教育資金の一括贈与、教育費の贈与(2021年4月30日)
2021年4月30日
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●落合会計事務所 オフィシャルメールマガジン
vol.510 2021年04月30日配信●
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・ご挨拶……… ゴールデンウィークは始まりましたが、
・特集………… 教育資金の一括贈与の注意点です
●ご挨拶○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。
○○さん、こんにちは。
税理士の落合孝裕です。
ゴールデンウィークは始まりましたが、
今年は外出を控えることになりますね。
個人的には部屋の片付けや本を読んだり、
まったりのんびりと過ごす予定です。
●特集○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。
さて今回は、「教育資金の一括贈与、教育費の贈与」です。
相続税の節税対策としては、
まず生前贈与があげられます。
いくつか贈与の特例はありますが、
なかでも節税効果が高いものは、
「教育資金の一括贈与」の特例です。
この特例は以下となっています。
○ 令和5年3月31日までの間に、
○ 直系尊属(父母、祖父母など)から、
○ 30歳未満の直系卑属(子ども、孫など)へ、
○ 1,500万円までの教育資金を、
(塾など習い事はうち500万円まで)
○ 信託銀行など金融機関を通じて、
○ 贈与した場合には贈与税が非課税
相続直前の相続人への贈与は、
原則3年以内は相続財産に持ち戻しですが、
この特例は持ち戻しの必要はありません。
相続が間近な場合でも大きな節税となります。
特例の利用件数は以下となっています。
○ 平成26年・・・・・77,588件
○ 平成27年・・・・・85,587件
○ 平成28年・・・・・43,716件
○ 平成27年・・・・・38,196件
○ 平成27年・・・・・36,090件
1件当たりの贈与額は以下となります。
○ 平成26年・・・・・665万円
○ 平成27年・・・・・607万円
○ 平成28年・・・・・573万円
○ 平成27年・・・・・603万円
○ 平成27年・・・・・645万円
贈与できる上限は1,500万円ですが、
その半分以下の贈与額となっています。
この特例は今月4月からの贈与については、
以下のように一部増税となりました。
(1)相続時点での残額は相続財産に加算
(2)子ども以外の場合は相続税が2割加算
と言っても、贈与を受ける側が、
相続時点で以下のケースは除外されます。
○ 23歳未満
○ 学校に在学
○ 教育訓練給付金の支給対象となる
教育訓練を受講している場合
この特例を使うケースの多くは、
祖父母から幼少の孫への贈与です。
除外に当てはまることが多いでしょう。
増税となることは少ないと思います。
さて、この特例には注意点があります。
(1)金融機関から営業をされること
(2)使い切れないと課税されること
(3)教育費の贈与はそもそも非課税のこと
(1)金融機関から営業されること
この特例は信託銀行などの窓口で申し込み、
信託銀行が「無料」で申告をしてくれます。
やはりタダより高いものはありません(笑)。
その後営業されるのは覚悟した方がよいです。
一番は「遺言信託」でしょうか。。。
かなりの手数料を支払いますが、
自ら「公正証書遺言」を作ることと比べて、
手数料ほどメリットがあるようには思えません。
メリットを感じなければ、
はっきり断ることが無難です。
(2)使い切れないと課税されること
中学から大学まで私立の学費合計は、
1,500万円くらいかかります。
よって孫すべてに1,500万円ずつ、
この特例を使えば大きな節税になります。
ただし、その後の孫の人生はわかりません。
○ 進学をしないで働き始めた
○ 中高一貫の公立学校に進学した
○ 私立の医学部の予定が国立大学に進学した
将来進む道を自ら開拓して、
たとえば将棋の藤井聡太二冠のように、
高校を自主退学するケースもあります。
そうなるとせっかく贈与した教育資金は、
あまり使うことはないでしょう。
また、当初は私立を目指したが、
国公立の学校に通うこともあるでしょう。
これも学費があまりかからないことになります。
これはこれで悪いことではありません。
最終的に30歳の時点の残額について、
孫が贈与税の申告と納税をして、
残ったお金を自由に使うことができます。
(3)教育費の贈与はそもそも非課税のこと
扶養義務者相互間の教育費の贈与は、
贈与税は非課税となっています。
○ 学費
○ 教材費
○ 文具費
○ 通学のための交通費
○ 修学旅行参加費、など
そもそもこういった費用は、
信託銀行に申し込まなくても、
贈与税はまったくかかりません。
その都度贈与すれば贈与税は非課税です。
「えっ、そうなんですか。。。」
あまり目立たないのですが、
国税庁のHPで公表されています。
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sozoku/131206/pdf/01.pdf
「信託銀行に行く必要はないですね。」
そうなります。
ただし、残った分は贈与税の対象となります。
たとえば、孫に500万円を贈与して、
教育費で使ったのが300万円なら、
残った200万円が贈与税の対象です。
そうならないように、
学校の入学金とか学費の振込用紙を、
祖父母が代わりに振り込んであげれば、
証拠資料になりますし、
贈与対象のお金が残る心配もありません。
一方、相続が比較的近くなる可能税もあり、
大きな金額を一括で贈与したいのであれば、
教育資金の一括贈与の特例を適用する、
こう使い分けることが良いですね。
○○さんの相続対策の参考にしてください。
●編集後記○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。
最近は外食をする機会がほとんどありませんので、
スーパーやデパ地下に食品を買いに行くことが多くなりました。
もともと食品売り場めぐりは嫌いではないので、
行きつけのお店が何店かあります。
以前より売り場にはおじさんが増えたように思います(笑)。
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