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特別の寄与、約40年ぶりに変わる"相続法"!(2019年8月27日)

2019年8月27日

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●落合会計事務所 オフィシャルメールマガジン
vol.438 2019年08月27日配信●
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・ご挨拶……… また暑さがぶり返しそうですね。。。
・特集………… 新しい「特別の寄与」制度の注意点です

●ご挨拶○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。

○○さん、こんにちは。
税理士の落合孝裕です。

今週の天気予報を見ると、
木曜日から1週間34度続きになるとのこと。
また暑さがぶり返しそうですね。。。

●特集○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。

さて今回は、「特別の寄与、約40年ぶりに変わる”相続法”!」です。

「相続法」が約40年ぶりに変わりました。
相続法とは正式に呼び名ではありませんが、
民法の中で相続に関する取り決めの部分を、
一般的には相続法と呼んでいます。

今回いくつかの点が改正されましたが、
「特別の寄与」の制度が新たにできました。
7月1日から施行されています。

「特別の寄与」の制度ができたことで、
○ 相続人以外の親族が、
○ 被相続人(亡くなった人)に対して、
○ 無償で療養看護などをしていた場合、
○ 相続人に対し金銭の請求ができる
このようになりました。

それまでも相続人については、
同様の制度がありましたが、
相続人以外の親族(長男の妻など)は、
故人の財産を取得する権利は、
まったくありませんでした。

長男の妻が夫の親と同居している場合、
夫が先に亡くなったときには、
その後夫の親の面倒をみることは、
よくあることだと思います。

一方で、他の相続人は、
親の面倒をまったくみなくても、
親の財産を引き継ぐ権利はあります。
これがあまりに不公平だということで、
今回の制度の創設になりました。

たとえば、以下のケースで考えます。
○ 被相続人(亡くなった人)・・・・父
○ 相続人・・・・長女、次男
○ 特別寄与者・・・・長男の妻(長男は死亡で子どもなし)

寄与分の請求は、以下の流れになります。
(1)長男の妻は、長女と次男に金銭を請求する
(2)(1)がダメなら家庭裁判所に処分を請求する

(2)の家庭裁判所への請求期限は、
○ 相続の開始と相続人を知ったときから6ヵ月以内
○ 相続開始から1年以内
いずれか早い方となります。
相続の開始と相続人は当然知っているので、
期限は相続から6ヵ月以内となります。
早めに進めることがポイントになります。

では、いくら請求できるのでしょうか?
(1)のケースは話し合いになるでしょう。
一方(2)の家庭裁判所のケースでは、
○ 寄与の時期
○ 方法及び程度
○ 相続財産の額その他一切の事情
こういう点を考慮して決められます。

ただし、請求額には上限があります。
(A)財産の額
(B)遺贈の額
(C)(A)-(B)
これが上限額となります。

遺贈とは遺言書での引き継ぎのことです。
たとえば、故人が遺言書で、
自分の財産の引き継ぎについて、
すべて相続人にと定めていたとします。
となると、長男の嫁は特別寄与料を、
まったく請求できないことになります。
「そんなあ。。。」

では、どうしたら良いでしょうか?
まずは、遺言書を作成するときには、
長男の妻にも財産を引き継がせることを、
記載することが考えられます。

これで一件落着となりそうですが、
一方で問題もあります。
長男の妻は、故人の財産について、
○ 遺言書を見ることになるので、
→ 他の相続人が引き継ぐ財産がわかってしまう
○ 相続税申告書に押印することで、
→ 評価額や生命保険の受取までわかってしまう
これではお互い好ましくないでしょう。

それでは、最善の策は何でしょうか?
私は、長男の妻に対して、
療養看護などをしてくれたお礼には、
遺言書に記載するのではなく、
生前に現金の贈与することをお勧めしています。

現金の贈与は、いくつもメリットがあります。
(1)長男の妻は故人の財産の全体像がわからない
(2)贈与税の負担は意外に少ない
(3)相続財産への持ち戻しはなし

長男の妻は、遺言で財産をもらわなければ、
遺言書や相続税の申告書を見ることはありません。

また、1年当たりの贈与税もそう多くありません。
○ ~110万円・・・・ゼロ
○ 200万円・・・・・・9万円
○ 300万円・・・・19万円

ケースバイケースでしょうが、
贈与額は上記くらいではないでしょうか。
仮に上記の2~3倍を考えていれば、
2~3年にわたって贈与すればよいのです。

長男の妻は、遺言書に記載されていなければ、
相続人でも受遺者でもありませんので、
相続直前に受けた贈与については、
相続財産に持ち戻す必要はありません。

長男の妻を生命保険の受取にする手もありますが、
これも相続税の対象になるため、
相続税申告書に押印する気まずさは残ります。

実は、現金の贈与が最善策だということは、
「特別の寄与」ができる前も同じでした。
もちろん新しい制度ができて、
長男の妻などに権利が生じたことは良いことです。

一方で故人から贈与がなかったばかりに、
新しい制度を適用することで、
かえって相続人と長男の妻との間で、
ぎくしゃくした関係になってしまう、
こういうことは避けたいですね。

○○さんのご自分の終活では、
世話になった人への現金の贈与、
これはぜひお考えください。

●編 集 後 記○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。

大船渡高校の佐々木投手が、
昨日は大学生との壮行試合に登板しました。
156キロと圧巻の投球でした。
来年はプロ入りとなるでしょうが、
これから将来が楽しみですね。

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