分掌変更による役員退職金、否認裁決(2018年3月22日)
2018年3月22日
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●落合会計事務所 オフィシャルメールマガジン
vol.367 2018年03月22日配信●
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・ご挨拶……… 昨日の雪にはびっくりしました
・特集………… こんな役員退職金は否認されます
●ご挨拶○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。
○○さん、こんにちは。
税理士の落合孝裕です。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
昨日の雪にはびっくりしました。
都下の墓参り先ではかなり積もりました。
交通機関にそれほど影響が出ずに良かったですね。
さて、桜の開花はどうなりますか。
●特集○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。
さて、今回は「分掌変更による役員退職金、否認裁決」です。
役員の「分掌変更」により支給した退職金で、
否認された裁決例をご紹介します。
分掌変更とは、代表取締役が取締役になるなど、
役位や職務内容が変わることをいいます。
そのタイミングで役員退職金を支払った場合、
一定の要件で、会社の経費とすることができます。
中小企業では、創業社長から2代目への引き継ぎ時など、
分掌変更による役員退職金の支給はひんぱんにあります。
税法では、以下のような場合に、
分掌変更による役員退職金が認められています。
(1)常勤役員が非常勤役員になったこと
(代表取締役のままではダメ)
(2)取締役が監査役になったこと
(3)役員報酬が1/2以下になったこと
(4)経営上主要な地位を占めなくなったこと
上記のうち、(1)~(3)については、
通常クリアしたうえで役員退職金を支給します。
問題になるのは(4)についてです。
仮に役員退職金が税務調査で否認されると、
「実際には、その役員は会社を退職していませんね」
ということになってしまいます。
となると、
退職により支給した「役員退職金」が、
退職しないで支給した「役員賞与」となります。
役員賞与は全額が会社の経費となりません。
創業社長などでは、数千万円~1億円以上の
役員退職金の支給となることがありますから、
否認されると追徴税額は数千万円となります。
まさに「天国から地獄」へ落ちてしまいます。
最近の国税不服審判所の裁決を見てみましょう
<平成29年7月14日裁決>
【概要】
○ 昭和41年7月・・・Aは代表取締役に就任
○ 平成18年1月・・・Aの長女Bは代表取締役に就任
○ 平成23年5月・・・Aは代表取締役を退任し役員退職金を受給
○ 平成23年5月・・・Aは取締役会長となり代表取締役はBのみ
○ 平成27年7月・・・Aは代表取締役に復帰
【審判所の判断】
Aは代表取締役を退任後に以下の事実があるため、
会社を退職していないと認められる。
○ 役員に相談なしに、住民対策費を数年間支払った
○ 会社の役員や幹部に材料仕入の評価のアドバイスをした
○ 取引先の幹部に対する接待の担当をした
○ 金融機関との交渉の場で意見を述べることがあった
○ 取締役会で、長女Bらと代表取締役の選定や役員報酬の変更をした
○ 経営会議で、長女Bらと事業用資産の購入を決定した
○ 長女Bらと古参の元取締役の解雇を決定した
○ 経費の領収書のチェックをしていた
○ ほぼ毎日、会社に午前中出勤していた
○ 役員報酬が代表取締役の長女Bより高額であった
形式的に代表取締役を退任していても、
このように数多くの事実によって、
「経営上主要な地位」を占めていたことが認められると、
役員退職金が否認されることがあります。
形式的に税法にしたがっていても、
実質的にどうなっているかがポイントとなります。
役員退職金を受領した後の行動にはご注意ください。
●編 集 後 記○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。
日曜から月曜にかけて家族で金沢へ1泊旅行に行きました。
どこに行っても食べ物が美味しかったですね。
意外な名物が「金箔アイス」。。。
インスタ映えからか、若い女の子がよく食べていました。
それから、なぜか東京より花粉はキツかったですね。
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