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社販とまかない、現物給与の取扱い(2023年5月26日)

2023年5月26日

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●落合会計事務所 オフィシャルメールマガジン
vol.558 2023年05月26日配信●
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・ご挨拶……… 最近は気温の変動が激しいですね
・特集………… 社販やまかないが安すぎると課税されます

●ご挨拶○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。

○○さん、こんにちは。
税理士の落合孝裕です。

最近は気温の変動が激しいですね。 
先週は真夏日がありましたが、
しばらくは過ごしやすい気温が続きそうです。
関東では6月7日ころから梅雨入りの予報です。
体調には気をつけていきたいですね。

●特集○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。

さて、今回は「社販とまかない、現物給与の取扱い」です。

会社の商品を社員に「社販価格」で売ったり、
飲食店がアルバイトに「まかない」を出したり、
安い価格で提供することがあると思います。

お客さん向けの通常の販売価格と比べて、
一般的に安い価格での提供になるでしょう。
それでは、極端に安くして、
無料(0円)で提供すると問題はないでしょうか?

たとえば、売価5万円の商品を、
社員に無料で提供したとすると、
本来は5万円の価値があるものを、
社員はタダでもらったことになります。

これは会社から5万円分の給料を、
現物で支給したとみなすのが、
税務の考え方となっています。

よって、給料が30万円の社員が、
5万円分の商品をタダでもらうと、
30万円+5万円=35万円、
これがその月の給料とみなされます。
35万円に対する所得税・住民税が、
かかることになります。

これでは社員のだれも、
商品をほしいとは思わないでしょう。
一方で、値引き販売については、
ある程度までの値引きなら認める、
という取扱いになっています。

社販については、
以下いずれの条件も満たして、
社員が買えば給与課税はありません。
○ 取得価額(原価)以上
○ 売価の70%以上(=30%値引きまで)

事例で見てみましょう。
《事例1》
原価2,500円、売価5,000円なら、
以下のいずれも満たすことです。
○ 原価2,500円以上、
○ 売価の70%=3,500円以上、
よって、3,500円以上で買えば、
給与課税はありません。

《事例2》
原価4,000円、売価5,000円なら、
○ 原価4,000円以上、
○ 売価の70%=3,500円以上、
よって、4,000円以上で買えば、
給与課税はありません。

セール品については、
さらに値引きをして販売しても、
税務上問題はありません。

20%引きのセール品の場合で、
《事例1》を前提に考えてみましょう。

《事例1で20%引き》
原価2,500円、
売価は20%引きで4,000円なら、
○ 原価2,500円以上、
○ 4,000円の70%=2,800円以上、
よって、2,800円以上で買えば、
給与課税はなし、となります。

次は、飲食店などの「まかない」です。
給与課税とされないためには、
以下のいずれも満たすことが条件です。
○ 社員が「食事代」の50%以上を負担
  → 50%ぴったりはOK
○ 会社負担は月3,500円(税抜き)以下
  → 3,500円ぴったりはOK

「食事代」の金額は次のように計算します。
○ 弁当などの購入は実際の購入額
○ 社員食堂など「自社で作る」場合は、
  材料費(調味料を含む)の額

飲食店が出す「まかない」は、
自社で作るほうに当てはまります。

売値の30%くらいが材料費なので、
1,000円の定食なら、
材料費は300円くらいになります。

たとえば、月に20日働くアルバイトに、
材料費300円のまかないを毎日出すと、
300円 × 20日 = 6,000円、
これが20日分の材料費の合計になります。

アルバイトの負担を最低限にするなら、
50%にあたる3,000円を徴収して、
残りの3,000円を会社負担とします。

会社負担の3,000円は、
条件の3,500円以下を満たすので、
これなら給与課税はなしとなります。

よって、「まかない」については、
○ 材料費の額を見積もって、
○ 材料費の50%以上を本人から徴収、
○ 会社負担は月3,500円までに抑える、
これが給与課税されないポイントとなります。

やっとコロナが5類になりましたが、
これから税務署も税務調査に力が入ります。
「現物給与」は調査の重点ポイントとなります。

調査で「現物給与」として否認されると、
○○さんの会社の従業員分の修正となり、
さらに数年に渡ると修正額も多額となります。
毎日の経理処理でよくチェックをしてください。 

●編集後記○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。

飲食店にやっとにぎわいが戻ってきました。
事務所でも人数を分けて食事会を再開しました。

顧問先各社の3月決算の慰労会ということで、
来週は地元の焼き肉屋さんで打上げとなります。
美味しいものを食べると皆表情が和らぎますね。

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税理士 落合 孝裕
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(平成27年9月より移転しています。)
電話:03-5716-6528

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