決算期の変更(2011年7月12日)
2011年7月12日
2011年7月12日
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○○さん、こんにちは。
毎日、本当に暑いですね~。
梅雨が空けて、暑さがさらにパワーアップしています。
お互い、熱射病にならないように気をつけましょう。
先日、週刊ダイヤモンドの取材を受けました。
昨日発売号に、給与明細書について、
まとめた記事が掲載されています。
http://ameblo.jp/tochiai65282414/entry-10950126186.html
よろしければ、書店などでご覧ください。
さて、今回は会社の決算期についてです。
会社の決算期は、3月末とか、4月末とか、5月末とか、
通常は月末に決められています。
○○さんの会社の決算期はどのように決めましたか?
「会社設立のときに、顧問税理士に勧められて」
「大口の売上先の会社に合わせて」
「何となく・・・」
など、あまり考えずに決めたケースが多いようですね。
うちの事務所では、
他の事務所から顧問先を引き継ぐことがありますが、
引き継いだあとで、
「決算期の変更」をおこなうことがあります。
たとえば、
3月決算の会社なのに、
3月の売上げが圧倒的に多い会社があります。
他の月に比べて、
2倍以上の売上げがあることもあります。
役所が大口の売上先などの会社によくあります。
以前、3月決算から2月決算に変更した事例があります。
(守秘義務により内容を少し変えてあります)
この会社は、3月の売上げが特に大きく、
1年の利益の1/2を、3月で稼ぐ会社です。
3月決算から2月決算に変更することにより、
その決算期に5,000万円出る予定の利益のうち、
2,500万円の利益を翌期に繰り越すことができました。
2,500万円の利益に対する法人税等の税金は、
約40%で1,000万円です。
この1,000万円分の税金について、
もともと3月決算で5月末に納めるところを、
翌年2月決算時の4月末に納めることになりました。
11ヶ月分納税を繰り越すことができました。
さらに、翌期の中間納税では、
前期の納税額の1/2を納めることになります。
中間納税の納める税金も、11ヶ月先送りすることができました。
合わせて、1,500万円分の納税を繰り越すことができ、
資金繰りがとても楽になりました。
また、申告時期(決算期から2ヵ月後)が繁忙期の会社も、
決算期の変更を考えたほうが良いでしょう。
設立当初はそれほど忙しくない場合でも、
その後に申告時期が忙しくなることがあります。
1年のうちで余裕がある月が申告時期になるように、
決算期を変更したほうが良いですね。
決算期の変更は、いつでも会社の意向で可能です。
登記事項ではありませんので、費用もかかりません。
株主総会を開催して決議するだけで、変更することができます。
ただし、「特別決議」になりますので、
株主の2/3以上の賛成が必要です。
親族でほとんど株を持っていれば問題ありませんが、
第三者が株主にのうち1/3超を占めるのであれば、
事前に了解を取り付けておくことが必要です。
税務署、県税事務所、市役所へは、
○ 異動届出書
○ 株主総会議事録のコピー
○ 変更後の定款のコピー
を「遅滞なく」提出することになっています。
「遅滞なく」とは、なるべく早くということです。
申告書の提出と同時に提出しても、
実務上はかまいません。
さらに、決算期の変更は、
今後に予想される増税にも
対応することができます。
たとえば、法人税の増税が、
「平成24年4月1日以降に始まる事業年度から」
となったとします。
3月決算の会社から、順に増税となります。
このケースなら、
平成24年3月決算から平成24年2月決算に変更することにより、
増税の時期を11ヶ月後送りすることができます。
もちろん、
震災後の厳しい時期ですので、
増税が決まれば、あえて決算期の変更をせずに、
そのまま受け入れるという考えもあるでしょう。
ただし、増税により、
会社の資金繰りがかなり厳しくなるのであれば、
ひとまず、増税の時期を先送りして、
将来、会社の利益を増やして、
納税を増やすことも、ありだと思います。
「決算期変更」には費用がかかりませんし、
何回やってもかまいません。
税務調査が入りやすくなることもまずありません。
必要に応じて、「決算期変更」をご利用ください。
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落合会計事務所
税理士 落合 孝裕
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