商業ビル、マンション、効用比率による評価(2018年8月28日)
2018年8月28日
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vol.390 2018年08月28日配信●
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・ご挨拶……… 昨日のゲリラ豪雨はすごかったですね。
・特集………… 商業ビルの上と下で評価はどうでしょうか?
●ご挨拶○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。
○○さん、こんにちは。
税理士の落合孝裕です。
昨日のゲリラ豪雨はすごかったですね。
2時間くらい仕事をしてから帰ったら、
雨はほとんどやんでいました。
最近の天候の急変には、注意が必要ですね。
●特集○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。
さて今回は、「商業ビル、マンション、効用比率による評価」です。
商業ビルやマンションを売買するとき、
高層階と低層階ではその価額は大きく変わります。
受け取る家賃に比例して価額は決まります。
商業ビルの場合は、
1階の家賃は上の階より数倍も高くなります。
都心の一等地では、高級ブランドショップは、
たいてい1階に入っていますね。
したがって、1階部分を売却した場合には、
上の階より売却価額は高くなります。
居住用のマンションの場合は、
逆に、上の階のほうが下の階より高く売買されます。
タワーマンションでは上下の差は大きいですね。
ところで、相続が発生した場合は、
「上下の階の評価額の差はどうなるか?」
これは、上の階であれ下の階であれ、
あくまでも持ち分に応じて評価するため、
結果的に評価額には差がありません。
これについて、最近の裁決事例があります。
<平成29年11月17日裁決>
【納税者の主張】
○ 相続人は子A及びBの2人
○ 平成26年4月20日に分割協議が成立
○ 子Aは8階建て借地権付き商業ビルの
7階及び8階を取得
○ 借地権割合が90%の商業地域
○ 低層階は店舗・・・・家賃が著しく高い
○ 高層階(7階及び8階)は事務所・・・家賃が低い
○ 7階及び8階を「効用比率 ※」により評価すべき
※建物の階層に応じた利用率のこと、
7階及び8階の家賃に応じて低い比率で計算
【国税不服審判所の判断】
○ 共有財産の持ち分の評価は、
その財産の全体の価額を持ち分の割合に応じて、
あん分した価額とする定めが評価通達にある。
○ 低層階と高層階で家賃に差異があっても、
借地権全体に対する持ち分の権利は、
持ち分割合に応じて均等であり、
質的に異なることはない。
○ よって、階層による「効用比率」をもって、
借地権について相続税法評価通達と異なる
評価でおこなうことは相当ではない。
○ したがって、納税者の主張は採用できない。
(国税速報第6523号より作成)
このように、建物の上下の階層の差は、
相続税ではまったく考慮されません。
単なる持ち分で評価されることになります。
国税側のこれまでと同様の考え方が、
あらためて示されたことになります。
今後もこの考え方をもとに、
相続対策や遺産分割について、
実行していく必要があります。
(1)マンションの高層階は相続対策で有効
(2)収益性高い階層は子が引き継ぐ
(1)については、これまでと同様に、
今後も有効であることは変わりません。
タワーマンションの高層階は特に効果が高いです。
ただし、マンション市況をよく考慮して、
将来価格が大きく下がらない、
優良な物件を購入すべきです。
(2)については、一棟のビルを、
相続で引き継ぐときの注意点です。
○ 家賃が高い階・・・子ども
○ 家賃が低い階・・・配偶者
相続前に区分登記をしておいて、
このように引き継げば、
子どもが高い家賃を受け取ることができます。
その後に高く売却することも可能です。
商業ビルやマンションの相続税の評価方法は、
不動産の売買をしたことがある人には、
とても違和感があるものですが、
こういったものと割り切るしかありませんね。
●編 集 後 記○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。
日曜日は今話題の映画
「カメラを止めるな!」を見に行きました。
あれほど満員の映画は久しぶりでした。
練り上げたストーリーで面白かったですね。
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