家賃の年払いによる節税(2011年2月8日)
2011年2月8日
2011年2月8日
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○○さんこんにちは。
税理士の落合孝裕です。
いつもメルマガをお読みいただき、ありがとうございます。
関東はなかなか雨が降らず、空気が乾燥していますね。
風邪を引かないように、ご注意ください。
さて、2月決算、3月決算の会社はこれから決算期になります。
決算を前に、当初の予想より利益が出てしまうと頭が痛いですね。
業績が芳しくないと思って売上の前倒しをしていたら、
「在庫が多くて、結局は利益が出そう」など、笑えない話もあります。
決算期ぎりぎりに利益が出ると分かったときに、
よく使う節税対策に「短期前払費用」というものがあります。
決算ぎりぎりに、年払いの経費を支払うと、
1年分の経費の支払分が、一括で経費に落とせるというものです。
たとえば、3月決算の会社が、3月から1年分の経費を3月25日に支払うと、
その支払った1年分の経費が落とせます。
以前は、掛け捨ての生命保険がよく利用されました。
ただし、掛け捨ての生命保険は、その後税制で何度も規制され、
保険料のすべてを経費にできないタイプが増えています。
今は、保険料の2分の1を経費に落とすタイプが主流になっています。
生命保険は、節税の効果が薄くなったこと、そもそも外部にお金が出ていくことから、
会社の資金繰りを考えると、必要以上に入るべきではないでしょう。
みなさんの会社が、オーナー親族に家賃を払っているなら、
家賃の年払いの活用をぜひお考えください。
たとえば、3月決算の会社が、
3月から翌年2月までの1年分の家賃を
3月25日に支払ったとします。
毎月の家賃を50万円とすると、1年分の家賃は600万円になります。
この期に会社が落とせる家賃は、次のようになります。
○ 前年4月~2月分(11ヵ月) 550万円
○ 3月~翌年2月分(12ヵ月) 600万円
合 計 1,100万円
月払いの場合と比べて、550万円経費が多くなります。
一方で、家賃を受け取った個人側で見てみます。
○ 当年1月~2月分(2ヵ月) 100万円
○ 3月~翌年2月分(12ヵ月) 600万円
合 計 700万円
月払いの場合と比べて、100万円収入が多くなります。
会社で、550万円経費が増え、
個人で、100万円収入が多くなります。
差引で、450万円経費が増えます。
会社から親族に、お金を動かすだけで、
差引450万円の経費が増え、その分節税になります。
さらに、個人が所有する賃貸物件が10室以上であれば、
3月に受け取った1年分の家賃のうち、
翌年の2ヵ月分を「前受金」として、収入に上げないこともできます。
また、不動産を持っている側が、同じオーナーの別会社でも
まったく同じ効果があります。
年払いで経費に落とすためには、
○ 賃貸契約書を年払いにして、結び直す。
○ 支払いは、期末までに必ずおこなう。
○ 年払いを継続する。
などの条件が、税法上あります。
その通りであれば、税務調査で否認されることはまずありません。
○○さんの会社が、利益が思いの外出るようでしたら、
節税対策の一つとして、ぜひお考えください。
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落合会計事務所
税理士 落合 孝裕
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