相続時精算課税のポイント(2011年10月11日)
2011年10月11日
2011年10月11日
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○○さん、こんにちは。
税理士の落合孝裕です。いつもメールマガジンをお読みいただき、
ありがとうございます。
さて、今回は「相続時精算課税」の上手な使い方です。
相続時精算課税とは、
○ 親(65歳以上)から子ども(20歳以上)への、
○ 2,500万円までの贈与については、
○ 贈与税がかからず、
○ 将来の相続時に持ち戻して相続税がかかる
制度です。
つまり、
最初に贈与税がかからず得をしますが、
将来の相続税で持ち戻して税金を払います。
トータルで見ると、
税金的には、得も損もないことになります。
平成15年に新しくできたもので、適用された件数は意外に多く、
平成21年の1年間で6万6千件の適用があります。
ただし、適用している人のうちには、
内容がよく分かっていない人もいて、
将来の相続のときに、
相続税がかかることを知らない人もいます。
内容をもう少し詳しくご説明します。
○ 税務署に届出書の提出が必要
○ 一度選択すると「暦年課税※」に戻ることはできない
○ 何年にわたって使ってもかまわない
○ 累計で2,500万円を超えると超えた金額は20%課税
○ 将来の相続時に【贈与時の時価】で持ち戻される
○ 払った贈与税は、将来の相続税で精算される
○ 住宅取得資金は親の年齢制限はなし(平成23年12月末まで)
といったところです。
※暦年課税とは、
通常の年110万円の非課税の贈与の制度です。
これは将来の相続で持ち戻すことはありません。
暦年課税をずっと使って、
親から子どもへ財産を毎年贈与していくのも有効です。
「相続時精算課税」は、
一度選択するとずっと適用されますので、
「暦年課税」とどちらで相続対策を進めるか、
よく考えてから実行する必要がありますね。
さて、相続時精算課税の上手な使い方を2つご紹介します。
1つ目は、
「財産分割を生前におこなってしまう」
という使い方です。
高齢者社会になり、90代での相続も珍しくありません。
親の相続で財産を引き継いだと思ったら、
すぐに自分の相続対策が必要、
といった笑えないケースも増えています。
子どもたちもできれば、30代、40代のお金がかかるときに、
親の財産を先にほしいところです。
また、最近は相続での争いがとても増えています。20年くらい前と比べると、
相続人の権利意識が強くなっている傾向があります。
親の面倒をまったく見なかった子どもが、
遺産分割で、法定相続分を主張することがよくあり、
もめごとの原因になっています。
精算課税を使えば、
親御さんが自分の意志で、
生前に財産分けができてしまうのです。将来払う相続税は増えることはありません。
もちろん、減ることもありませんが・・・
老後の生活資金は少し多めに残して、
あとは子どもたちに分けてしまうと、
将来に憂いを残さないことになります。
2つ目の使い方は、
「値上がりが見込まれる財産の贈与」
として使うことです。
「このご時世でそんなものがあるの?」
たしかにあまりありませんが、
たとえば、
○ 経営している優良企業が赤字となったときの株式
○ 再開発が予定されている土地
こんなものが考えられます。
常に黒字の優良企業が、
リーマンショックや震災の影響で、
たまたま赤字になるケースがあります。
オーナー会社の株式は、
業績や会社の純資産などで評価されます。
赤字になると株式の評価が一気に下がります。
10分の1以下になることもあります。
そのタイミングで、精算課税を使って、
後継者に贈与すれば、
安い贈与税で事業を承継できます。
その後に会社の業績が回復しても、
将来の相続では、
あくまでも【贈与時の時価】で持ち戻しです。
相続時の高い株式の評価とはなりません。
実際に顧問先に、この方法での贈与を実行して、
4,000万円の相続税をゼロにしたことがあります。
最後に注意点を1つ。
この精算課税を使って贈与した宅地については、
将来の相続税では、
「小規模宅地の評価減」を使えないことです。
たとえば、
自宅の敷地については、
条件に合えば、
相続時の評価額は、
240㎡まで80%減となります。
賃貸アパート、マンションの敷地は、
200㎡まで50%減となります。
精算課税を使うと、
この減額がまったく使えなくなりますので、
自宅や賃貸アパートなどの敷地は、
よく考えてから活用することが良いですね。
使い方と注意点を良く押さえたうえで、
この制度を上手にお使いください。
【編集後記】
今日から、研修の講師で新潟へ出張となります。
明日から3日間の研修ですが、
前泊しますので、今日から3泊3日となります。
友人の税理士と2人で、決算書一通りの研修の講師です。
魚やお酒が美味しい土地なので、そちらも楽しみです。
美味しいお店など、ブログでご紹介していきますね。
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落合会計事務所
税理士 落合 孝裕
所在:東京都世田谷区用賀2-14-11ブリュンヒルデ4階
電話:03-5716-6528
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