粗利益率、棚卸資産回転率(2019年4月2日)
2019年4月2日
2019年4月2日
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●落合会計事務所 オフィシャルメールマガジン
vol.419 2019年04月02日配信●
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・ご挨拶……… 昨日は砧公園に花見に行きました
・特集………… 税務調査でこれらは必ずチェックされます
●ご挨拶○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。
○○さん、こんにちは。
税理士の落合孝裕です。
昨日は社員皆で砧公園に花見に行きました。
幸い雨は降りませんが寒かったです(泣)。
4月なのにコートを着て花見とは。。。
この寒さで花見はまだしばらくできますね。
●特集○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。
さて、今回は「粗利益率、棚卸資産回転率」です。
一昨日は3月決算の会社の期末でした。
これから決算をまとめる時期になります。
会社に税務調査が入ると、
「売上」と「棚卸資産(在庫)」については、
必ずチェックされます。
売上と棚卸資産(在庫)は、
いずれも金額や件数が多いため、
意図的でなくても間違いが生じやすい項目です。
調査で否認されたときには、
修正税額も大きくなります。
調査官は、以下の指標について、
あらかじめ3~5期くらい調べてから、
税務調査に入ります。
(1)粗利益率(売上総利益率)
粗利益(売上総利益)÷ 売上高
(2)棚卸資産(在庫)回転率
売上高 ÷ 棚卸資産(在庫)
(1)粗利益率(売上総利益率)
変動が大きい会社は、
○ 【不正】をしていないか?
○ 【期ずれ】がないか?
○ 【棚卸計上もれ】はないか?
こういう可能性を調べられます。
まず【不正】とは、売上除外のことです。
売上を除外すると粗利益率は低くなります。
粗利益率が急激に下がった会社には、
税務調査が入りやすくなります。
調査ではさりげなく社長に質問します。
「最近、粗利益は取れていますか?」
「うーん、前と同じくらい取れていますよ。」
(じゃあ、売上を抜いている可能性ありだな。。。)
こんな感じでさぐりを入れていきます。
売上の相手先が会社の場合は、
税務署にはデータベースがあります。
あらかじめ売上先の会社の支払額を調べておき、
税務調査ではこちらで売上に上がっているか、
突き合わせをしていきます。
調査官は会社側の単なるうっかりミスでも、
「重加算税」で処理したがる傾向にあります。
調査の前に売上の漏れに気づいた場合は、
その時点で修正申告を出すことが無難ですね。
次に【期ずれ】とは、
当期末に計上すべき売上が、
翌期首に計上されている場合です。
これは翌期の売上伝票を細かく調べれば、
納品日で当期に売上にすべきことが、
すぐにわかってしまいます。
最後に【棚卸計上漏れ】です。
棚卸(在庫)計上漏れがあると、
その分は原価が増えますので、
やはり粗利益率は低くなります。
○ 500万円の在庫があるところ、
○ 300万円の在庫で申告をすれば、
差額の200万円は原価になります。
結果的に粗利益は減ることになります。
これの見破り方は、
○ 翌期首に売れた商品を伝票で1つ1つ調べて、
○ それが期末に在庫として計上されているか?
地道に調べていくやり方です。
あっさりバレることがよくあります。
さらに、期末ぎりぎりの外注費や材料費で、
売上が翌期のケースも要注意です。
これらは期末で「仕掛品(半製品)」として、
資産に計上する必要があります。
売上が計上される翌期になって、
費用に落とすことができます。
(2)棚卸資産(在庫)回転率
この指標も3期~5期くらい調べて、
変動が激しい場合には、
棚卸(在庫)の金額がおかしくないか?
調査でチェックされます。
在庫を実際より少なく申告していると、
この棚卸回転率は大きくなります。
一方で、在庫を実際より多く申告して、
「粉飾決算」をしていると、
棚卸回転率は小さくなります。
調査では、大きい小さいにかかわらず、
変動が大きい場合には、
チェックされる傾向にありますね。
さて、売上や棚卸に誤りがなくても、
○ 粗利益率(売上総利益率)
○ 棚卸資産(在庫)回転率
これらが大きく変動することがありますが、
その場合、どうしたら良いでしょうか?
以下、事例で考えてみましょう。
現状は以下の業績とします。
○ 売上・・・・・10億円
○ 粗利益率・・・40%
粗利益が少ない売上が追加であるとします。
○ 売上・・・・・・・5億円
○ 粗利益率・・・10%
合計すると以下の業績になります。
○ 売上・・・・・15億円
○ 粗利益率・・・30%
こういうケースでは、
申告書にその旨を記載することです。
「法人事業概況書」の裏面に、
「当期の営業成績の概要」の欄があります。
ここに以下の文面を記載します。
「粗利益率40%で売上10億円のところ、
粗利益率10%で売上5億円の追加があり、
粗利益率が30%に減少しました。」
このような記載があるだけで、
税務調査は格段に入りづらくなります。
入った場合にはその検証はするでしょうが、
不正を前提にチェックされることはまずありません。
○○さんも今回の指標については、
過去の変動をチェックしてみてください。
●編 集 後 記○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。
5月1日よりいよいよ「令和時代」になります。
発表までのどきどき感を久しぶりに味わいました。
当面の間違いあるあるは「命和」ですかね(笑)。
しっくりくるまでにしばらくかかりそうです。
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