令和3事務年度における相続税の調査等の状況(2023年3月10日)
2023年3月13日
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●落合会計事務所 オフィシャルメールマガジン
vol.553 2023年03月10日配信●
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・ご挨拶……… 桜の開花予想が出ています
・特集………… 相続税調査の最新データはこうなっています
●ご挨拶○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。
○○さん、こんにちは。
税理士の落合孝裕です。
桜の開花予想が出ています。
東京では全国で最も早い3月15日に、
ソメイヨシノが開花する予想です。
(ウェザーニュース)
今年は少しにぎやかになりそうですね。
●特集○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。
さて、今回は「令和3事務年度における相続税の調査等の状況」です。
相続税の税務調査の最新データが、
国税庁より昨年12月に発表されました。
令和3年7月~令和4年のデータになりますが、
概要は以下のとおりとなっています。
【1】調査件数は6,317件と前年度より大幅増
【2】うち87.6%で申告漏れ
【3】簡易な接触は14,730件
【4】税務調査に入った割合は4.3%
【5】1件当たり追徴税額は886万円
【6】申告漏れの一番は「現金・預貯金」
【1】調査件数は6,317件と前年度より大幅増
ここ5年間の税務調査の件数は、以下のとおりです。
(国税庁では7月1日~翌年6月30日を、
「事務年度」と言いますが、以下、
簡便的に「年度」と記載しています。)
○ 平成29年度・・・12,576件
○ 平成30年度・・・12,463件
○ 令和元年度・・・・・10,635件
○ 令和2年度・・・・・・・5,106件
○ 令和3年度・・・・・・・6,317件
【2】うち87.6%で申告漏れ
調査件数はコロナ前から大幅に減っていますが、
申告漏れ割合は以前からそう変わりません。
○ 平成29年度・・・83.7%
○ 平成30年度・・・85.7%
○ 令和元年度・・・・・85.3%
○ 令和2年度・・・・・87.6%
○ 令和3年度・・・・・87.6%
以前は80%台前半でしたので、
ここ5年で少し増加傾向になっています。
申告漏れ割合が高い理由は、
税務調査時に申告漏れを見つけるのはなく、
あらかじめ申告漏れがある申告を見つけて、
そこに税務調査に入っていることが実情です。
多くのケースでは、
税務調査に入る前に直接銀行に行って、
亡くなった方や相続人の銀行口座の入出金を、
すべてチェックしています。
申告漏れが見つからなかった10%強は、
税務署側では「当てが外れた」というのが、
本音のところでしょう。
【3】簡易な接触は14,730件
「簡易な接触」とは、
○ 文書や電話による連絡、
○ 税務署への来署による面接により、
申告漏れや計算誤りなどを是正することで、
税務調査の簡易版といったものです。
件数は以前より増加傾向にあります。
○ 平成29年度・・・11,198件
○ 平成30年度・・・10,332件
○ 令和元年度・・・・・・・8,632件
○ 令和2年度・・・・・13,634件
○ 令和3年度・・・・・14,730件
令和2年度からは簡易な接触の件数は、
税務調査の件数を上回っています。
税務署への呼び出しをされて、
修正申告書の提出を求められます。
申告漏れ割合は24.7%とかなり低く、
税務調査より事前のチェックが弱いようです。
追徴税額も1件当たり47万円と少ないです。
税務署への呼び出しを受けることは、
気分がよいものではありませんが、
税務調査より痛手はかなり少ないため、
まだましと前向きに考えた方がよさそうです。
【4】税務調査に入った割合は4.3%
通常の税務調査に話を戻しますが、
次に税務調査に入る割合を計算してみます。
前々年の相続を中心に税務調査は入ります。
令和元年(平成31年)分の相続税申告と比較すると、
(A)調査件数・・・・・・・・・・・・6,317件
(B)令和元年(平成31年)分申告件数
・・・・・・・・・・・・・・・・147,801件
(A)/(B)= 4.3%となります。
およそ23件に1件の割合で入っています。
ただし、コロナの影響で極端に件数が少なく、
コロナ前の調査件数に戻ったとして、
平成30年度の件数で仮に計算をすると、
調査割合は8.4%となります。
およそ12件に1件の割合となります。
【5】1件当たり追徴税額は886万円
直近5年度の追徴税額は以下となっています。
○ 平成29年度・・・623万円
○ 平成30年度・・・568万円
○ 令和元年度・・・・・641万円
○ 令和2年度・・・・・943万円
○ 令和3年度・・・・・886万円
コロナ禍で調査件数は大幅減ですが、
一方、追徴税額は大幅増となっています。
件数が少ない分を、
事前の準備で補っているようです。
税務調査が入ることが決まったら、
900万円くらいの出費は覚悟することが、
現実的な対応ということでしょう。
【6】申告漏れの一番は「現金・預貯金」
例年のとおり「現金・預貯金」が、
申告漏れで一番多くなっています。
(1)現金・預貯金・・・32.2%
(2)有価証券・・・・・・・12.5%
(3)土地・・・・・・・・・・・11.8%
(4)建物・・・・・・・・・・・・・1.9%
(5)その他・・・・・・・・・41.6%
現金・預貯金の申告漏れのパターンは、
以下のいずれかに当てはまります。
○ 単なる申告忘れ
○ 悪質な申告隠し
○ 親族名義だが実質本人の預貯金と認定された
最近はほとんどが一番最後のケースですね。
これは申告時の申告書の作成時点で、
財産形成の流れを精査して、
実態にあった申告書を作成する、
これが指摘されない一番の対策になります。
具体的には以前のメールマガジンを、
ご参考にしてください。
https://www.ochiaikaikei.com/mlmg/202211071043_2397.html
「天災」と「税務調査」は忘れたころにやってくる。。。
○○さんも今後の相続税の申告では、
申告漏れがないよう十分に気をつけてください。
●編集後記○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。
昨日はWBCの開幕戦がありました。
何といっても大谷翔平でしたね。
ヒーローインタビューも見事でした。
ソフトバンクの王会長が話した
「これからの人生は生きにくいだろうなと…」
完璧すぎて少し心配になるくらいですね。。。
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