小規模宅地の特例、貸付事業用宅地の賃料(2016年10月18日)
2016年10月18日
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●落合会計事務所 オフィシャルメールマガジン
vol.301 2016年10月18日配信●
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・ご挨拶………急に肌寒くなりました。。。
・特集…………賃料が低すぎると相続税が大幅に増えます
●ご挨拶○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。
○○さん、こんにちは。
税理士の落合孝裕です。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
急に肌寒くなりました。
ほんの1週間前までは連日30度だったのに。
さすがに上着を着ないと寒い季節になりました。
これくらいの気温が続くといいですね。
●特集○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。
さて、今回は「小規模宅地の特例、貸付事業用宅地の賃料」です。
相続税の小規模宅地の特例については、
亡くなった方のマイホームの敷地を、
対象として適用することが多いです。
マイホームの敷地については、
330平米までが80%減額となりますので、
適用することにより大きな節税となります。
ただし、相続で引き継ぐ人の条件が限定されるため、
すべてのケースで適用できるとは限りません。
次善の策として、不動産賃貸の敷地について、
特例を受けることが考えられます。
不動産賃貸をしている敷地のことを、
「貸付事業用宅地」といいますが、
敷地の相続税評価額について、
200平米までが50%減額となります。
以前相談を受けたケースですが、
そのままの状態で相続を向かえると、
小規模宅地の特例が、
まったく適用できないことがありました。
父親が所有する土地に同族会社が建物を建てており、
税務署に「無償返還の届出書」を提出していました。
この届出書は会社に借地権課税がされない方法です。
相続税について良く勉強されていて、
ここまでは良かったのです。
ところが同族会社から父親に対して、
地代をまったく払っていませんでした。
無償で貸与している敷地については、
小規模宅地の特例がまったく適用できません。
会社から父親に対して地代を支払うべきなのです。
といっても、固定資産税程度の地代の支払いでは、
税務上はやはり使用貸借(無償での賃貸)とされますので、
固定資産税の3倍程度の地代の支払いが望ましいのです。
このケースは早速適正な地代の支払いをしてもらい、
その2年後に相続が発生して、
小規模宅地の特例は問題なく適用できました。
都内の路線価が高い地域でしたので、
特例の適用により相続税が約1,000万円節税になりました。
また、賃料を取っている場合でも、
近隣の相場からあまりに安いケースは、
税務調査で否認されてしまいます。
小規模宅地の特例で、納税者が負けた裁決例があります。
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<平成7年1月25日裁決>
【概要】
○ 親が所有する土地124.33平米を長女に月額50,000円で賃貸
○ 長女は第三者に月極駐車場として年間約200万円で賃貸
○ 親に相続が発生し小規模宅地の特例(50%減額)を適用して、
相続税の申告をした
【国税不服審判所の判断】
○ 周辺地域の土地の賃貸料を調査したところ、
131.77平米の土地で1平米当たり年額で13,447円
132平米の土地で1平米当たり年額で18,181円
○ 親が長女に支払った賃貸料は1平米あたり年額で4,825円
○ 周辺土地の賃貸料と比較して著しく低廉と認められる
○ したがって、事業の用に供されていたとは認められないから、
小規模宅地の特例の対象には該当しない
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周辺の土地の賃貸料が2.8倍ないし3.8倍となっています。
大幅に安い賃貸料で貸していたことになります。
この賃貸形式はサブリース(=又貸し)といって、
長女が親から土地を借りて、第三者に駐車場で貸しています。
年間の支払い60万円に対して受け取りが約200万円ですから、
支払賃料に対して3倍以上で貸していたことになります。
同族会社で不動産賃貸業を営む場合、
よくこの賃貸形式でおこないますが、
会社が受け取る管理料は通常は15%~20%程度です。
第三者に200万円で貸しているのであれば、
所有者への賃貸料は160万円~170万円程度は、
支払うべきということになります。
相続対策というと大がかりなものを、
進めたがる方が多いのですが、
支払っている賃借料が妥当か?など、
まずは現状の見直しをおこなうべきといえます。
●編 集 後 記○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。
プロ野球は大谷選手の話題で持ちきりですね。
指名打者から投手に代わって165キロ!
まさに漫画の世界を超えていますね。
日本シリーズの活躍がさらに楽しみです。
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