名義預金、贈与との違い(2017年8月1日)
2017年8月1日
2017年8月1日
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●落合会計事務所 オフィシャルメールマガジン
vol.336 2017年08月01日配信●
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・ご挨拶………早いもので今日から8月です
・特集…………名義預金とならないための注意点です
●ご挨拶○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。
○○さん、こんにちは。
税理士の落合孝裕です。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
早いもので今日から8月です。
まだまだ夏の真っ盛りです。
最近は台風ばかりでなく、ゲリラ豪雨、雷と、
気候の急変に気をつける季節ですね。
●特集○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。
さて今回は、
「名義預金、贈与との違い」です。
相続税の申告をするにあたり、
「家族名義」の預金は、
○ まったく申告しなくて良いのか?
○ 一部申告すべきなのか?
悩ましいことがよくあります。
というのは、
相続税の申告では、名義はどうであれ、
実質的に亡くなった人(=被相続人)の財産であれば、
相続財産として申告する必要があるからです。
税務署の調査が入ると、
家族名義の預金はまず100%、
調査官からチェックをされます。
家族の名義を借りただけで、
実質的に亡くなった人の預金があれば、
「名義預金」となり、
相続税の修正申告をおこなう羽目になってしまいます。
相続人としては、
「いやいや生前に本人からもらったものです。」と、
言い張って修正申告はまぬがれたいところです。
家族名義の預金の取り扱いは次のようになります。
【○】・・・相続税・贈与税の対象外
【×】・・・相続税の対象
【△】・・・年110万円以上なら贈与税の対象
(1)実質的にその名義人(妻、子供など)のもの・・・【○】
過去に働いて貯めた、親から相続でもらったものなど、
実質的にその名義人のものは、
当然ですが亡くなった人の財産にはなりません。
(2)名義預金・・・【×】
単に名義を借りただけで、
実質的に亡くなった人のものであれば、
「名義預金」となり相続財産になります。
(3)相続人・受遺者(注)への3年以内の贈与・・・【×】
亡くなった人から亡くなる3年以内に、
贈与を受けた財産は相続税の対象となります。
たとえ基礎控除額(年110万円)以下でもです。
(注)遺言で財産を受け取った人
(4)相続人・受遺者への3年より前の贈与・・・【△】
一方で、3年より前の贈与は、
贈与税の対象となります。
ただし、基礎控除額以下なら申告・納税は不要です。
(5)相続人・受遺者以外への贈与・・・【△】
時期は問わず贈与税の対象となります。
ただし、基礎控除額以下なら申告・納税は不要です。
(6)申告期限から7年より前の贈与・・・【○】
贈与税の時効が成立しますので、
だれに対する贈与であれ、
納税・申告をおこなう義務はありません。
さて、預金について相続税の対象となるか、
対象外となるかについて、
最近の国税不服審判所の裁決例では、
次のようなものがあります。
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<平成28年11月8日裁決>
【裁判所の判断】
(1)長女名義の預金
以下の理由により、相続財産に該当する。
○ 定期預金申込書の筆跡は、
亡くなった人の配偶者のものであること
○ 申込書の印は、
亡くなった人の預金の届出印と同じものであること
〇 最終的に配偶者の口座に入金されていること
○ 預金の管理及び運用は、配偶者がおこなっていたこと
○ 贈与税の申告をしていないこと
○ 贈与契約書なども存在しないこと、など
(2)長男の妻及び子どもの預金の一部
以下の理由により、相続財産とはならない。
○ 銀行口座の印鑑票の筆跡は、
長男の妻のものであること
○ 長男が生活費等の名目で受け取った現金は、
長男の妻が管理していたこと
○ 預金口座の通帳は長男の妻が管理していたこと、など
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上記の裁決例を参考に○○さんも、
「名義預金」と認定されないようにしましょう。
重要なポイントは「筆跡」「印鑑」「管理」です。
まとめると、以下のようになります。
■ 預金の書類の記載は名義の本人がおこなうこと
■ 預金口座の届出印は名義の本人のものとすること
■ 通帳の管理は名義の本人がおこなうこと
■ 年110万円を超える贈与は申告・納税をすること
■ 贈与契約書はできれば作成しておくこと
税務調査で否認されてしまうと、
修正税額も数百万円になることもよくあります。
○○さんも今から十分にご注意ください。
●編 集 後 記○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。
先週末から夏風邪を引いてしまいました。
薬は飲んでいますが寝るときに咳が止まりません。
「風邪を引くとはこういうことだったんだなあ。。。」と、
久しぶりに思い出しました(苦笑
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