不動産引渡し前の相続、売買残代金請求権(2018年5月17日)
2018年5月17日
2018年5月17日
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●落合会計事務所 オフィシャルメールマガジン
vol.375 2018年05月17日配信●
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・ご挨拶……… 今日は暑かったですね
・特集………… 不動産を引き渡し前に相続が起こったら。。。
●ご挨拶○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。
○○さん、こんにちは。
税理士の落合孝裕です。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
今日は暑かったですね。。。
最高気温は、東京28度、埼玉では32度!
まだ5月なのに、この先どうなるのでしょうか?
●特集○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。
さて、今回は「不動産引渡し前の相続、売買残代金請求権」です。
不動産を売却する場合には、
その前後で相続税評価額は大きく変わります。
○ 売却する前・・・「不動産」の評価額
○ 売却した後・・・「預金」の評価額
売却した後の方が、高い評価額となります。
相続対策として不動産を売ることは、
悪いことでしょうか?
いえ、必ずしもそうではありません。
タイミングよく高値で売ることができれば、
○ 相続税の納税資金となる
○ 他の不動産に置き換えることもできる
こういう理由でむしろ良いと言えるでしょう。
それでは、
○ 売買契約を結んだ後で、
○ 不動産を引き渡す前(登記前)に、
売り主に相続が発生した場合には、
相続税はどのように計算するのでしょうか?
【A】売買契約を結んだ後なので、
残代金を「未収入金」で計上
【B】不動産を引き渡す前なので、
「不動産の評価額」で計上
税務の考え方は一貫して【A】となります。
たとえば、手付金を受領後に、
相続が発生したとします。
○ 売買代金・・・5,000万円
○ 手付金・・・・・・・・・500万円
相続税評価額は、以下となります。
5,000万円 - 500万円 = 4,500万円
「なるほど」と思う一方で、
実際にこのタイミングで相続を向かえると、
契約さえ結んでいなければ、
相続税はかなり安くなるわけですから、
不公平感を感じる人も多いでしょう。
この評価方法については、
納税者と国税側でもめたケースは多く、
かなりの数の裁決例が公表されています。
以下のすべての事例で「未収入金」※の金額を、
相続財産として計上すべし、となっています。
(※「売買残代金請求権」という言い方になります。)
○ 平成9年5月14日裁決
○ 平成10年2月27日裁決
○ 平成11年6月30日裁決
○ 平成12年1月31日裁決
○ 平成18年10月27日裁決
それでは、売買契約を結んだ後で、
相続の直前に売買契約を「解除」したらどうでしょう?
もちろん、本人の意思で解除したのであれば、
不動産の評価額で問題はないはずです。
一昨年になりますが、以下の報道がありました。
(朝日新聞平成28年7月12日、その他より作成)
○ 平成26年5月・・・・・・・・・不動産会社と22億円前後で売買契約
○ 平成26年9月30日・・・売買契約を解除(死亡2日前)
○ 平成26年10月2日・・・本人は92歳で死亡
○ 平成27年1月・・・・・・・・・相続人が不動産会社に売却
○ 相続税申告では、土地として約9億円で評価
東京国税局は、9月30日の「解除」について、
「解除したように装い、申告額を減らした」として、
約13億円の遺産隠しを指摘しました。
一方、相続人側は課税を不服として、
国税不服審判所に審査請求しました。
その後の報道は見当たりませんので、
結論はわかりませんが、
○ 92歳の高齢の本人に意思があったか?
○ 相続直後に相続人が売却したことの不自然さ
国税庁はこういった点に目を付けて、
入院先の病院への確認などもしたものと思われます。
相続税では契約が有りと無しで、
評価額が大きく変わることがあります。
形式が整えばよいと、安易に考えずに、
本人の意思のもとに行うことが大切です。
●編 集 後 記○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。
今月は、3月決算の会社の申告時期です。
3月決算は1年で一番多い決算期です。
事務所では例年より比較的順調に進んでいます。
と言っても、まだ1/3は残っていますので、
遅くとも25日(金)までにはすべて完了したいですね。
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