在庫の計上もれ(2010年11月9日)
2010年11月9日
2010年11月9日
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○○さん、こんにちは。
税理士の落合孝裕です。
ここ数日、ちょうど過ごしやすい季節ですね。
できればこの季節が長く続くと良いですが、
これから徐々に寒くなっていくのでしょう。
さて、第7回目のメルマガになります。
今日は、税務調査でよく指摘され、
ひんぱんに修正を求められる点についてお話しします。
○○さんの会社には、最近いつ頃税務調査が入りましたか?
税務調査は、会社を経営していると数年に一度入ります。
忘れた頃に入りますので、しばらく間隔が空いている
会社はそろそろかもしれませんね。
税務調査で必ずと言っていいほど指摘される点に、
「在庫の計上もれ」があります。
在庫とは、仕入れた商品や、製造した製品で、
決算期末に残っているものです。
「品物の数を間違えなければいいだろう。」
と軽く考えている方が多いようです。
もちろん、数を間違えないことも大切ですが、
税務調査では、もっと深く細かくチェックされます。
期末に残った在庫は、その分経費にはなりませんので、
その金額がまるまる利益となります。
つまり、税金の対象になります。
決算期末に在庫を数えて、思ったよりたくさん残っていると、
その分利益が増えて、支払う税金が多くなります。
逆に在庫が少ないと、その分利益が減り、支払う税金も少なくなります。
たとえば、在庫が1000万円のところ、
わざと間違えて700万円で決算をまとめると、
差引300万円分の利益が減ります。
法人税等の税金が、300万円×約40%=120万円少なくなります。
在庫を数えるのは、会社の内部でできますから、
決算のときに、在庫の数を作為的に減らせば、
会社の思いのままに税金を減らすことができます。
もちろん、これは「脱税」です。
税務署の調査官は、もちろん承知の上ですので、
税務調査では、在庫のチェックはかなり厳しくおこないます。
それでは、在庫の数を正確に計算すれば、
税務調査は問題ないのでしょうか?
実は、それ以外にも修正を求められることがよくあるのです。
まず、「未着品」=決算期末ぎりぎりに仕入れた商品です。
たとえば、3月決算の会社が3月31日に商品を仕入れ、
商品が届くのが、翌日の4月1日ということがあります。
3月31日に数えたときには、まだ商品が届いていないので、
在庫から漏れてしまいます。
この分は、商品が届いていなくとも、在庫に計上しなければなりません。
似たような例で、「トラック在庫」の問題もあります。
4月1日に売り上げる商品を、前日の3月31日に、
運送業者のトラックに積み込むとします。
3月31日に在庫を数えたときには、
すでにトラックに積み込んでいるので、
同様に在庫から漏れてしまいます
この分も、在庫に計上しなければなりません。
「預け在庫」=仕入先や売上先に預けている在庫も、
計上が漏れがちです。
仕入れた後に、仕入先に預けている商品、
これから売上げる予定で、売上先に預けている商品、
これらも当社の在庫になります。
さらに「仕掛品」といって、売上げが翌期で、
先に外注費や材料費を支払ったものも在庫になります。
たとえば、3月決算の会社が3月に外注費を50万円支払って、
その仕事が完了するのが4月の場合です。
外注費は、3月の決算期末で経費にすることはできません。
売上に対応させて4月に経費とすべきなのです。
どうですか?
○○さんの会社では、
在庫の計上漏れが絶対ないと言い切れますか?
忘れたころにやってくる税務調査には、
こういった点について、漏れなくチェックして、
しっかりと対応してくださいね。
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落合会計事務所
税理士 落合 孝裕
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