海外財産に関する書類(2012年1月17日)
2012年1月17日
2012年1月17日
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○○さん、こんにちは。
税理士の落合孝裕です。
いつもメールマガジンをお読みいただき、
ありがとうございます。
毎日本当に寒いですね。
地球温暖化はどうなったのでしょうか(笑)
そろそろインフルエンザが流行る季節になりました。
疲れがたまるとかかりやすくなります。
お互い気をつけましょうね。
さて、今回は「海外財産に関する書類」の税務署への提出義務です。
これは「平成24年度税制改正大綱」に記載があります。
まだ正式な法律にはなっていませんが、
○海外財産をすでに持っている方、
○海外財産をこれから持つ予定の方、
には、とても大切な改正点です。
この書類は「国外財産調書」というものですが、
来年の平成25年から、
その年の12月31日現在で、
5,000万円を超える海外資産を持っている人は、
税務署に書類を提出する義務が生じます。
翌年3月15日が期限となります。
書類に記載する内容は、
○財産の種類
○数量
○価額
○その他必要な事項
となります。
提出義務は、合計金額で判定します。
たとえば、
○香港に3,000万円の預金
○オーストラリアに4,000万円の別荘
であれば、
合計で5,000万円を超えますので、
書類を提出する義務があります。
この制度で注意点していただきたいのは、
「罰則規定」があることです。
不提出、虚偽記載については、
○1年以下の【懲役】または、
○50万円以下の【罰金】が課される
ことになります。
この罰則規定は、
制度が始まる翌年の平成26年分から、
となりますが、
「情状免除規定」も設けられます。
当初は提出もれがたくさんあるでしょう。
そのすべてに懲役、罰金を掛けていたら、
手間が大変なので、
「当面はちょっとした提出もれは大目に見ますよ」
ということでしょう。
ただし、あまり軽く考えないことが大切です。
実は、今でも似たような制度があります。
○所得が2,000万円を超える人は、
○12月31日現在の、
○財産と債務をすべて税務署に報告する、
という制度です。
ただし、これには罰則規定がありません。
提出したくない人は、提出しないわけです。
税務署から催促のハガキが何度も来ますが、
さらにそれを無視する人もいますね。
無視しても、罰則はかからないのが現状です。
今回の新しい制度は、罰則がかかるのが大きな違いです。
これからは、書類の提出忘れで最悪【懲役】です。
これはたまりせんね(汗)
恐らく執行猶予は付くのでしょうが、
仕事にはかなり影響が出るでしょう。
さて、それではどう対処したら良いでしょう?
まず、海外に財産を持つときは、
5,000万円を超えて税務署に書類を提出するか、
または提出しないようにそれ以下に抑えるか、
判断することが大切ですね。
すでに5,000万円を超えて、
海外に財産を持っている人は、
どうしても提出したくなければ、
一部を処分して円に替えて、
5,000万円以下にすべきとなります。
さらに、昔から持っている海外の財産は、
今から一覧表を作っておくといいでしょう。
海外預金が知らぬうちに利息が付いて、
5,000万円を超えていた、
ということもあり得ますね。
過去に税制が急に厳しくなったときの事例をみると、
最初は厳格に運用されないのですが、
ある日、芸能人などの申告もれがマスコミに報道され、
それをきっかけに税務署の対応がに厳しくなることが
よくあります。
今回のこの規定もマスコミ報道がされるようになったら、
一気に厳しくなるシグナルですね。
金融機関などにおつとめの方は、
海外投資のお客様への事前の説明を、
これからはしっかりおこなう必要があるでしょう。
このように、
海外財産に対する規制強化が、
これから始まることは、
○○さんも十分認識してくださいね
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