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不動産鑑定評価による相続税申告(2015年8月5日)

2015年8月5日

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●落合会計事務所 オフィシャルメールマガジン vol.244 2015年08月05日配信●
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─┌─────┐このメールマガジンは、税金に関する様々な情報をまとめて、
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─└─────┘お知り合いの方にも、ご紹介いただけると幸いです。
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・ご挨拶………………………………会計業界の採用に季節になりました
・特集…………………………………相続税申告の裏技の成功例・失敗例です

●ご挨拶○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。

○○さん、こんにちは。
税理士の落合孝裕です。
いつもメールマガジンをお読みいただき、ありがとうございます。

会計業界の採用の季節になりました。。。
毎年税理士試験が終わってからが、
一番人が動く時期となります。
今年は試験の時期が遅く、
8月18日(火)~20日(木)の3日間です。

落合会計事務所では採用をおこなっています。
事務所説明会(20日(木)21日(金))もおこないます。
ご興味あるかたは、ホームページをご覧下さい。
http://www.ochiaikaikei.com/

●特集○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○

さて、今回は「不動産鑑定評価による相続税申告」です。

相続税申告における土地の評価は、
通常は「路線価」にもとづき計算します。
今年も全国の路線価が、
7月1日に発表されています。
1月1日現在の評価額となっています。

相続税法では、
「・・・相続、遺贈または贈与により取得した
財産の価額は、その財産の取得の時における
時価による」と定められています。

法律上は「路線価」で計算すべしとなっていませんが、
別に「財産評価基本通達」があり、
そこで路線価による評価が定められています。

ちなみに路線価は、
一般的な時価(=実勢価額)とされている
「公示地価」の80%程度で設定されていますので、
理論的には時価よりちょっと安めとなっています。

ただし、まれに路線価が実勢価額より、
明らかに高い土地があります。

実際にあったケースですが、
崖(がけ)を取り崩した分譲地で、
前面道路から階段を上がったところに、
10区画くらいの宅地があり、
その一角にご自宅の敷地がありました。

路線価で評価すると、
5,000万円程度になります。
「そんな高くは売れないよ」
長男が隣の土地が売りに出されたときの、
半年前のチラシを見せてくれました。
たしかに3,500万円と記載されています。

チラシだけでは申告書の説明資料として弱いので、
「不動産鑑定評価」をおこない、
結局3,200万円くらいで申告しました。
税務署から何の指摘もありませんでした。

相続税法で定められている
「・・・その財産の取得の時における時価による」
わけですから問題なしということになります。

数十万円の不動産鑑定費用はかかりましたが、
相続税は300万円くらい安くなりましたので、
費用以上の効果はあったことになります。

この「不動産鑑定評価」による相続税申告は、
今ではかなり知れ渡っています。
これを拡大解釈して、
不動産鑑定評価で申告すれば、
何でも通るという勘違いもあるようで、
税務調査で否認を受けることがあります。

国税不服審判所の裁決事例では、
不動産鑑定評価で相続税申告について、
納税者が勝った事例と負けた事例が、
公表されています。

残念ながら事例のほとんどは、
納税者は負けています。
不動産鑑定評価で不当に評価を低くしてはダメ、
路線価で評価しなさいという論がほとんどです。
それでもいくつかは一部でも勝った事例があります。

<平成7年1月31日裁決>
○ 不動産鑑定評価額 ×70% ※
(5億0,343万円)とした申告について、
国税側は路線価評価(8億3,806万円)で否認。
○ 国税不服審判所は、不動産鑑定評価額そのもの
(7億1,919万円)で、評価すべきとした。
○ 国税側の路線価による評価額より、結果的に少なくなった。
※「×70%」は、申告当時の公示地価に対する路線価の割合。
現状は「×80%」となっています。

<平成13年3月5日裁決>
○ 不動産鑑定により、2億3,007万円で申告した土地について、
国税側が2億7,800万円の不動産鑑定評価額で否認。
○ 国税不服審判所が再鑑定をおこない、
2億2,998万円の評価となり、
結局、納税者の申告が全面的に認められた。

<平成25年5月28日裁決>
○ 不動産鑑定により、6,000万円で申告した土地について、
国税側は路線価(1億5,045万円)で評価すべきと否認した。
○ 国税不服審判所が再鑑定をおこない、
6,930万円と認定された。

このように、納税者が勝った事例もありますが、
国税不服審判所に持ち込まれた案件は、
そのほとんどは納税者が負けています。
相続税申告の「裏技」ともいわれる不動産鑑定評価ですが、
無条件に認められるわけではない、ということです。

実際に申告をしていると不動産鑑定評価でおこなうべきか、
悩ましいケースがあります。

現実的な対処方法としては、
まず相続税の申告に詳しい、
不動産鑑定士に事前相談してみる。
それにより鑑定評価で申告するなら、
否認リスクも考慮しておこなうべき、
ということになります。

●編集後記○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o

昨日今日と1泊2日で四国まで出張に。
さすがに全国どこでも暑いのですが、
東京に比べて湿気が少なく、
少し過ごしやすかったです。

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税理士 落合 孝裕
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