小規模宅地の特例、構築物の取扱い(2015年3月31日)
2015年3月31日
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●落合会計事務所 オフィシャルメールマガジン vol.227 2015年03月31日配信●
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・ご挨拶………………………………桜が満開になりました
・特集…………………………………小規模宅地の特例はこれも適用できます
●ご挨拶○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。
○○さん、こんにちは。
税理士の落合孝裕です。
いつもメールマガジンをお読みいただき、ありがとうございます。
桜が満開になりました。
先週末は愛媛まで1泊で出張でしたが、
東京に帰ったら桜が一気に咲いていてびっくり。
意外ですが四国は東京より桜の開花が遅くなっています。
昨夜は、仕事の帰りに目黒川の夜桜を見てきました。
駅の改札は朝のラッシュ並みの混雑でした。
この天気が続けばしばらく楽しめそうですね。
●特集○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○
さて、今回は「小規模宅地の特例、構築物の取扱い」です。
今年の相続から、相続税は増税となっていますが、
不動産について多くの申告で使っている特例が、
「小規模宅地の特例」です。
マイホームや賃貸アパート、マンションの敷地について、
一定の面積までは80%ないし50%の減額が取れる、
という相続税の特例です。
この特例の対象となる敷地は、
○ 被相続人(亡くなった人)の
○ 事業の用または居住の用の宅地で、
○ 一定の建物または【構築物】の敷地
となっています。
「構築物」とは広辞苑にも載っていない、
会計特有の用語です。
建物と建物付属設備以外で、
土地の上に定着した構造物をいいます。
具体的には、
○ 緑化設備、庭園
○ コンクリートやブロックなどの塀(へい)
○ 広告塔
○ アスファルトやコンクリートの舗装路面
などが該当します。
さて、小規模宅地の特例が適用される敷地は、
「特定居住用宅地」が圧倒的に多くなっています。
マイホームの敷地のことですね。
この「特定居住用宅地」については、
限度面積が240m2から330m2と、
平成27年の相続から拡大されています。
330m2とは坪でいうと100坪になりますが、
この面積までは土地の評価額が80%減となります。
といっても東京近辺では、
330m2もの広いマイホームはそうはありません。
小規模宅地の特例の限度面積を、
マイホームの敷地だけでは、
使い切れないケースが多くなります。
使い切れない残りの面積は、
「貸付事業用宅地」(=不動産貸付の敷地)で、
使うことができます。
賃貸アパート、賃貸マンションなどの敷地です。
ただし、貸付事業用宅地については、
適用できる限度面積は200m2となっています。
両方を併用して適用する場合、
ちょっとややこしい計算になります。
たとえば、次のケースで考えてみます。
(1)特定居住用宅地・・・165m2
(2)貸付事業用宅地・・・200m2
(1)で50%(=165m2/330m2)を、
適用することになりますので、
(2)で残り50%を適用することができます。
50%とは、100m2/200m2ですので、
貸付事業用宅地のうち、
100m2に特例を適用できることになります。
ここまでをまとめると、次のとおりです。
○ 平成27年より特定居住用宅地(マイホームの敷地)について、
80%減額できる面積が330m2に広がった
○ 使い切れない面積は貸付事業用宅地(不動産貸付の敷地)に、
適用することができる
不動産貸付の敷地については、
賃貸アパート、賃貸マンションの敷地が該当しますが、
アスファルトで舗装された駐車場も該当します。
アスファルト部分が「構築物」の取扱いになり、
駐車場が構築物の敷地になるからです。
相続税申告で駐車場の取扱いについて、
大変参考になる裁決事例があります。
(平成7年1月25日裁決)
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<状況>
駐車場について小規模宅地の特例を適用して申告をした。
○ A駐車場は砂利敷きの月ぎめ駐車場
○ B駐車場はアスファルト敷きで被相続人の長女へ賃貸
<審判所の判断>
○ A駐車場の砂利敷きは10年くらい前のもので、
砂利が地中に埋没して土地の一部となっており構築物とはいえない
○ B駐車場のアスファルト敷きは構築物と認められるが、
長女からの賃料が近隣相場と比べて1/3程度と低すぎ、
相当な対価を得ていない。
○ B駐車場は契約書がないため、
継続的に賃貸がおこなわれていたとは認められない。
よって、A、Bとも小規模宅地の特例の適用は認められない。
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A駐車場については、国税側は現地に出向いて写真撮影をしています。
○ 相当部分の砂利が消滅している
○ 一部雑草が繁茂している
したがって、砂利は土地の一部となっているという結論です。
砂利敷きの状態が保たれているのであれば、
構築物として認められると逆読みもできます。
さらに、
○ 毎年の所得税申告で減価償却の対象とする
○ 相続税の申告で申告をする
これらをおこなっていることも望ましいです。
(裁決例ではいずれもおこなっていない)
ただし、砂利敷きの駐車場は、
この事例のようにいずれ土地と一体化するリスクがあります。
アスファルト敷きのほうが無難といえます。
B駐車場については、
アスファルト敷きは良いのですが、
賃料が安すぎることが否認理由となっています。
親族といえども、相場程度の賃料は取るべきです。
駐車場について小規模宅地の特例を適用するためには、
(1)青空駐車場はアスファルト敷きとすべき
(2)親族に貸す場合は適正賃料を取るべき
ということになります。
意外にきちんとおこなっている方が少ないので、
ご参考にしてください。
●編集後記○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o
今日はサッカー日本代表の試合です。
先週のチュニジア戦は見事勝利。
今日もスカッと勝ってほしいですね。
でも、代表監督は探せばいるものですね。
よく次から次への見つかるものと感心します。
ともあれ、ハリルホジッチ監督には、
日本サッカーのレベルを上げてほしいと願っています。
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