棚卸資産の評価損(2017年6月6日)
2017年6月6日
2017年6月6日
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●落合会計事務所 オフィシャルメールマガジン
vol.328 2017年06月06日配信●
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・ご挨拶………スギ花粉が終わったものの。。。
・特集………… 税務調査で指摘される「在庫」の注意点です
●ご挨拶○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。
○○さん、こんにちは。
税理士の落合孝裕です。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
スギ花粉の時期は終わりましたが、
まだ目がかゆいことよくあります。
周りでもまだアレルギーの人は多いです。
しばらくは付き合うしかないようですね。
●特集○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。
さて、今回は「棚卸資産の評価損」です。
来月7月は税務署の異動の時期です。
その後に税務調査に入る会社の選定が始まります。
調査が入ると「在庫」=「棚卸資産」については、
必ずチェックされる項目の1つになっています。
「調査官にうちの在庫がわかるわけがないだろう」
なかには軽く考えている社長もいます。
たしかに税務調査が入るのは決算から数か月後なので、
当日の正確な在庫の状況はわからないでしょう。
型どおりの調査方法としては、
翌期の期首の売上高を調べる方法があります。
たとえば3月決算の会社であれば、
翌期の4月1日~5日頃に売上げた商品が、
3月決算の在庫にないとおかしいことになります。
もちろん、4月初めに仕入れた商品もありますので、
それも考慮して調査官は指摘してきます。
この矛盾を突かれると修正せざるを得ないですね。
それ以外に税務調査でもめることの一つに、
在庫の「評価損」の問題があります。
評価損とは在庫の価値が下がった場合、
下がった単価で計上することです。
まず、在庫の「評価損」が認められるケースとして、
次のものがあります。
(1)災害により著しく損傷したこと。
(2)著しく陳腐化(ちんぷか)したこと。
(3)(1)(2)に準ずる特別の事実。
(2)の「陳腐化」とはあまり使わない言葉ですが、
具体的には次のようなものが該当します。
(A)いわゆる季節商品で売れ残ったものについて、
今後通常の価額では販売することができないことが、
既往の実績その他の事情に照らして明らかであること。
(B)当該商品と用途の面ではおおむね同様のものであるが、
型式、性能、品質等が著しく異なる新製品が発売された
ことにより、当該商品につき今後通常の方法により
販売することができないようになったこと。
(A)は、洋服店の夏服や冬服の売れ残り在庫が該当します。
その後バーゲンで半値で処分しているのであれば、
バーゲンのチラシなどを取って明らかにしておけば、
在庫も半値で評価してもかまわないことになります。
(B)は、パソコンの性能がアップしたため、
旧型を大幅に値引きしないと売れないことなどが該当します。
さらに、上記(3)の特別の事実とは、
〇 破損
〇 型崩れ
〇 たなざらし
〇 品質変化等により
通常の方法によって販売できなくなることが該当します。
さて、過去の国税不服審判所の裁決例を見ると、
在庫の評価損が認めらなかった事例があります。
<平成16年3月26日裁決>
【納税者の主張】
○ 作物について加工品の原料としては、
仕入当初から価値のないものであったため、
棚卸資産として計上しなかった。
【審判所の判断】
〇 作物のうち50袋を食品加工業者に有償で売却していること
〇 作物を原料として一般加工品等の試作を行い
従業員及び知り合いの会社へ試食をさせていたこと
〇 作物を低温倉庫に保管し在庫管理を行っていたこと
→以上により、取得価額で評価すべき。
<平成23年3月25日裁決>
【納税者の主張】
○ 書店等から返品された雑誌等について、
古紙としての価値があるにすぎないから、
評価損の計上が認められるべき。
【審判所の判断】
〇 棚卸資産について評価損が認められるのは、
陳腐化等の事実が生じ、かつ、
損金経理(=経費処理)により、
その帳簿価額を減額した場合である。
〇 請求人の棚卸資産については評価損の計上が
認められる状態にあったと認めるに足る証拠はない。
〇 損金経理により棚卸資産の帳簿価額を減額した
事実も認められない。
→以上により、その評価損は認められない。
このように、在庫の「評価損」については、
ケースのよっては認められるのですが、
税務調査で否認されることもあります。
否認されないためには、期末までに捨てることも手です。
そもそも在庫がなければ税務署も否認しようがありません。
お金はかかりますが廃棄業者に依頼して、
「廃棄証明書」をもらっておくことです。
○○さんも会社の決算前に一度お考えください。
●編 集 後 記○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。
卓球の世界選手権は盛り上がりましたね。
テレビを付けると見続けてしまいます。
中学生や高校生の世界的な大活躍はすごいですね~
自分は中学、高校のときは何をやっていたんだろうと。。。
ついつい考えてしまいますね(苦笑
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