平成30年度税制改正、小規模宅地、家なき子の改正(2017年12月26日)
2017年12月26日
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●落合会計事務所 オフィシャルメールマガジン
vol.357 2017年12月26日配信●
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・ご挨拶……… 1年間お世話になり、ありがとうございました
・特集………… 「家なき子」の特例がかなり制限されます
●ご挨拶○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。
○○さん、こんにちは。
税理士の落合孝裕です。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
1年間お世話になり、ありがとうございました。
今年最後のメールマガジンになります。
昨日はものすごく寒かったですね。
昼は暖かったのでコートなしで外出したら体の芯から冷えました。
皆さんもお体にお気をつけください。
●特集○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。
さて、今回は「平成30年度税制改正、小規模宅地、家なき子の改正」です。
平成30年税制改正のうち、相続税の改正について、
前回は「一般社団法人」の改正を取り上げました。
今回は「小規模宅地の特例」の改正です。
「小規模宅地の特例」は、相続税の申告をするにあたって、
土地の評価額を大幅に減額する特例です。
○ 被相続人(亡くなった人)が残した土地のうち、
○ 一定の「宅地」については、
○ 80%減額または50%減額できる、
というものです。
ここでの「宅地」とは、
土地の上に建物が建っていることが前提となります。
どういう宅地が対象になるかというと、
(1)特定居住用宅地・・・マイホームの敷地
(2)特定事業用宅地・・・事業用 ※ の建物の敷地
(3)特定同族会社事業用宅地・・・同族会社 ※ への賃貸敷地
(4)貸付事業用宅地・・・賃貸アパート・マンションの敷地
※不動産賃貸業以外
減額できる面積と減額割合は以下の通りです。
(1)330平米、80%減額
(2)400平米、80%減額
(3)400平米、80%減額
(4)200平米、50%減額
いくつかの種類の土地を持っていた場合は、
原則としてどれかを選択して適用できます。
さて、平成30年4月の相続からですが、
(1)特定居住用宅地と(4)貸付事業用宅地について、
それぞれ対象が制限される改正となります。
今回は(1)についてのみ解説します。
改正となるのは、特定居住用宅地のうち
「家なき子」の特例についてです。
特定居住用宅地は、相続で敷地を引き継ぐのが、
○ 配偶者
○ 同居親族
が対象となります。
ただし、いずれもいない場合に限り、
○ 「別居親族」で、相続の前3年以内に、
持ち家に住んでいなかった人
が引き継いだ場合にも、特定の適用ができます。
この別居親族について、持ち家がないことから、
よく「家なき子」と言われています。
昔のTVドラマからですね(笑
平成30年4月1日以降の相続から、
「家なき子」の特例について、以下が除外されます。
(1)相続開始前3年以内に、その者の3親等内の親族又は
その者と特別の関係のある法人が所有する国内にある
家屋に居住したことがある者
(2)相続開始時において居住の用に供していた家屋を
過去に所有していたことがある者
まず(1)ですが、3親等内の親族とは、
○ 父母、祖父母、曾祖父母
○ 子ども、孫、曾孫
○ 兄弟姉妹
○ おじ、おば
○ おい、めい、となります。
相続開始前3年以内に、
3親等内の親族などの家に住んでいるとダメとなります。
これでかなり対象が狭くなりますね。
次に(2)ですが、
途中に読点(、)が付いていないことで、
とてもわかりづらい文になっています(苦笑
おそらく1行目の「居住の用に供していた家屋を」で、
一度切って読むものと思われます。
となると、
相続時点での自分が住んでいる家を、
過去に自分が所有(=今は他人が所有)の人、
ということになり、
これも同様に適用はダメとなります。
まとめると、「家なき子」の特例については、
平成30年4月1日以降の相続から、
以下のいずれにも当てはまるときに適用が可能となります。
(1)配偶者と同居親族がいない場合の別居親族である
(2)相続開始前3年以内に、自分または配偶者の持ち家に住んでいない
(3)同じく3年以内に、3親等内の親族や同族会社の家に住んでいない
(4)相続時点で住んでいる家は、過去は自分の所有物ではない
もともと(1)と(2)だった条件に、
(3)と(4)が加わったことになります。
今後は特例が適用ができるケースは、
相続開始前3年以内に、一般の賃貸物件に住んでいた場合に限られる、
ということになります。
○○さんが相続対策として「家なき子」をお考えであれば、
来年からの改正には十分にご注意ください。
●編 集 後 記○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。
毎年この時期は、税制改正大綱の読み込みをしています。
今回も盛りだくさんの内容です。
毎年細かすぎる税制改正には疑問を感じますが、
こちらとしては対応していくしかありません。
来年も引き続きメールマガジンを配信していきます。
良いお年をお迎えください。
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