令和6年改正となる相続時精算課税(2023年2月9日)
2023年2月9日
2023年2月9日
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●落合会計事務所 オフィシャルメールマガジン
vol.549 2023年02月09日配信●
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・ご挨拶……… 明日は都心では雪が積もる予報です
・特集………… 新・相続時精算課税の活用方法です
●ご挨拶○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。
○○さん、こんにちは。
税理士の落合孝裕です。
明日は都心では雪が積もる予報です。
積雪になるところも出そうなので、
通勤や外出時には十分注意ですね。
●特集○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。
さて、今回は「令和6年改正となる相続時精算課税」です。
2回にわたり、贈与の活用法について解説しました。
今回は「相続時精算課税」の活用方法です。
相続時精算課税とは、
○ 父母・祖父母から子・孫にした
○ 2,500万円までの贈与には、
○ 贈与税がまったくかからず、
○ 超えた金額に20%課税される制度です。
税務署への届出が必要になります。
贈与を受けた財産は、
相続時には相続税の対象になります。
この時点で税金が精算されます。
贈与時には少ない税金で済みますが、
相続時には丸々相続税がかかります。
「贈与してもいずれ相続税がかかるのですね。」
「節税にならないのに使う人はいるんですか?」
令和3年で4万4千人が申告をしています。
暦年課税は同年で48万8千人ですので、
比べると10分の1くらいですね。
意外に多くの方が利用しています。
ずっと先の相続で財産をもらうなら、
こちらが若くてお金を使えるうちに、
財産をもらった方がはるかにうれしい。。。
いずれ親に相続が起こったら、
そのときの蓄えで相続税を払えばいい。。。
こういう考え方も成り立ちますね。
税金はトクにならないものの、
損になるわけでもありません。
将来インフレになる可能性を考えると、
今もらう2,500万円の方が、
将来相続でもらうより使い出がありますね。
「そう考えるとトクな気がしてきたなぁ。。。」
そうは言ってもデメリットもあります。
2,500万円の贈与の特別控除わくは、
一生を通じて使うことができますが、
ひとたび特別控除わくを超えると、
超えた分には20%の贈与税が課されます。
贈与の履歴は残しておく必要がありますね。
令和6年より改正されることになりました。
新たに年110万円の非課税わくが創設されます。
相続直前でも相続税への持ち戻しはありません。
これは相続税の節税対策には朗報ですね。
暦年贈与は令和6年の贈与より、
相続時に7年持ち戻しとなりますので、
親御さんがかなりの高齢になったら、
相続時精算課税を適用することが、
令和6年以降は選択肢の一つになりますね。
相続時精算課税の注意点は以下となります。
(1)一度選択すると暦年贈与に戻せない
(2)税務署に申告状況を把握される
(3)相続持ち戻しは贈与時の時価となる
(1)一度選択すると暦年贈与に戻せない
暦年贈与を使い切った後がお勧めです。
相続時精算課税を選択したペア以外は、
暦年贈与を使うことは可能です。
たとえば、父と長男で精算課税を選択したら、
母と長男の間では暦年贈与は適用できます。
(2)税務署に申告状況を把握される
申告の資料を税務署に提出した後は、
税務署側の保存期間は以下となります。
○ 相続税・・・・10年
○ 贈与税・・・・・・7年
相続時精算課税については、
財産をあげた側(祖父母・父母)が、
死亡してから7年後まで保存されます。
ほぼ永久に保存ということですね。
○○さんがこの贈与を受けた場合は、
うっかり申告書の控えを紛失しないことです。
たとえ20年前、30年前の贈与でも、
税務署では申告書が保存されています。
こちらが忘れていても申告漏れは指摘されます。
この点は十分に注意が必要です。
(3)相続持ち戻しは贈与時の時価となる
相続時の持ち戻しは贈与時の時価となります。
インフレになればその分トクになりますね。
現金以外の贈与でもOKです。
たとえば、マンションや自社株など、
価値がいくら上がったとしても、
贈与時の時価での持ち戻しなので、
含み益分は無税で移転したことになります。
一方で贈与財産が相続時で下がった場合は、
やはり贈与時の時価での持ち戻しとなるため、
かえって相続税の増税となってしまいます。
なるべく価値が上がりそうな財産を、
贈与することがお勧めとなります。
さて、3回にわたり贈与の節税対策を解説しました。
過去2回のメールマガジンは以下となります。
https://www.ochiaikaikei.com/mlmg/202301121100_2413.html
https://www.ochiaikaikei.com/mlmg/202301311158_2416.html
まとめると、今後の節税対策は、
令和6年改正を考慮して進める必要があります。
(1)暦年贈与は7年持ち戻しに要注意
(2)相続時精算課税は110万円非課税わくに注目
(3)生活費と教育費の贈与の非課税を活用
(4)延長になりまだ使える教育資金の贈与
(1)と(2)は令和6年からの改正です。
令和6年から暦年贈与は、
贈与側の健康状態を考慮して実行がポイントです。
ご高齢の方の場合は、
○ 相続時精算課税を選択することを考える
○ 生活費と教育費の贈与をまめにおこなう
○ 多額の贈与は教育資金の贈与を活用する
こういった対策が現実的になるでしょう。
教育資金の贈与の改正点は、
昨年末のメールマガジンをご参考にしてください。
https://www.ochiaikaikei.com/mlmg/202212211344_2407.html
令和6年からの改正点については、
今後、取扱通達など順次発表される予定です。
このメールマガジンでも取り上げていきますので、
○○さんの今後の節税対策にご活用ください。
●編集後記○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。
最近は余裕があれば昼は外食をするようにしています。
以前よりお客さんは確実に戻ってきていますね。
商業ビルの上の階では30分くらい待つこともあります。
居酒屋を経営するワタミでは月別の売上を公表しています。
https://www.watami.co.jp/ir/library/recent/fy2022/
景気動向の目安として定期的に見ています。
昨年10月~12月は前年より売上増となっています。
これからも少しずつ景気が回復するといいですね。
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