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居住用財産の譲渡所得の3,000万円特別控除(2015年3月11日)

2015年3月11日

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●落合会計事務所 オフィシャルメールマガジン vol.224 2015年03月11日配信●
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・ご挨拶………………………………朝はまだまだ寒いですね。。。
・特集…………………………………マイホームの3,000万円控除の注意点です

●ご挨拶○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。

○○さん、こんにちは。
税理士の落合孝裕です。
いつもメールマガジンをお読みいただき、ありがとうございます。

3月も中旬になりますが、
朝はまだまだ寒いですね。
東京の今日の最低気温は2度!

昼は暖かくなるものの、
夜から朝にかけてまだ寒い日が続きます。
お体にお気をつけください。

●特集○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○

さて、今回は「居住用財産の譲渡所得の3,000万円特別控除」です。

個人でマイホームを売却した場合、
「3,000万円の特別控除」の特例があります。
売却益(=もうけ)のうち3,000万円までは、
所得税と住民税がかからない、という特例です。

特例を適用するためには、
翌年、確定申告をおこなう必要があります。

この特例を使って、売却益がゼロになる場合でも、
確定申告をおこなわないと適用はできません。
うっかり忘れがちなので、ご注意ください。

最近は、思いのほか売却益が出てしまい、
この特例を使うケースが増えています。
○ 親から相続で引き継いだ土地は取得価額が引き継がれること
(=親が安く買った価格が取得価額となること)
○ 建物は減価償却相当を引くので取得価額が圧縮されること
○ ここ1年くらいで不動産の価格が急上昇していること

このような理由で、
○ 取得価額(=買い値)が思ったより安く計算され、
○ 不動産の売却価額(=売り値)が思ったより高くなり、
両方がマッチすると意外に大きな売却益となります。

この「3,000万円の特別控除」は、
【居住の実態】があることが要件となっています。
あたりまえのことなのですが、
なかには微妙なケースもあります。

○ 仕事の転勤が多い
○ 子どもの学校の通学範囲の関係
このような理由でマイホームに、
ほとんど居住していないことがあります。

よく言われることですが、
「住民票がそこにあるから大丈夫ですよね」
これは必ずしも正しくありません。
あくまでも、居住の実態で判定することになっています。

住民票がある住所にあるマイホームを売却しても、
そこに住んでいなければ、
「3,000万円の特別控除」の適用はできません。

逆に、何らかの理由で住民票以外の住所に住んでいて、
住民票に記載がないマイホームを売却した場合でも、
居住の実態があれば、
「3,000万円の特別控除」の適用は可能です。

居住していたかどうかが争点となった
国税不服審判所の裁決事例があります。
(平成10年3月20日裁決)

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<状況>
○ 相続により取得した土地にマイホームを建築
○ 平成6年4月25日に入居
○ 平成6年7月15日に売却
売却益について「3,000万円の特別控除」を適用した。

<納税者の主張>
短期で売却したのは、
○ 当初は結婚後の新居のために建築したが、
同年6月に婚約を解消したこと
○ 借入金の返済が一人では不可能となったこと
が理由で、特例の適用を目的にしたものではない。

<審判所の判断>
以下の状況などから居住していたとは認めらず、
「3,000万円の特別控除」の適用は認められない。
○ 電気の使用料金
平成6年7月・・・2,990円
平成6年8月・・・4,747円
○ 水道の使用量
平成6年4月~5月・・・9立方メートル
平成6年6月~7月・・・7立方メートル

水道の使用量については、
家庭用のユニットバス1回あたりで、
約1立方メートルであるが、
2ヵ月で各7~9立方メートルと少ないため、
「生活の本拠」として利用していたとは到底認められない。
(他にも否認のポイントが数点あるが省略)
----------------------------

実際には、買い主と数年前から打合せのうえで、
売却を進めたような状況証拠はあるのですが、
審判所の否認ポイントのうち、
明確な数字で示したのは水道の使用量の少なさです。

「生活の拠点」としていたかどうかの客観的な根拠として、
電気や水道やガスの使用量はよく使われます。

過去に私がおこなった実際の申告例で、
居住の実態が微妙なケースで、
「3,000万円の特別控除」を適用したことがあります。

○ 父から相続取得の東京のマイホームを売却
○ 4,000万円程度の売却益が生じた
○ 転勤がちで住民票は大阪
「生活の拠点」が東京と大阪どちらかということになります。

当人の主張を書面にまとめました。
○ たまたま大阪への転勤で住民票は大阪にあったが、
○ 「生活の拠点」は東京にあり、
○ 電気代、水道代は生活に足るだけ利用している、

会社に入社してからの転勤状況を記載して、
電気代や水道代の明細書のコピーを申告書に添付しました。
その後は税務署からの問い合わせは一切ありません。

住民票が売却したマイホームになくても、
「生活の拠点」がそこにあり、
書類でそのことが説明できれば、
「3,000万円の特別控除」は認められるのです。

一方で、住民票がそこにあれば大丈夫というものでもありません。
将来のマイホームの売却時には十分にご注意ください。

●編集後記○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o

確定申告は終盤にさしかかってきました。
事務所全体の達成率は90%を超え、
あと1割弱の仕事を残すのみとなりました。

スタッフ皆疲れ気味ですが、
インフルエンザなど重い病気には、
だれもかからず幸いでした。
来週は美味しい焼き肉屋で打上げの予定です。。。

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税理士 落合 孝裕
所在:東京都世田谷区用賀2-14-11ブリュンヒルデ4階
電話:03-5716-6528
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