平成29事務年度、相続税の調査の状況(2019年1月16日)
2019年1月16日
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vol.409 2019年01月16日配信●
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・ご挨拶……… 今日も富士山がよく見えました
・特集………… 相続税の調査データが発表されました
●ご挨拶○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。
○○さん、こんにちは。
税理士の落合孝裕です。
今日も良い天気で、富士山がよく見えました。
気持ちがきりりとします。
やっぱり日本人ですね(笑)。
●特集○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。
さて、今回は「平成29事務年度、相続税の調査の状況」です。
相続税の税務調査の最新データについて、
国税庁より昨年12月に発表されました。
税務署など国税の年度は「事務年度」と呼ばれ、
7月1日から翌年6月30日の期間となっています。
年度末の3月が確定申告で繁忙期のため、
3ヵ月ずらして6月を年度末としています。
12月に発表されたのは、
平成29年7月~平成30年6月の税務調査のデータです。
以下のような結果となっています。
【1】調査件数は前年度と比べて3.8%の増加
ここ5年間の税務調査の件数は、以下のとおりです。
(以下「事務年度」を、簡便的に「年度」と記載。)
○ 平成25年度・・・・・・11,909件
○ 平成26年度・・・・・・12,406件
○ 平成27年度・・・・・・11,935件
○ 平成28年度・・・・・・12,116件
○ 平成29年度・・・・・・12,576件
ここ5年間は12,000件前後で推移しています。
前年度より460件増で、3.8%の増加です。
【2】申告漏れ割合は少し上昇
一方で、申告漏れ割合は以下のとおりです。
○ 平成25年度・・・・・・82.4%
○ 平成26年度・・・・・・81.8%
○ 平成27年度・・・・・・81.7%
○ 平成28年度・・・・・・82.0%
○ 平成29年度・・・・・・83.7%
5年間で常に80%を超える高い割合です。
多くのケースでは、銀行の通帳の動きなど、
事前に調べてから税務調査に入っています。
たまたま税務調査に入っているわけでなく、
間違っている可能性が高い申告に、
当たりを付けてから入っているのが実情です。
【3】「簡易な接触」が急増
調査件数はほぼ横ばいとなっていますが、
一方で、「簡易な接触」の件数は急増しています。
書面・電話による税務署への呼び出しです。
これも納税者にとっていやなものですね。
○ 平成28年度・・・・・・・・8,995件
○ 平成29年度・・・・・・11,198件
前年度より24.5%の大幅な増加です。
そのうち申告漏れ割合は62.5%と、
調査ほどではありませんが、
やはり高い割合となっています。
【4】税務調査に入る割合は大幅に減少
さて、税務調査に戻りますが、
今回は、平成27年に発生した相続を中心に、
税務調査に入っています。
同年の相続申告は133,176件ですので、
9.4%と約10件に1件となっています。
○ 平成25年度・・・・・・22.9%
○ 平成26年度・・・・・・23.6%
○ 平成27年度・・・・・・21.9%
○ 平成28年度・・・・・・21.5%
○ 平成29年度・・・・・・・・9.4%
※平成28年度までは課税申告件数に、
対する割合で計算。
平成27年から基礎控除額が4割少なくなり、
それまでの申告件数より大幅に増えました。
調査件数そのものはほぼ変わりませんので、
結果的に割合は大幅に下がりました。
また、税務調査が入る目安ですが、
課税価格(基礎控除額を引く前)が、
2億円以上の申告は、平成27年で、
15,039件となっています。
平成29年度の調査件数12,576件と、
およそ近い件数になっています。
よって、2億円以上が一つの目安ですね。
【5】1件当たりの追徴税額(加算税を含む)
○ 平成25年度・・・・・・452万円
○ 平成26年度・・・・・・540万円
○ 平成27年度・・・・・・489万円
○ 平成28年度・・・・・・591万円
○ 平成29年度・・・・・・623万円
調査件数はそう変わりませんが、
追徴税額はここ2年で大幅に増えています。
489万円→623万円と約3割増です。
以前より厳しく追及される傾向にあります。
税務調査が入ることが決まったら、
これくらいの金額を用意しておくことが、
現実的な対応ということでしょう。
【6】申告漏れ財産の一番は「現金・預貯金」
毎年のように「現金・預貯金」が、
申告漏れで一番多くなっています。
次いで有価証券、土地となります。
(1)現金・預貯金・・・・・・34.1%
(2)有価証券・・・・・・・・・・15.2%
(3)土地・・・・・・・・・・・・・・11.8%
(4)建物・・・・・・・・・・・・・・・・1.8%
(5)その他・・・・・・・・・・・・37.1%
平成29年度の税務調査をまとめると以下となります。
【1】12,576件と調査件数は微増
【2】うち83.7%で申告漏れ
【3】簡易な接触が11,198件と急増
【4】税務調査に入った割合は9.4%
【5】1件当たり追徴税額は623万円
【6】申告漏れの一番は「現金・預貯金」
○○さんも今後の相続税の申告では、
申告漏れがないよう十分お気を付けください。
●編 集 後 記○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。
昨日から今日まで1泊2日の研修でした。
講師はずっと立ちっぱなしで熱意あるお話でした。
給与制度がテーマでしたが、
専門とは違う分野で大変勉強になりました。
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