特定役員退職手当、2分の1課税の特例(2017年10月3日)
2017年10月3日
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●落合会計事務所 オフィシャルメールマガジン
vol.345 2017年10月03日配信●
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・ご挨拶……… もう10月になりました
・特集………… 役員退職金は○年以下だと増税になります
●ご挨拶○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。
○○さん、こんにちは。
税理士の落合孝裕です。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
もう10月になりました。
長い夏がやっと終わったと思ったら、
今年もあと4分の1ですね。
過ごしやすい秋が長いと助かります。
●特集○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。
さて今回は、「特定役員退職手当、2分の1課税の特例」です。
退職金にかかる税金は、とても優遇されています。
受け取った退職金の額から、
(1)退職所得控除額を控除します。
(2)控除後の金額を1/2にします。
(3)さらに、総合課税される所得と分けて課税されます。
このように3段階にわたって優遇されています。
(1)の退職所得控除額は以下のとおりです。
○ 会社の勤続年数が1年あたり・・・・・40万円
○ 勤続年数が20年を超える期間・・・70万円
1年未満の端数は切り上げて計算します。
勤続年数10年2ヵ月なら11年となります。
また、控除額は最低でも80万円となっています。
実際に計算すると次のようになります。
勤続年数が15年
・・・・40万円×15年=600万円
勤続年数が30年
・・・・(A)40万円×20年=800万円
(B)70万円×10年=700万円
(C)(A)+(B)=1,500万円
それぞれ600万円、1,500万円までの退職金なら、
所得税・住民税の税金はゼロとなります。
また、超えた退職金は超えた金額が、
上記の(2)と(3)の対象となります。
(2)控除後の金額を1/2にするとは、
たとえば、
勤続年数が15年で退職金が900万円とすると、
○ 900万円 - 600万円(退職所得控除額)= 300万円
○ 300万円 × 1/2 = 150万円
よって、150万円となります。
さらに、(3)総合課税とは分けて課税されます。
所得税は所得が高いほど税率が高くなる
「累進課税」となっています。
よって、分けて課税(分離課税)となれば、
支払う税金も少なくなります。
上記のように、退職金は3段階にわたって、
かなり優遇されているのです。
仮に同じ金額を給料でもらうことと比べると、
半分以下の税金で済むことになります。
さて、役員の退職金については、
勤続年数が【5年以下】で退職金を支払うと、
上記の(2)控除後の金額を1/2にする、
この適用ができなくなります。
税金の対象額が2倍になってしまいます。
たとえば、300万円の役員退職金で計算すると、
○ 勤続年数4年11ヵ月
300万円 - 200万円(退職所得控除額)= 100万円
→分離課税の対象額
○ 勤続年数5年1ヵ月
300万円 ー 240万円(退職所得控除額)= 60万円
60万円 × 1/2 = 30万円
→分離課税の対象額
このようにわずか数ヶ月の差で、
税金の対象額は半分以下となります。
また、
○ 社員の期間・・・20年
○ 役員の期間・・・・・4年
勤続年数の合計が24年で退職金を支給する場合は、
役員退職金に相当する金額のみが、
1/2にすることができなくなります。
24年で全体の支給額を判断しないことです。
これから○○さんの会社で、
役員に退職金を支給する場合は、
まず登記簿謄本で就任年月日を確認してください。
勤続年数が5年に少し足りないくらいなら、
少しだけ長く【5年超】として退任する方が、
退職金にかかる税金ははるかに少なくなります。
これは平成25年以後の役員退職金について、
新たに創設された制度です。
ひんぱんに発生することではありませんが、
役員の期間は【5年超】としてから、
退職金を支払った方が有利なことは覚えておいてください。
●編 集 後 記○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。
プロ野球はペナントレースも終盤ですが、
気がかりなのは大谷選手の大リーグへの移籍問題です。
早ければ来年からメジャーデビューしそうな気配です。
二刀流で活躍したら本当にすごいですね。
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