6-2)
---------------------------------
よって「前受金」として経理処理していれば、
○平成26年3月分の家賃まで、
消費税は【5%】となります。
○平成26年4月分の家賃からは、
消費税は【8%】となります。
このように経理処理によって、
8%になる時期が異なりますので、十分にご注意ください。
次に、契約書で再確認すべき点ですが、
消費税が「税抜き表示」されているかです。
仮に、税込み表示となっていると、
8%に税率が上がった後でも、
契約上は同じ金額しか受け取ることができません。
念のため、契約書を1枚ずつ確認してください。
もし税込み表示、または、
表記があいまいとなっている契約書があれば、
今から「覚え書」でかまいませんので、
その部分を修正したものを結び直すことをお勧めします。
さて、不動産賃貸でもう1つ注意すべきことがあります。
それは「経過措置」といわれる取扱いです。
これに該当すると、その契約期間については、
来年4月以降も5%の税率が適用されます。
その条件は次のようになっています。
(1)平成25年9月末までに契約が結ばれていること
(2)一定の理由により家賃の変更ができるような定めがないこと
(2)については、
一般の契約書には、次のような文面の記載があります。
「賃料が経済事情の変動、公租公課の増額、近隣の同種物件の賃料との
比較等によって著しく不相当となったときには、協議のうえ、
賃料を改定することができる」
多くの契約書にはこのような文面の記載があるので、
(2)には該当しないことになるため、
「経過措置」の適用はなしとなります。
よって、4月以降に支払を受ける分については、
8%の消費税を受け取ることになります。
それでは、このような文面がない場合は、
どうすればよいでしょうか?
2つの対応が考えられます。
1つは、来年の3月までに契約内容を変更することです。
だたし、これは相手との交渉になりますので、
難しいことが予想されます。
家賃の引き下げを要求される恐れもあります。
もう1つは、今契約期間はそのままとしておくことです。
その場合は、契約期間中に受け取る消費税は、
5%のままとなります。
貸し主にとって一見損のように見えますが、
納税額はあくまでも5%分になりますので、
実際は損にはなりません。
売上にかかる消費税については、
5%のときは、5%分を納税する、
8%のときは、8%分を納税する、
ことになりますので、損得はないのです。
一方で、家賃を支払う相手先についても、
会社や個人事業主であれば、
消費税の納税をするときに、
支払った消費税を差し引くことになります。
5%のときは、5%分を差し引く、
8%のときは、8%分を差し引く、
ことになりますので、こちらも損得はありません。
家賃を支払うのが、
サラリーマンなど一般消費者の場合は、
損得は生じてしまいます。
この場合は、むしろ「経過措置」の適用を受ける方が、
その契約期間は5%のままで済みますので、
借りる人からは喜ばれますね。
さて、来年4月からの消費税の税率の引き上げは、
10月1日に安倍総理から正式に発表の予定です。
○○さんの会社の商売にも、影響があるでしょうから、
当日の報道にはぜひ注目をしてください。
●編集後記○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o
「半沢直樹」が日曜日で終わりましたね。
あれほど評判になっていた番組ですが、
実は見るのは初めてでした。
同じ名前の人はさぞ迷惑でしょう(笑)
堺雅人さんと香川照之さんの迫真の演技、
最後は特に盛り上がりました。
2人は映画「鍵泥棒のメソッド」でも共演していますが、
個人的には映画のほうが好きです。
でも、1時間以上のドラマでは会社の内部争いばかり。。。
どうしても経営者目線で見てしまいますが、
「君らもっと仕事やれよ」と突っ込みを入れてました(笑)
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