相続税の税務調査、質問検査権(2017年9月12日)
2017年9月12日
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●落合会計事務所 オフィシャルメールマガジン
vol.342 2017年09月12日配信●
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・ご挨拶……… まだ暑い日がありそうです
・特集………… 相続税の税務調査ではこんな質問をされます
●ご挨拶○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。
○○さん、こんにちは。
税理士の落合孝裕です。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
まだ暑い日がありそうです。
明日は全国的に30度を超える地域が多いようで、
その後は涼しく日が続きそうです。
ようやく秋が近づいてきましたね。
●特集○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。
さて今回は、「相続税の税務調査、質問検査権」です。
相続税の申告書を提出すると、
1~2年のうちに税務調査に入ることがあります。
○ 税務調査に入る割合・・・21.9%
○ うち申告漏れ割合・・・・・81.7%、が直近のデータです。
→詳しくは以下をご参照ください。
http://www.ochiaikaikei.com/mlmg/201611161041_1269.html
実際に税務調査が入ると、どんな質問をされるでしょうか?
調査官が質問する権利のことを「質問検査権」といいます。
税務調査では質問検査権を行使することになります。
調査官が○○さんのご自宅に、
突然来訪することはまずありません。
事前に日程を打ち合わせてから、
通常は1日間、午前10時ぴったりに来訪します。
2人で来ることが多いです。
最近は税務署の人手不足があり、
会社の税務調査は1名での来訪が多いです。
一方、相続税の場合は、個人宅に出向くこともあり、
2名で来訪することが一般的なようです。
税務調査では調査官から、
およそ次のように順に質問がされます。
(1)被相続人(亡くなった人)の性格、趣味
(2)略歴と死亡原因
(3)財産形成の経緯
(4)同居親族の財産形成
(5)被相続人の通帳の確認
(6)相続人の通帳の確認
(7)自宅の金庫内の確認
(8)貸金庫の実地調査
穏やかな雰囲気で質問が進みますが、
調査官の目的はただ1つ、
「財産の申告漏れ」を調べることです。
嘘をついてはいけませんが、
質問には最低限の答えにとどめ、
余計なことは極力話さないようにすることです。
(1)被相続人(亡くなった人)の性格、趣味
性格は几帳面な性格だったかなどを聞かれます。
几帳面な性格 → 相続対策をしているだろう、
こういう見方をするようです。
亡くなった人の趣味はとても重要な質問です。
後で矛盾がないように十分注意して答えてください。
会社と違って個人は帳簿はつけませんから、
生活費以外の不明な出金はだれでも多少はあります。
そのときに、
○ 旅行【海外旅行に行っていた】
○ 外食【家族や友人も連れておごった】
○ ゴルフ【ひんぱんに行っていた】
○ その他ギャンブル、など
こういったお金を使う趣味があったのなら、
ここぞとばかり答えることです。
さらに、かっこ内のように、
たくさん使っていた場合は強調することです。
不明な出金があったときの根拠になります。
おごった友人に迷惑がかかるのでは。。。
ギャンブルは道徳的にまずいのでは。。。
といらぬ心配をしないことです。
調査官が調べたいのは、
申告もれがあるかどうかの1点ですから。
(3)(4)の財産形成では、
特に同居親族の財産形成は、
これも重要な質問です。
調査官はさりげなく質問をしていきます。
調査の最後に調査官がいくつか指摘をしますが、
このときに矛盾がないようにしてください。
奥さんや長男・長女など同居親族が、
○ 以前の相続で財産を引き継いでいた
○ パート収入があった
こういった事実は積極的に答えてください。
同居親族の預金が多いときの根拠になります。
実は、昔の相続では無申告だった。。。
実は、パート収入は無申告だった。。。
こういったケースでも、
話した方が税金的には得なことが多いです。
そもそも10年以上も前なら、
時効となっていて納税の必要はありませんから。
(5)(6)の通帳の確認も重要です。
まず、被相続人(亡くなった人)の通帳は、
あれば見せるようにしてください。
捨てていれば見せようがありませんが、
調査が入ることになってからは捨てないでください。
調査官は入出金の預金の動きについては、
銀行に行って職権でデータを見ることができます。
調査官は事前に銀行で内容を確認してから、
税務調査に臨むこともよくあります。
ではなぜ通帳の確認を求めるのでしょうか?
○ すべての通帳を調べていないため
○ すでに調べた内容の再確認のため
○ 通帳に書かれた「メモ書き」を見たいため
こういった理由があります。
調査官にとってとても重要なのが、
通帳に本人が記載した「メモ書き」です。
生前贈与など大きな出金について、
振り込みでしていない場合、
メモ書きが証拠資料となります。
メモ書きを調査の前に消したがる人がいますが、
私の経験則では見られてまずい「メモ書き」は、
これまでの調査でほとんどありませんでした。
むしろメモ書きがあった方が、
出金の説明がしやすくなりますので、
あまり神経質になることもないでしょう。
また、引き出しに通帳がある場合は、
調査の前にテーブルに出しておくことをお勧めします。
なぜなら「そこの引き出しにあります」と言って、
取りに行くと必ず調査官は付いてくるからです。
引き出しの中のものをすべて出させられます。
すでに出しておけばチェックされないこともあります。
最後に(7)(8)自宅の金庫と貸金庫ですが、
これはまず100%調べられると思ってください。
貸金庫は、すでに故人のものは解約しているでしょうが、
同居親族のものは必ず調べられます。
見せることを拒否することもできますが、
特に問題なければ見せてしまう方が、
スッキリするように思います。
貸金庫は、その名義人と一緒に、
銀行まで調査官が出向きます。
もちろん勝手に開けることはできませんから,
本人の了解のもとで、
扉を開き金庫の中のものをすべて出させます。
これまで実際の調査では、
申告漏れの金貨や宝石が多少見つかっても、
修正を求められることはありませんでした。
仮に現金や金塊があったとしても、
相続税で申告済みのものや、
相続人固有のものは問題はありません。
相続税の税務調査は、
一生でそうあるものではありません。
あらかじめ質問のパターンがわかっていれば、
心配も少し和らぐのではないでしょうか。
ご参考にしていただければと思います。
●編 集 後 記○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。
ついに9秒台ができましたね。
陸上100mで桐生選手が9秒98。
世界では126人目ということです。
他のスプリンターも続いてほしいですね。
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