相続時精算課税を使った事業承継対策(2015年10月27日)
2015年10月27日
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●落合会計事務所 オフィシャルメールマガジン vol.255 2015年10月27日配信●
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・ご挨拶………………………………急に寒くなってきましたね
・特集…………………………………相続時精算課税は意外に使えます
●ご挨拶○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。
○○さん、こんにちは。
税理士の落合孝裕です。
いつもメールマガジンをお読みいただき、ありがとうございます。
10月も後半になりましたが、
急に寒くなってきましたね。
少し前まで冷房を入れていたのに。。。
この寒さが続けば今度はストーブの用意です。
夏がとても長く秋が短くすぐに冬になってしまう。
最近はこんな感じですね。
体調管理に気を付けてがんばりましょう。
●特集○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○
さて、今回は「相続時精算課税を使った事業承継対策」です。
相続時精算課税とは、
○ 親(60歳以上)から、
○ 子どもまたは孫(20歳以上)へ、
○ 贈与した財産については、
○ 2,500万円までは贈与税がかからず、
○ 将来の相続時に持ち戻して(加算して)、
○ 相続税の計算をする制度で、
○ 税務署への届出書の提出が必要です。
平成27年より対象者の範囲が広がりました。
親の年齢が65歳から60歳に引き下げられ、
財産をもらう側も子どもだけではなく、
孫も対象となりました。
贈与をした時は、贈与税がかからず得をします。
(2,500万円を超えた部分は20%の贈与税)
贈与した財産については、
将来の相続で持ち戻して相続税を払います。
たとえば、2,500万円を贈与したとします。
この時点で贈与税はゼロです。
その後に相続が発生したときは、
贈与した2,500万円を相続財産に加算して、
相続税を計算します。
支払う税金はトータルで考えると、
得も損もないことになります。
適用している人は意外に多く、
制度の導入当初で年8万人以上、
平成25年でも5万人以上が適用しています。
預貯金で贈与するケースが多くなっています。
将来相続時に持ち戻すのは、
【贈与時の時価】となっています。
2,500万円で贈与した財産が、
仮に相続時に1億円になったとしても、
持ち戻すのは2,500万円でかまいません。
したがって、値上がりが確実な財産があれば、
この制度を使って贈与すれば、
値上がり益には税金がかからずに、
子どもや孫へ移転することができます。
この制度を自社株の事業承継に使えば、
将来の相続税を大幅に節税することができます。
中小企業の自社株の評価方法は、
2種類の評価方法があり、
その1つは「類似業種比準価額」です。
○ 配当
○ 利益
○ 純資産
をもとに1株あたり評価額を計算します。
もう1つの評価方法は、
会社の解散時の価格を計算した
「純資産価額」です。
社歴が長く過去の利益が大きい会社は、
評価がかなり高くなります。
「類似業種比準価額」より高いケースが多いです。
この2つの評価方法で計算した株価を、
組み合わせて自社株の評価をします。
会社の売上規模が数十億円と大きくなったり、
従業員数が100人以上と多くなると、
「類似業種比準価額」100%で計算することになります。
「類似~」の方が「純資産価額」より、
評価が低い会社が多いので、
規模が大きくなれば、
結果的に自社株の評価額は低くなります。
さて、○○さんの会社の
○ 配当
○ 利益
○ 純資産
について、決算時に低くなるときがあれば、
その直後に株価を計算すると、
驚くほど低くなっています。
それまで支給していた「配当」をゼロ、
会社の業績が悪く「利益」がマイナス、
こんな決算がたまたまあれば、
1株当たり額面500円の株式の評価額が、
10,000円(20倍)から、
2.000円(4倍)になる、
こういうケースはめずらしくありません。
そのタイミングで、
オーナー社長である親(60歳以上)から、
事業承継者である子ども(20歳以上)へ、
「相続時精算課税」を適用して、
親所有の株式をすべて子どもへ生前贈与すれば、
安い贈与税で事業承継することができます。
将来の相続が発生したときには、
【贈与時の時価】で持ち戻して計算することになります。
今の事例なら、
1株当たり2,000円で計算すれば良いのです。
「配当」をゼロにすることは同族会社では、
そうむずかしくありませんが、
「利益」をゼロにすることは、
業績が良い会社では意外にむずかしいことです。
○ 役員が退職して多額の退職金を支払った
○ 多額の設備投資をした
こういったケースが考えられます。
設備投資については、
「即時償却」の特例が平成28年3月末までとなっています。
即時償却とは、機械などを購入したときに、
購入価額の100%を、
一気に経費に落とすことができる制度です。
設備投資をお考えなら、
特例の期限内におこなうことがお勧めです。
株価が大幅に下がることになれば、
自社株の贈与を一気に進めて、
事業承継が完了することになります。
○○さんの会社では、
金融機関から事業承継対策について、
提案されたことがあるかもしれません。
多額の融資に誘導する内容となっているはすです。
無駄な借入金を増やして利息を支払うより、
「相続時精算課税」というオーソドックスな方法で、
後継者へ株式の贈与を考えてみてはいかがでしょうか?
●編集後記○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o
日本シリーズが始まりましたが、
ソフトバンクの強さばかりが目立ちますね。
バッターの振りの思い切りは、
素人目にも違いがわかります。
さて、神宮に移ってどうなりますか?
でも、日本シリーズは昔のような盛り上がりに欠けますね。
昭和世代のおじさんとしてはさびしいなあ。。。
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