アパートローン、団信保険のデメリット(2022年9月30日)
2022年9月30日
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●落合会計事務所 オフィシャルメールマガジン
vol.541 2022年09月30日配信●
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・ご挨拶……… 明日から10月になります
・特集………… 団信保険のデメリットを検証します
●ご挨拶○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。
○○さん、こんにちは。
税理士の落合孝裕です。
明日から10月になります。
以前は衣替えの月でしたが、
環境省が提唱するクールビズの期間は、
今は5月~10月までとなっています。
事務所も10月末までクールビスとしています。
●特集○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。
さて、今回は「アパートローン、団信保険のデメリット」です。
相続対策や土地の有効活用のために、
賃貸アパートを建築することがありますが、
銀行借入(アパートローン)でおこなう場合には、
一定の条件で「団信保険」に加入ができます。
団信保険とは、
「団体信用生命保険」のことで、
ローン対象者が返済期間中に死亡したときに、
その保険金でローン(借入金)が完済されます。
その住宅を引き継いだ相続人は、
その後ローンの返済は不要になります。
団信保険の加入は、
○ 住宅ローン(マイホーム)では必須
○ アパートローンでは任意
となっています。
アパートローンで団信保険に加入した場合、
本人が死亡すると借入金がゼロになるため、
その分は相続税の納税額が増えます。
ネット記事などを見ると、
相続税のデメリットを強調したものもあり、
加入をあえてしない人もいるようです。
実際のところ、どうなのでしょうか?
団信保険に未加入と加入で、
相続税がどれくらい変わるか、
試算をしてみましょう。
前提条件は以下とします(相続時)。
○ 相続人・・・・・・・・・妻に子ども2人
○ 財産合計・・・2億5,000万円
○ 借入金・・・・・・・△8,000万円
【団信保険に未加入】
○ 財産合計・・・2億5,000万円
○ 借入金・・・・・・・△8,000万円
○ 相続税総額・・・・・1,950万円
【団信保険に加入】
○ 財産合計・・・2億5,000万円
○ 相続税総額・・・・・3,970万円
団信保険に未加入であれば、
借入金がそのまま残りますので、
相続税は約2千万で済みます。
一方、団信保険に加入していると、
相続により借入金がゼロとなるため、
2倍の約4千万円にもなります。
妻が高齢の場合には、
財産は子ども中心に引き継ぐことが多く、
そうなると子ども2人で、
この4千万円を支払うことになります。
財産のほとんど不動産の場合や、
子どもが手持ち資金がないときは、
不動産を売って相続税にあてるか、
銀行で借り入れるしかありません。
「団信保険に入ったから4千万円か・・・」
と不満が出そうです。
でも冷静に考えると、
団信保険に未加入の場合は、
借入金8千万円 + 相続税2千万円 = 1億円
一方で、団信保険に加入の場合は、
借入金ゼロ + 相続税4千万円 = 4千万円
団信保険に加入することにより、
1億円 - 4千万円 = 6千万円
6千万円も債務が減ったことになります。
大幅に得をしていますね。
団信保険で借入金はゼロになれば、
相続税の対象となる金額は増えますが、
相続税はそれ以上には増えませんので、
損をするわけはないのです。
よって、団信保険に加入できるなら、
加入をした方が得になる、
ということになります。
一方で団信保険は以下のデメリットがあります。
(1)加入年齢と完済時年齢に制限あり
(2)金利の上乗せがあり
(1)加入年齢と完済時年齢に制限あり
銀行により条件は微妙に違いますが、
以下のケースが多くなっています。
○ 加入年齢・・・・・70歳前後まで
○ 完済時年齢・・・80歳前後まで
たとえば、アパート建築時に50歳なら、
80歳くらいまでに完済する必要があります。
返済期間は30年となります。
一方で、建築時に60歳となると、
団信保険の加入をするためには、
返済期間は20年くらいが最長となり、
毎月の返済が厳しくなります。
借入金額が大きい場合には、
団信保険の加入にこだわらずに、
別に定期保険へ加入することも一法です。
(2)金利の上乗せがあり
銀行により異なりますが、
金利の上乗せがあるケースがあります。
みずほ銀行と三井住友銀行は、
金利に0.3%が上乗せされます。
(ホームページ調べ)
返済期間にわたって加算されるので、
金利負担の総額はかなりとなります。
5,000万円を25年間借入れなら、
金利総額は約190万円になります。
ただし、一般の定期保険と比べると、
○ 保険料がはるかに安いこと
○ 不動産所得の経費となること
から、団信保険のほうが有利と言えます。
このように、団信保険にはメリットが多く、
さらに、様々なブログに記載されている
相続税が増えることはデメリットではありません。
○○さんもアパート建築の際には、
ぜひ団信保険の加入を検討してください。
●編集後記○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。
税務調査が全国的に増加傾向です。
例年顧問先にはほとんど入らないのですが、
今年は久しぶりに数件続いています。
調査官もコロナ禍で2年間は少なかったためか、
以前より対応が穏やかなように感じます。
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