税務調査、資料の事前提出(2019年7月16日)
2019年7月16日
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●落合会計事務所 オフィシャルメールマガジン
vol.433 2019年07月16日配信●
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・ご挨拶……… 梅雨寒が続いています。。。
・特集………… 税務調査で指摘されづらい方法です
●ご挨拶○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。
○○さん、こんにちは。
税理士の落合孝裕です。
梅雨寒が続いています。
都心では18日連続で日照3時間未満となっています。
こうなると野菜への影響が出そうですね。
あまり暑いのも困りものですが、
もう少し晴れてくれるといいですね。
●特集○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。
さて、今回は「税務調査、資料の事前提出」です。
税務署の人事異動は例年通りに、
先週7月10日に一斉に行われました。
これを機に各税務署では、
実質的に新年度が始まりました。
税務調査に入る会社が今後選ばれます。
順次、実地調査が行われます。
税務調査が入ると、
大きな金額の費用は必ず確認されます。
具体的には、次のような費用です。
(1)役員退職金
(2)年払家賃、年払保険
(3)貸倒損失、など
たとえば、役員退職金を出した後は、
税務調査が入りやすくなります。
○ 支給額が「過大」でないか?
○ 役員は本当に退職しているのか?
実際に調査時に入ったときに、
役員退職金規程などで確認をします。
そのときに調査官は、
「コピーを取っていただけますか。」
必ず税務署に持ち帰りますね。
コピーを持ち帰ってどうするのでしょう?
役員退職金など判断が必要な項目は、
「審理(しんり)担当」というチェック係に、
その内容を確認してもらうことになります。
審理担当はいくつもチェックしていますので、
1ヵ月以上も結論が出ないこともあります。
実地調査が終わってから、
この結論を待っているときは、
社長はやきもきする期間ですね。
気になり出すと仕事が手に付かなくなり、
業績が悪くなってしまうこともあります。
社長にはとてもいやなこの待ち期間を、
短くすることはできないのでしょうか?
これは簡単な方法があります。
申告書を提出するときに、
調査時に必ず求められる書類のコピーを、
税務署に先に提出してしまうことです。
役員退職金なら次のような書類です。
(1)役員退職金規程
(2)株主総会、取締役会議事録
(3)役員報酬の過去の支給額、など
3つ目の「過去の支給額」とは、
多額の役員退職金を出したいがために、
直前に不自然な引上げ方をしていない、
ことの説明資料になります。
役員退職金の支給額が否認された判決で、
社長が体調をこわしてから役員報酬を引上げ、
それをもとに役員退職金を計算した事例があります。
(平成20年12月1日大分地裁)
https://www.ochiaikaikei.com/mlmg/201407021508_906.html
さて、このような書類を先に提出した後で、
会社に税務調査が入ると、
調査官の対応は次のいずれかとなります。
「書類を先にいただいていますね。」
説明があるだけで終わるパターン。
「・・・・・・・・・・。」
まったく一言も触れないパターン。
税務署内で先に調べてから調査に入るので、
会社は質問される面倒な時間が省けます。
この資料を先に提出する方法に対しては、
「手の内を先に見せることはないでしょう。」
「先に出すと調査に入られやすくなるのでは?」
という反対意見もあると思います。
最近、資料を先に提出することによって、
役員退職金だけが争点と予想された決算では、
その後税務調査が入りませんでした。
「入って調べても意味がないよね。。。」
と税務署内で結論が出たのでしょう。
さらに、もう一つのメリットとして、
実際に税務調査が入った場合に、
「交渉材料」にされないことがあります。
交渉材料とはどういうことか?
実際の事例で見てみましょう。
会社が役員退職金の支給をして、
事前に資料を提出していないとします。
(調査最終日の夕方)
調査官:今回の問題点は2点ありました。
1点目は役員退職金の支給額、
2点目は社長の飲食代、です。
社 長:そうですか。。。
調査官:いずれも署内でチェックして、
後日、税理士の○○先生に、
電話でご連絡します。
(そして、1ヵ月後。。。)
調査官:株式会社○○の税務調査ですが、
役員退職金の支給額については、
署内で検討して問題なしとなりました。
税理士:はい、わかりました。
調査官:社長の飲食代は、一部が役員賞与となります。
修正申告書の提出をお願いいたします。
税理士:はい、伝えておきます。
(顧問税理士から社長に連絡)
税理士:社長、税務署からやっと連絡がありました。
(かくかくしかじか。。。)
社 長:わかりました。
先生、飲食代は修正申告を出しましょう。
よくありがちな調査の終わり方ですね。
役員退職金は、事前に書類を提出しておけば、
極端に多額を支給していない限り、
調査で指摘されることはまずありません。
となると、社長の飲食代だけが論点ですので、
会社側はもっと言いたいことを言うべきです。
業務のためと説明がつく飲食代であれば、
多額でもまず役員賞与にはなりません。
このように交渉材料とされないよう、
事前に提出することは有効な方法なのです。
最後に功績倍率についての私見ですが、
前掲のメールマガジンに解説の通りです。
https://www.ochiaikaikei.com/mlmg/201407021508_906.html
○○さんの会社のこれからの決算で、
大きな費用の支出がある場合には、
ぜひご参考にしてください。
● 編 集 後 記 ○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。
税理士試験が3週間後に迫りました。
受験をしたのはもう30年も前になります。
3連休は久しぶりに財務諸表論のテキストを読みました。
さすがに試験範囲が広くなっていました。
最近は試験が全体的に難しくなりすぎて、
受験者数が下がり続けています。
もう少し実務を考えてやさしくした方がいいですね。
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