増税のスケジュール(2012年2月14日)
2012年2月14日
2012年2月14日
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○○さん、こんにちは。
税理士の落合孝裕です。
いつもメールマガジンをお読みいただき、
ありがとうございます。
確定申告のシーズンが始まりました。
前回のメールマガジンでもお伝えしましたが、
医療費が多い人や贈与を受けた人は、
申告を忘れないでくださいね。
さて、今回はこれからの増税のスケジュールについてです。
政府は、1月6日に「社会保障・税一体改革素案」をまとめました。
これに、今後の税制改正のスケジュールが記載されています。
改正といっても、ほとんどが増税となっています。
以下、数字が多くなりますが、少しがまんしてお読みください。
○ 消費税
平成26年4月より → 8%へ増税
平成27年10月より → 10%へ増税
○ 所得税
平成27年分より
→ 所得5,000万円超は45%(現状40%)へ増税
住民税と合わせて55%(現状45%)へ増税
○ 相続税
平成27年より
→ 基礎控除が、
3,000万円+600万円×相続人の数 へ縮小
(現状より4割少なくなる増税)
と、3年後にはすべて増税となります。
まだ「素案」で法律ではありませんが、
いずれ大綱(案)となり、
その後国会で審議して法律となる予定です。
ちょっと気が重くなりますが、
それぞれどう対応していくか考えてみましょう。
まず【消費税】の増税です。
消費者にとって負担が大きくなりますが、
それ以上に大変なのが、税金を納める中小企業や個人事業主です。
3%から5%に引き上げされたときもそうでしたが、
消費税の引き上げ分を上乗せできない中小企業が、
かなり多かったのです。
最近は、スーパーやコンビニなど流通の力が強く、
そこに納めるメーカーが値下げを要請されることが、
よくあります。
これから8%、10%と引き上げになると、
その分をあえて上げずに価格据え置きとする
ライバル業者との戦いにもなります。
それらに負けないためには、
同業者と比べて、商品力やサービス力で勝つ必要があります。
ここ3年は、自社しかない強みをみがき、
新商品や新サービスを開発する必要があるでしょう。
次に【所得税】の増税です。
所得が5,000万円超と高所得者が対象です。
住民税と合わせて55%も税金ですから、
これからの負担は大変なものです。
でも、所得が1,800万円超は、
今も住民税と合わせて50%ですから、
これでも結構な負担ですね。
さて、今後の税制改正でただ一つ、
税率が下がるものがあります。
それは【法人税】です。
現状は所得に対して40.69%の税率ですが、
今年の4月1日から始まる期より、38.01%へ、
平成27年4月1日から始まる期より、35.64%へ、
それぞれ減税になります。
会社の税金は、3年後から5%も下がるのです。
個人の税率は、最高55%となりますが、
会社の税率は、一律で約35%と個人より20%も安くなるのです。
これからの対策は会社の活用につきます。
○○さんが会社をお持ちでなければ、
これから会社を作ることを考えてみてください。
不動産賃貸をしている人は、
すでに会社をお持ちの人も多いでしょうが、
会社への所得の付け替えを、これまで以上に考えてみましょう。
会社に不動産管理をさせているのなら、
不動産のうち、建物部分を会社に売ってしまえば、
その後の家賃収入はすべて会社のものになります。
また、会社を設立すると、
消費税は最低1年は支払義務はなしですから、
10%になるタイミングで会社を作るのも手ですね。
最後に【相続税】の増税です。
これは生前贈与が一番の対策です。
相続人が3人であれば、
現状の基礎控除は8,000万円ですが、
平成27年からは4,800万円になります。
5,000万円~6,000万円くらいの財産の人は、
すべて相続税の対象となります。
生前贈与は年110万円の非課税の枠を活用します。
ぴったり110万円なら贈与税はゼロとなります。
ただし、
○ 200万円なら贈与税は9万円(4.5%)
○ 300万円なら贈与税は19万円(6.3%)
ですから、
将来の相続税の税率が20%、30%かかるなら、
多めに贈与することが良いですね。
生前贈与で特に注意いてほしいことは、
財産をもらった子どもや孫の通帳や印鑑を
財産をあげた親や祖父母が管理しているとダメということです。
たとえば祖父母が離れて住んでいる場合、
祖父母の地元の支店で孫の口座をつくらないことです。
将来の税務調査で、祖父母の財産と認定されてしまいます。
このように、これからは増税が目白押しです。
悩んでばかりでもしかたありませんから、
まず気持ちの準備と、
それからやれる範囲での行動が大切ですね。
【編集後記】
日曜日に、近くの大井町線の久品仏駅の近くのお寺に散歩に行きました。
3つのお堂のなかに、それぞれ大きな仏像があります。
境内も広く、たまに行きますが心が洗われますね。
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