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令和5年度税制改正、贈与税の改正(2023年1月11日)

2023年1月12日

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●落合会計事務所 オフィシャルメールマガジン
vol.547 2023年01月11日配信●
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─ このメールマガジンは、税金に関する情報をまとめて、
─ 毎週配信しています。
─ お知り合いの方にも、ご紹介いただけると幸いです。
http://www.ochiaikaikei.com/

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・ご挨拶……… 本年最初のメールマガジンになります
・特集………… 贈与税の改正にはこう対応しましょう

●ご挨拶○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。

○○さん、こんにちは。
税理士の落合孝裕です。

本年最初のメールマガジンになります。
本年もよろしくお願いいたします。
すっきりとした1年になると良いですね。

●特集○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。

さて、今回は「令和5年度税制改正、贈与税の改正」です。

令和5年度税制改正の概要は、
前回のメールマガジンの通りとなっています。
https://www.ochiaikaikei.com/mlmg/202212211344_2407.html

贈与税の各種改正が目玉となっています。
主な改正点は以下の3点になります。
○は減税、×は増税です。
(1)「暦年課税」贈与の加算が7年(×)
(2)「相続時精算課税」の緩和(○)
(3)教育資金の一括贈与特例の延長(○)

(1)の影響は今後大きくなりますね。
加算期間は10年との情報もありましたが、
最終的に7年加算に落ち着きました。

今回はこの改正点について詳しく解説します。
【1】そもそも「暦年課税」贈与とは?
年110万円の非課税枠の贈与のことです。
もう1つの贈与の制度として、
「相続時精算課税」があります。
こちらは税務署への届出書の提出が必要です。

この届出書の提出をしない限り、
個人間の贈与については、
「暦年課税」の取扱いとなります。
年110万円を超える贈与を受けた場合、
贈与税が課税されるということですね。

今回の増税となる改正は、
この「暦年課税」についてです。

【2】改正はいつからか?
令和6年1月1日以降の贈与が対象です。
今年、令和5年中の贈与であれば、
相続前3年の加算で済むことになります。

令和5年と令和6年の2つのケースで、
加算期間の違いを見てみましょう。

<ケース1 加算期間3年>
○ 贈与日・・・・令和5年12月31日
○ 相続日・・・・令和9年1月1日
3年経過のため相続財産に加算はなし。

<ケース2 加算期間7年>
○ 贈与日・・・・令和6年1月1日
○ 相続日・・・・令和13年1月1日
7年以内のため相続財産に加算される。

【3】加算の対象となるのはだれか?
以下の人への贈与が加算の対象となります。
○ 相続人
○ 受遺者(遺言で財産を取得する人)

一方、相続人、受遺者いずれにも該当しない
(1)孫
(2)子どもの配偶者(=嫁、婿)
への贈与については、
たとえ相続直前であっても、
相続財産に加算されることはありません。

【4】改正にはどう対応すれば良いか?
相続人と受遺者に対する贈与は、
令和5年中に多めに行うことがお勧めです。
110万円の非課税わく内にこだわらずに、
将来の相続税の節税を考えるのであれば、
300万円とか500万円など、
多めに贈与することが良いと思います。

たとえば、子どもへの贈与であれば、
贈与額に対する贈与税は以下となります。
○ 300万円・・・・19万円(6.3%)
○ 500万円・・・・48万5千円(9.7%)

贈与税もそれなりの金額になりますが、
贈与額に比べて10%以下で済みます。

相続財産が2億円くらいあれば、
相続税の税率が20%~30%に達するケースが多く、
贈与税で支払った方が節税となります。

さらに子どもが2人であれば、
600万円、1,000万円と、
一気に贈与額を増やすこともできます。

【5】贈与は年末までに行えば良いか?
いえ、1日でも早いほうが有利です。
3年以内の加算の期間計算は、
相続日と贈与日とでおこないます。

たとえば、令和8年2月1日に、
相続が発生した場合で考えてみましょう。
○ 令和5年1月20日の贈与
  ・・・・3年経過のため相続財産に加算はなし。
○ 令和5年2月20日の贈与
  ・・・・3年以内のため相続財産に加算される。 

○○さんが現行の税制を使って、
確実に相続税の節税をするためには、
1日でも早い贈与をお勧めします。

【6】改正後は贈与は意味がないか?
孫、子どもの配偶者(嫁、婿)は加算なしなので、
相続直前の贈与でも相続税の節税となります。
贈与側の意思がしっかりしていることが前提です。
自署押印した贈与契約書を残すことが無難です。

さらに、相続人への贈与についても、
親御さんの年齢によっては、
加算対象とならないことが考えられます。

日本人の平均寿命は令和3年のデータでは、
男性は81.47歳、女性は87.57歳です。
ただし、これはあくまでも0歳の人の余命です。

平均余命が7年以上ある年齢は、
○ 男性83歳・・・7.51年
○ 女性87歳・・・7.36年、となります。

上記のデータからの目安となりますが、
男性83歳、女性87歳までの贈与なら、
7年加算から免れることになります。
あくまでもデータからの推測ですが、
この年齢までに贈与を完結させることが、
改正後は無難と言えるでしょう。

【7】改正に際して優遇規定はあるか?
改正後の規定では、相続財産に加算される金額は、
〇 相続前3年以内の贈与・・・・全額
〇 相続前3年超~7年以内の贈与
  ・・・・総額100万円を超える金額

3年を超えた期間については、
総額100万円までは加算となりません。
「3年より前の贈与は少し大目に見ますよ。」
という優遇規定なのでしょう。

たとえば、以下の前提で計算してみましょう。
〇 令和13年1月以降に親が相続
〇 相続前7年間、親から長男に贈与
〇 贈与額は毎年110万円で計770万円

相続財産への加算額は次のとおりです。
(1)相続前3年以内の贈与・・・・330万円
(2)相続前3年超~7年以内の贈与
   ・・・・440万円 - 100万円 = 340万円
(3)(1)+(2)= 670万円

以上が「暦年課税」贈与の改正のポイントです。
次回のメールマガジンでは、
「相続時精算課税」の改正点と、
生活費・教育費の非課税の規定について、
それぞれの活用方法を解説する予定です。 

●編集後記○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。

1月も中旬になりました。
年末年始は自宅でのんびりできましたが、
新年の雰囲気が年々薄れてきているように感じます。

正月の定番曲、琴と尺八での「春の海」は、
以前より聞くことが少なくなったように思います。
正月くらいはもっと流してほしいなあ。。。

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