奥様への役員報酬支給のポイント(2011年5月24日)
2011年5月24日
2011年5月24日
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○○さん、こんにちは。
税理士の落合孝裕です。
いつもメルマガをお読みいただき、ありがとうございます。
昨日まで九州に出張に行っていました。
初めて九州新幹線に乗りましたが、
新しいこともあり、なかなか良い乗り心地でした。
先頭のライトが赤くて、顔が長いですね。
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さて、今日は奥さんに給料を出すときの注意点です。
前にも同じようなテーマで取り上げましたが、
今回は役員にしぼってご説明します。
所得税は、所得が増えるほど、税率が高くなります。
「累進税率」と言われています。
したがって、ご主人が経営者の場合、
ご主人1人にまとめて給料を出すより、
奥さんに分けて給料を出すほうが、はるかに節税になります。
ご主人の高い部分の所得が、
奥さんの安い部分の所得になるため、
2人で払う税金はかなり少なくなるのです。
たとえば、次のケースで税金を比べてみます。
A ご主人 1,200万円 奥さん 0万円
B ご主人 900万円 奥さん 300万円
年間に支払う税金(所得税+住民税)は、
A ご主人 178万円 奥さん 0万円 合計 178万円
B ご主人 116万円 奥さん 17万円 合計 133万円
と、AよりBのほうが45万円も少なくなります。
理論的には、一番少なくなるのは、
ご主人と奥さんが同じ年収にすることです。
つまり、このケースなら各600万円の年収です。
支払う税金は合計で103万円となり、
Aより75万円も少なくなります。
ただし、安易に設定してしまうと、
税務調査のときに否認されることがあります。
問題になるのは、奥さんの【勤務の実体】です。
奥さんが実際に、
○ どんな仕事を、
○ どのくらいの頻度で、
仕事をしているのか、しっかり説明できることが必要です。
奥さんが会社に毎日出勤していており、
ご主人と共同経営的におこなっていれば、
ご主人と同じくらいの給料を出しても、問題はありません。
しかし、たまにしか出勤しておらず、
ほとんど仕事をしていない場合は、
あまり多額を支給することは認められません。
実際によく税務調査で指摘されるのは、
奥さんがほとんど仕事をしていないで、
一定額を支給しているケースです。
そうは言っても、
ほとんど仕事をしていない非常勤でも、
たとえば会社の役員であれば、
ある程度の給料を支給することはよくあります。
仕事の内容は、非常勤でもできる次のようなことが考えられます。
○ 経理の補助
○ 役員、社員の給料の振り込み
○ 採用、給料の改訂などの社長へのアドバイス
非常勤の場合でも、たくさん出したいところですが、
大卒の新入社員の年収くらいがひとまずの目安になるでしょう。
月額20万円、賞与が年3ヶ月分で、
年収ベースで300万円程度となります。
役員への給料なので、毎月定額で支給すると、
月額25万円となります。
この程度の支給額で、税務調査で突っ込まれたときには、
「おたくの税務署も、新人は座っているだけで役に立ちませんよね。
それより奥さんのほうが、はるかに役に立っていますよ。」と反論すると、
調査官はたいてい引き下がります(笑)。
税務調査でもめて、裁判まで行ったケースを見ると、
○ 奥さん名義の口座に振り込んでいなかったり、
○ 奥さん自身が、自分の年収を把握しておらず、
税務署から否認されたものがあります。
つまり、
○ 本人の名義の口座に、毎月振り込むこと
○ 本人が年収を把握していること、
などもポイントになります。
このような点にも注意して、
○○さんの会社も、しっかり節税をしてくださいね。
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落合会計事務所
税理士 落合 孝裕
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