税務調査でパソコンの中身をどこまで見せるのか?(2012年3月6日)
2012年3月6日
2012年3月6日
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○○さん、こんにちは。
税理士の落合孝裕です。
いつもメールマガジンをお読みいただき、
ありがとうございます。
今日は東京はあいにくの雨模様ですが、
最高気温は19℃になる予報です。
この時期は、気温の変化が激しいですね。
お互いにかぜなどひかないよう体調に気をつけましょう。
さて、今回のテーマは、
「税務調査でパソコンの中身をどこまで見せるのか?」です。
税務調査では、会社側は帳簿書類を提示する義務があります。
最近は商売が年々複雑になり、書類が増える傾向にあります。
○ 売上の請求書
○ 支払の領収証
○ 総勘定元帳(会社の取引の科目ごとの明細)
などは、紙の書類で保存しているでしょうが、
補助的なものはあえて紙で印刷せずに、
パソコンのデータのみで保存している会社が増えています。
このような場合、
税務調査で調査官から、パソコンの提示を求められますが、
拒否することはできませんので、
2つの対応が考えられます。
○ パソコンの中身そのものを見せる
○ 必要な書類を調査官に確認してプリントする。
調査官から「パソコンを見せてください」と言われると、
パソコンの中身をあっさり見せてしまう会社が多いのですが、
「何を見たいのですか?必要なものを印刷しますよ」
と対応してもまったくかまいません。
調査官はその画面を見るとともに、
取引先とのメールのやり取りなどの他のデータを
見たいケースが多いのです。
そこから、売上の漏れや経費の過大計上といった
修正項目の証拠固めたいという考えです。
もちろん、
「うちは問題ないから何を見せても大丈夫」
という会社もあるでしょうが、
必要なもの以外を見せる義務はありませんから、
「見たいものは何ですか?」
とその都度質問しても、失礼には当たりません。
ここで、覚えていただきたいのは、
税務調査でパソコンを見せてほしいと言われることは、
ひんぱんにあるということです。
あまり調査に慣れていない会社は、
それだけであたふたしてしまいます。
あらかじめ不要なデータは、
削除しておいたほうが無難ですね。
ところで、税務署の署内では、
調査官に対して税務調査での「手引き」が配布されています。
ある国税局の「手引き」には、こんなことが書かれています。
「会社側が、都合が悪い物の提示を拒んだり、
いったん提出したものを引き上げたりしたりする場合でも、
その物を取り上げるなどの直接的な強制行為は違法となる」
任意調査に強制力はありません。
あくまでも会社の協力を得ながら、
調査を進める立場にあるということです。
あまりにも強引な調査は違法行為となるのです。
ただし、調査官からの質問を拒否したり、
無視することはできませんので、
会社側も「大人の対応」はすべきとなります。
もう一つ、パソコンの「データの持ち帰り」の問題があります。
調査官から、
「パソコンのデータを持ち帰らせてください。
外部には絶対に漏らさないようになっています」
と言われたら、○○さんならどうしますか?
これには判例があり、概要は次のとおりとなっています。
「税務調査に際して調査担当者に帳簿書類を提示する義務が、
原告会社にあるとしても、それらの書類を調査担当者に預託したり、
コピーをさせたりする義務までは当然には認められないから、
これを原告会社から拒否されたからといって、
そのことが直ちに調査非協力の事由に当たるとはいえない。」
(平成6年11月7日 京都地裁)
帳簿書類やパソコンのデータについては、
調査官が税務署に持ち帰ることを拒否できるのです。
会社側は、質問されたことに関する書類を、
税務調査の現場で提示すれば、それで良いのです。
「データの持ち帰り」は、
強制力があるように勘違いしている人が多いので、
気をつけたいところです。
もちろん、持ち帰ってもらうのが良ければ、
預かり証を渡されて、調査官が後日会社まで資料を返しに来てくれます。
このように、
税務調査ではパソコンのデータをめぐる攻防があります。
質問には必要なことのみを答えて、
拒否できることはしっかりと対応したいですね。
【編集後記】
最近、事務所の封筒を変えました。
名刺のデザインに合わせてロゴマークを入れました。
評判は上々のようです。
http://ameblo.jp/tochiai65282414/entry-11184414889.html
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落合会計事務所
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