相続税申告、多額の出金の説明(2020年7月28日)
2020年7月29日
2020年7月29日
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
●落合会計事務所 オフィシャルメールマガジン
vol.477 2020年07月28日配信●
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
─ このメールマガジンは、税金に関する情報をまとめて、
─ 毎週配信しています。
─ お知り合いの方にも、ご紹介いただけると幸いです。
http://www.ochiaikaikei.com/
_/_/_/ I N D E X _/_/__/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
・ご挨拶……… マスクの在庫不足は一段落したようです
・特集………… 相続では多額の出金はこう説明しましょう
●ご挨拶○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。
○○さん、こんにちは。
税理士の落合孝裕です。
マスクの在庫不足は一段落したようです。
先日ユニクロに行ったら山積みになっていました。。。
いろいろ試してみましたが、
今は布マスクで立体型のものがお気に入りです。
●特集○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。
さて今回は、「相続税申告、多額の出金の説明」です。
相続税の申告をするにあたって、
預貯金は特にチェックをすべき財産です。
カード1枚でいつでも引き出せますので、
○ 自宅の修理
○ 子どもや孫への贈与など
ときに100万円を超える多額の出金もあります。
会社と違ってプライベートな預貯金は、
帳簿を付けるわけではありませんので、
いざ相続税の申告をする段になって、
相続人がいくら調べてもわからない
使途不明金がどうしても出がちです。
国税庁から発表されたデータでは、
税務調査の申告漏れ財産の中で、
「現金・預貯金等」が全体の36.5%と、
一番多くなっています。
(平成30事務年度における相続税の調査等の状況)
といっても相続税の税務調査が入って、
仮に使途不明の多額の出金があっても、
すべて否認されるわけではありません。
まず、相続税の申告では、
亡くなった人が残した財産について、
すべて計上することになっています。
逆を言えば、数十万円~数百万円の多額の出金で、
使い切ってしまった預貯金については、
申告では計上する必要はないことになります。
次のようなものが多額の出金になるでしょう。
(1)生活費
(2)自宅の修繕費
(3)家族での国内・海外旅行
(4)ギャンブルなど遊行費
(5)子ども孫など親族への贈与
(6)車の購入費
(7)株式や投資信託の購入
それぞれ順に見てみましょう。
(1)生活費
これはまず指摘されることはありません。
目安ですが月額で50万円以下なら、
問題はありません。
相続税の税務調査で質問をしたら、
複数の調査官が同様の答えでした。
(2)自宅の修繕費
雨漏りの修理や壁の塗り替えなど、
自宅の維持のための支払いであれば、
金額が大きくても問題ありません。
こういった大きい支払いは、
請求書と領収証を取っておくことですね。
(3)家族での国内・海外旅行
これもまったく問題はありません。
領収証などがないときは、
○ 現地で取った写真
○ パスポートのコピー
こういった資料を申告書に、
添付すればまず指摘はされません。
(4)ギャンブルなど遊行費
これは微妙な感じがしますが、
本当であれば問題はありません。
ただしあまりにも極端な説明は、
ダメですので注意をしてください。
<平成23年6月21日裁決>
亡くなる1ヵ月以内に、
5,000万円の不明出金があり、
「ギャンブルに使ったかもしれない」
相続人の返答はさすがに否認されました。
(5)子どもなど親族への贈与
年間で110万円を超える贈与は、
贈与税の申告をする必要があります。
相続後に申告漏れに気づいたら、
すみやかに申告をすることです。
相続前3年以内の相続人への贈与は、
相続財産に持ち戻すことになりますが、
一方で嫁、婿、孫への贈与は、
相続直前でも贈与は成立します。
以前、顧問先の会長から亡くなる直前に、
嫁、婿、孫への贈与の相談を受けました。
贈与契約書に本人の署名をしてもらい、
1人110万円の贈与を行いました。
贈与契約書のコピーを相続税の申告書に添付して、
税務署からその後指摘はありませんでした。
(6)車の購入費
これは減価償却後の金額を、
財産として計上する必要があります。
購入から5、6年経過していると、
減価償却費の総額が取得価額近くになり、
結果的にたいした金額にはなりません。
(7)株式や投資信託の購入
これはそのまま計上する必要があります。
家族名義の証券口座にあったとしても、
名義財産となりますので、
申告時に漏れないようにしてください。
さて、このように、
相続税の申告では預金通帳の出金チェックが、
大きなポイントとなります。
私のこれまでの経験則ですが、
上記のような大きな出金については、
相続人に一つ一つ使途を確認して、
その旨の説明書を申告書に付けて提出します。
税務調査が入っても否認されたことはありません。
○○さんも将来の申告では参考にしてください。
●編集後記○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。
これまで以上に健康に気を配る人が増えていますね。
わが家でも、体温計、血圧計、パルスオキシメータ、
健康グッズを3点買いしました。
パルスオキシメータは指にはさんで使います。
肺にある酸素を血液中にどれだけ取り込んで、
体に運べているかを調べるものです。
昨年までなら買わなかったものですが、
コロナ対策の気休めにはなりますね。
■■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□■■
————————————————————-
落合会計事務所
税理士 落合 孝裕
所在:東京都世田谷区用賀4-5-16 TEビル2階
(平成27年9月より移転しています。)
電話:03-5716-6528
○顧問契約、単発の相談のお問い合わせは
http://www.ochiaikaikei.com/
————————————————————-
「税理士が教えるとっておきの税金情報」
発行者:落合会計事務所