賃貸アパート、相続時の空室(2017年8月8日)
2017年8月8日
2017年8月8日
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●落合会計事務所 オフィシャルメールマガジン
vol.337 2017年08月08日配信●
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・ご挨拶………台風はこれからまだ発生しそうです
・特集…………賃貸アパートの空き室があると・・・
●ご挨拶○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。
○○さん、こんにちは。
税理士の落合孝裕です。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
台風の影響で昨日は風が強かったですね。
今は日本海に抜けたようですが、
9月から10月までまだ発生しそうです。
台風情報には引き続き注意ですね。
●特集○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。
さて今回は、「賃貸アパート、相続時の空室」です。
賃貸アパートや賃貸マンションの建築は、
相続税の節税対策でよく行われます。
賃貸することにより本来の評価額が、
○ 土地・・・約20%減
○ 建物・・・30%減。となります。
さらに固定資産税が6分の1になることもあり、
相続税の節税対策の王道となっています。
ただし、相続税の評価額の減額は、
相続の時点で賃貸されていることが前提です。
空き室に対応する部分の土地と建物については、
評価減ができないのが原則的な取扱いです。
そうはいっても、
何年もの間ずっと貸し付けていて、
相続の時点でたまたま空き室ということもあります。
それを評価減がダメというのもあんまりですので、
「一時的な」空き室であれば、
その部分も賃貸していたものとして計算してよい、
という取扱いになっています。
国税庁のホームページに以下の記載があります。
○ 相続前に継続的に賃貸されていたか
○ 退去後に募集がおこなわれていたか
○ 空き室の期間が1ヵ月程度か
○ 相続後の賃貸が一時的なものでないか
こういった事実から総合的に判断する、となっています。
この「1ヵ月程度」という点が厳しいところです。
ただし、1ヵ月程度で空き室ならば、
評価減はまったくダメかというとそうでもありません。
具体的には次のような裁決例があります。
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<平成20年6月12日裁決>
【状況】
○ 相続時点で20室のうち4室が空き室(20%)
○ 空き室の期間は2ヵ月~1年11ヵ月
【審判所の判断】
○ 空き室について速やかに不動産業者に、
入居募集の依頼をおこなっていること
○ 定期的に補修をおこなっていること
○ 近隣周辺には賃貸物件がかなり多く、
空き室がすぐに埋まるような状態ではなかったこと
○ 間取りが20室すべて同じで駐車スペースもあること
上記により、一時的に空き室になっていると認められ、
土地及び建物の全体について評価減をおこなうのが妥当である。
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これは納税者の勝ちました。
1年11ヵ月と2年近くの空き室でも、
評価減が認められています。
しかし、その後は納税者が負ける裁決が増えています。
代表的なものが以下のものです。
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<平成26年4月18日裁決>
【状況】
○ 相続時点で107室のうち33室が空き室(31%)
○ 空き室の期間は4ヵ月~8年
【審判所の判断】
○ 相続開始日から約4年経過した時点で、
いまだに賃貸されていない空き室が複数ある
○ 相続直後に賃貸借契約が結ばれているものも、
8ヵ月は空き室であったこと
上記により、一時的に賃貸されていなかったとする
理由にならず、評価減は認められない。
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こちらの裁決では、4ヵ月の空き室について、
評価減が認められませんでした。
○○さんが賃貸物件をお持ちであれば、
空き室があると相続税の評価減が認められずに、
節税効果は少なくなってしまう可能税が高い、
ということをまず認識してください。
次に「空室率」にも注意が必要です。
2つの裁決例では次のようになっています。
〇 空室率が20%→納税者が勝った
〇 空室率が31%→納税者が負けた
空室率の多い少ないも、
納税者の勝ち負けの要因の1つになったと思います。
私見ではありますが、
空室率が10%以内と少なければ、
仮に空き室の期間が長くて、
評価減をおこなって申告をしても、
税務署から修正を求められる可能性は低いと思います。
ただし、相続後においても空き室については、
〇 内装をおこなったり、
〇 募集広告を積極的におこなったり、
埋める努力をすべきことは言うまでもありません。
できれば、税務調査が入るまでには、
賃貸しておきたいところです。
また、今はやりのサブリース契約にすれば、
実際の賃借人が入っていないとしても、
サブリース会社に賃貸していますので、
空き室にはならなくなります。
それなりの手数料は取られますが、
相続税対策と割り切って活用することも手ですね。
●編 集 後 記○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。
世界陸上がロンドンで開かれていますが、
日本はマラソンを始めなかなか厳しい結果です。
体つきが外国人とは明らかに違いますね。
あとはバトンパスの技術が高い、
リレーが少しの望みですね。
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