赤字会社の決算対策(2015年6月16日)
2015年6月16日
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●落合会計事務所 オフィシャルメールマガジン vol.237 2015年06月16日配信●
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・ご挨拶………………………………北陸新幹線は快適でした。。。
・特集…………………………………赤字の会社の決算対策です
●ご挨拶○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。
○○さん、こんにちは。
税理士の落合孝裕です。
いつもメールマガジンをお読みいただき、ありがとうございます。
先週は金沢まで会計事務所の見学会に行きました。
行き帰りは3月に開通した北陸新幹線に。
トンネルが多いですが揺れは少なく快適でした。
金沢は観光客でにぎわっていました。
食べ物は美味しく、マイホームも手頃の値段で、
リタイア後に東京から移住する人もいるようです。
魚が一番美味しい季節は冬とのこと。
次はまた観光で行きたい街ですね。
●特集○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○
さて、今回は「赤字会社の決算対策」です。
景気は少し上向きになっていますが、
なかには業績が厳しく赤字の会社もあります。
黒字であれば「どう節税するか?」
ということになりますが、
赤字の場合はそもそも法人税は支払うことはないので、
節税どころではありません。
赤字会社のデメリットは、
○ 銀行からの融資が厳しくなる
○ 社長の給料にかかる税金の負担あり
○ さらに、社長からの借入金は相続税の対象
といったことがあります。
まず、銀行からの融資時の見方が厳しくなります。
銀行はお金を貸して、金利を払ってもらい、
お金を返してもらうことで商売をしています。
赤字の会社は、利益が出ないので、
借入金の返済はむずかしくなります。
○ 追加での融資ができなくなったり、
○ 金利が高くなったり、
融資の条件は当然厳しくなります。
まら、不動産管理会社など、
節税が第一目的の会社もありますが、
社長の給料を出して赤字であるなら、
給料にかかる所得税・住民税の支払いは、
赤字分だけ損をしていることになります。
さらに、赤字の会社は資金繰りが悪くなるので、
社長からの借入金が増える傾向にあります。
社長から見ると「貸付金」です。
これは将来社長が亡くなったときに、
相続税の対象となります。
つまり、所得税を余計に支払ったうえに、
相続税まで支払うことになるのです。
では、どうしたら良いでしょうか?
「役員報酬の引き下げ」、
まずはこれを真っ先に考えるべきです。
役員報酬の改定については、
税法では期首から3ヵ月以内にすべし、
と決められています。
3月決算の会社であれば、
4月1日が期首ですから、
6月末までに取締役会を開催して、
役員報酬の改定をおこなう必要があります。
ただし、会社の業績悪化が理由であれば、
期の途中で引き下げることは問題ありません。
業績が悪化して赤字が確実であれば、
途中で役員報酬を引き下げて黒字とする、
これは税法ではOKなのです。
黒字になれば資金繰りは楽になりますから、
会社に貸した貸付金も返してもらうこともできます。
また「年払い」の保険料や家賃があれば、
「月払い」に変更することも有効です。
過去に節税目的でおこなった対策を、
今度は利益を出すことに活用ができます。
生命保険は返戻率がよい時期であれば、
いっそ解約することも手でしょう。
同様に「倒産防止共済」の解約も、
解約金がまるまる利益となります。
さらに、赤字が数年も続いている会社は、
どうしたら良いでしょうか?
税務上の赤字は9年(平成20年3月期までは7年)
繰り越すことができます。
赤字が続いている会社は、
この繰越の赤字(繰越欠損金)が、かなりたまっています。
多くの場合、繰越の赤字に見合うくらい、
社長からの借入金が計上されています。
社長から見ると貸付金で将来の相続税の対象です。
これは繰越の赤字(繰越欠損金)が、
繰り越せなくなる7年、ないし9年のタイミングで、
社長から債権放棄をしてもらうことです。
会社はその分利益になりますが、
繰越欠損金の範囲内であれば法人税はかかりません。
会社に含み益がある資産があれば、
売却することも良いでしょう。
土地や上場株式はここ1~2年で、
値が上がっています。
時価を調べて帳簿価額より高ければ、
売却によって利益を計上して、
繰越欠損金を有効に使うことができます。
ただし、売却先は別の同族会社におこなうと、
赤字を計上することができません。
株主が同じ同族関係者の会社への売却は、
「グループ税制」の対象となり、
損益を計上することができないのです。
これは要注意ですね。
売却先が社長個人ならこの税制の対象外なので、
社長に売却するなら利益を出すことができます。
さて、このように、
赤字のときにこそすべき対策もあります。
無理矢理でも一度黒字にして、
その後は本業で黒字が続くように、
会社の体質を変えていくことが必要です。
●編集後記○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o
さて、最初のつづきになりますが、
金沢は日本の「金箔」の生産量のうち、
99%を占めています。
兼六園の近くに金細工を売っている店があります。
金箔の作り方を紹介するビデオが流れていました。
金箔を極限まで薄く加工する技術は、
日本が世界一ということです。
薄くする行程ごとに専門の職人がいます。
それぞれの熟練の技術は素晴らしく、
ビデオに30分くらい見入ってしまいました。
兼六園よりも印象に残ったなあ。。。(笑)
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