不動産の売却損による節税(2011年5月17日)
2011年5月17日
2011年5月17日
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○○さん、こんにちは。
税理士の落合孝裕です。
いつもメルマガをお読みいただき、ありがとうございます。
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さて、今日のテーマは、
会社の含み損を使った大きな節税対策です。
会社で所有する不動産で、
大きく含み損になっているものはないでしょうか?
たとえば、20年前に2億円で購入した本社ビルが、
今は時価が半値の1億円になっているようなケースです。
みなさんの会社に、関連会社があるのなら、
本社ビルをその関連会社に、時価の1億円で売却することにより、
売却損を1億円出すことができます。
1億円の売却損であれば、
△1億円×約40%(法人税率)=△4000万円
の節税になります。
赤字が引ききれない場合は、7年間繰り越しができます。
理屈はわかっていても、
「顧問の税理士の先生のOKが出なくて、なかなか進みません。」
と、社長さんから聞くことがあります。
税法では、
「同族会社の行為または計算の否認」規定といって、
同族会社が「不当に」税金を少なくすることは、
認められていません。
「節税」を【目的】として、
経済行為をしては、ダメということです。
ただし、通常の経済行為をすることにより、
【結果的に】「節税」になることは問題ありません。
顧問の税理士が、この規定に過敏に反応して
「事なかれ主義」になっていることがよくあります。
実際に本社ビルの売却をおこなったケースをご紹介します。
(守秘義務により、前提条件は変えてあります)
○ A社は、昭和63年に本社ビルを2億円で購入
○ 現状の時価は、8,000万円
○ グループ会社の不動産管理会社B社に、時価で売却
○ A社は、1億2,000万円の売却損を計上
ここでポイントは、4点あります。
1 売却の理由付けをしておくこと
2 売却の時価を客観的に見積ること
3 不動産登記を必ずおこなうこと
4 代金の精算をできればおこなうこと
1は、もちろん
「会社の利益が出たから」ではダメです。
これでは節税が目的になってしまいます。
B社が不動産管理会社だったので、
「不動産管理をやりやすくするため」という
理由付けをしました。
関連会社がない場合はどうしたら良いでしょうか?
売却の前に設立しておけば良いのです。
会社の目的には、「不動産管理」を入れておくことは、
言うまでもありません。
2は、不動産鑑定士の鑑定評価があることがベストです。
これには数十万円のコストがかかります。
絶対条件ではありませんので、地元の不動産業者などに、
資料を作成してもらうことでもかまいません。
口頭での確認ではなく、直前の売買事例なども基準にした
書面でもらっておくことが良いでしょう。
3は、決算までにおこなうことが必要です。
これにより、
○ 登録免許税
○ 司法書士への登記費用
○ 不動産取得税
がかかりますが、このコストは割り切るしかありません。
意外にめんどうなのが、銀行への了解です。
その不動産に担保が設定している場合は、
銀行に事前に早めに相談して、
関係会社への売却であることを、
納得してもらう必要があります。
4の代金精算は、
絶対におこなうべきと言う税理士もいますが、
実際は絶対条件ではありません。
今回は、購入するB社には2億円の資金がないため、
毎月20万円ずつ支払うことにしました。
「何十年で精算できるの?」と突っ込みが入りそうですが、
少しずつでも毎月払っていますので問題ありません。
○ A社の決算書には、「未収入金」
○ B社の決算書には、「未払金」として計上しています。
A社では貸付金としていませんので、
未収の利息を計上することもしていません。
今回のケースは金額が大きいため、
所轄の税務署に出向き、
事前相談を受けました。
その後、税務調査が入りましたが、
不動産の売却には、調査官は一言も触れませんでした。
このように、大がかりな節税は、
事前にしっかり準備して、
必要な書類、手続きをふめば、
税務調査で否認されることは、まずありません。
○○さんの会社で、こんなケースがあれば、
顧問の税理士の先生と相談して、
不必要にこわがらずに、しっかり節税をしてくださいね。
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落合会計事務所
税理士 落合 孝裕
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