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雑損控除、災害や盗難などでの損害(2020年3月24日)

2020年3月24日

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●落合会計事務所 オフィシャルメールマガジン
vol.463 2020年03月24日配信●
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・ご挨拶……… 確定申告は期限が延長されました
・特集………… 振り込め詐欺は控除ができるでしょうか?

●ご挨拶○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。

○○さん、こんにちは。
税理士の落合孝裕です。 

確定申告は期限が延長されました。
そうは言っても、当初の予定通り、
事務所では3月16日にほぼ終了させました。
おかげ様で3連休は、
お墓参りや部屋の片付けができました。 

●特集○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。

さて今回は、「雑損控除、災害や盗難などでの損害」です。

個人の確定申告の期限が1ヵ月伸びて、
4月16日になりました。
これから申告する人も、
また来年以降の申告にも、
頭の隅に置いておくとよい控除があります。

「雑損控除」というもので、
あまりなじみがありませんが、
平成30年で4万4千人も適用を受けています。
前年比で92.8%の大幅増となっています。

個人が次の損害を受けた場合に適用ができます。
(1)震災、風水害など自然現象の異変による災害
(2)火災など人為による異常な災害
(3)害虫などの生物による異常な災害
(4)盗難
(5)横領
適用が大幅に増えている理由は、
自然災害が増えていることによります。

災害に加えて「盗難」「横領」も対象です。
あってほしくはありませんが、
仮に起こったら確定申告をすることで、
税金の一部を取り戻すことができます。

一方で、詐欺と恐喝は控除の対象外です。
○ 盗難 → OK
○ 横領 → OK
○ 詐欺 → 対象外
○ 恐喝 → 対象外

詐欺の手口は年々巧妙になっていますが、
税金での控除は認められません。
「だまされた本人も悪いから」
 という理由でしょうが、
 条件付きで認められてもよいように思います。

一方、盗難や横領については、
少なくとも「被害届」は出しておくべきです。
場合によっては「告訴」をするなど、
客観的な証拠資料を残しておくと、
後々税務署に説明しやすくなります。

確定申告で控除できる金額は、
(1)(損失額 - 保険金など)- 総所得×10%
(2)災害関連支出の金額 - 5万円
いずれか多い方となります。
その年で控除できない場合は、
3年間繰り越すことができます。

さて、盗難と横領については、
実際は税務署から詐欺や恐喝と認定されて、
控除が認められないケースが多くあります。
以下、国税不服審判所の裁決を見てみます。

<平成17年7月1日裁決>
【納税者の主張】
○ DはEから暴行に等しい脅迫を受けた。
○ その結果、意思能力を欠き現金を強取された。
○ 盗難により生じたもので、雑損控除の対象となる。

【審判所の判断】
○ Dは電話で脅迫されて銀行口座に振り込んでいる。
○ 警察署は、詐欺・恐喝の事件として捜査している。
○ Eが反抗を抑圧する脅迫をしたとは認められない。
○ 詐欺ないし恐喝により生じたものとするのが相当。
○ 盗難により生じてなく雑損控除の対象とならない。

<平成19年6月8日裁決>
【納税者の主張】
○ Aの借入金のうち9千万円をBに横領された。
○ その穴埋めのために所有土地を譲渡した。

【審判所の判断】
○ 借入金は法人Cへの貸し付けている。
○ 法人Cの資産に生じたものであり、
  Aの資産に生じた損失ではない。
○ 告訴及び被害届の提出もおこなっていない。
○ Bに横領された事実は認められずに、
  雑損控除は認められない。

<平成23年5月23日裁決>
【納税者の主張】
○ Fはいわゆる振り込め詐欺の被害にあった。
○ 災害、盗難、横領のいずれかの損失に当たる。

【審判所の判断】
○ 詐欺の犯人の指定口座に3回振込みをした行為は、
  Fの意思により基づいてなされているから、
 「災害」または「盗難」による損失には当たらない。
○ Fが振り込んだ金銭に対する所有権は、
  各振込みをした時点で犯人側へ移転したと認められ、
  犯人はそもそも金銭の占有者ではないから、
 「横領」による損失にも当たらない。
○ 以上より、雑損控除の対象とならない。

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最近は振り込め詐欺の手口が巧妙になっています。
「詐欺にあわない自信がある」と思う人ほどだまされます。
裁決のとおり税務上の控除はできません。
怪しい場合は親族や警察へまずは相談をしてください。

●編集後記○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。

新型コロナウイルスの感染拡大で、
顧問先の会社でも影響を受け始めています。
スタッフも手分けして緊急融資のお手伝いをしています。

日本政策金融公庫や東京都からは、
以下のような支援策が発表されています。
https://www.jfc.go.jp/n/finance/saftynet/covid_19.html
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2020/03/05/documents/26_01.pdf

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落合会計事務所
税理士 落合 孝裕
所在:東京都世田谷区用賀4-5-16 TEビル2階
(平成27年9月より移転しています。)
電話:03-5716-6528

○顧問契約、単発の相談のお問い合わせは
http://www.ochiaikaikei.com/
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