居住用財産の譲渡所得の特別控除(2016年10月27日)
2016年10月27日
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●落合会計事務所 オフィシャルメールマガジン
vol.302 2016年10月27日配信●
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・ご挨拶………体調管理にお気をつけください
・特集…………○○と○○が少ないと特例が否認されます
●ご挨拶○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。
○○さん、こんにちは。
税理士の落合孝裕です。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
急に肌寒くなり、周りでは体調を崩す人が増えています。
最近の季節の変わり目、は気温の変化が激しいですね。
体調管理にお気をつけください。
●特集○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。
さて、今回は「居住用財産の譲渡所得の特別控除」です。
マイホームを売却した場合、
売却益から「3,000万円を控除」することができます。
確定申告をおこなうなどの条件はありますが、
売却益が3,000万円以下なら税金はゼロですから、
とても大きな特例です。
○○さんも今後マイホームを売って売却益があれば、
適用することになりますね。
ただし、実際に住んでいたか微妙なケースもあります。
税務署の調査が入ったり呼び出されたりして、
修正を求められることがあります。
毎年この特例を使った申告が数多くされていますが、
どのようなケースがチェック対象となるのでしょうか?
まず、住民票が売ったマイホームの住所にあったか?
これが大きなチェックポイントです。
通常は、マイホームの住所にあるのが一般的だからです。
ただし、住民票がマイホームの住所にあることは、
特例を適用するうえで絶対の条件ではありません。
子どもの学校の通学や親の介護の関係で、
マイホームの住所以外に住民票があることもあります。
こういったケースは申告書に、
その旨を記載しておいた方が調査が入りづらくなります。
また逆に、住民票がある不動産を売却しても、
そこに実際に住んでいなければ、
特例を適用することはできません。
「居住の事実」の有り無しがポイントです。
「税務署は住んでいたかをどうやって調べるのですか?」
まず「ガス」や「水道」の使用実績、
さらに電気の使用量を調べることで推定します。
これらは客観的事実なので調べやすいのです。
「住んでいれば、ガスや水道や電気はそれなりに使っていますよね。」
ということです。
「私は風呂に入らず電気もほとんど使っていません。」
これは現代人では、まず考えられません。
近隣で聞き取り調査をすることもあります。
「どうも人が住めるような家ではなかったですね。」
などの証言を集めます。
さらに、住民票が他にあれば、
その住所でのガス・水道・電気の使用量を調べ、
実際にどちらに住んでいたか推定していくのです。
特例の適用が否認された裁決例があります。
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<平成28年3月16日裁決>
【概要】
納税者について以下の事実があった
○ 昭和63年11月に遺贈によりA土地・建物を取得
○ 平成17年11月より住民票の住所をB借家の住所へ変更
○ 平成24年2月にA建物を取り壊したうえでA土地を売却
○ 3,000万円の特別控除を適用して確定申告をした
【国税不服審判所の判断】
平成20年1月~平成24年3月のA土地・建物の状況
○ 水道代・・・平成21年1月から契約解除
○ ガス代・・・契約がなし
○ 電気代・・・月1,100円台~1,600円台
(総務省統計局の家計調査結果では、
月4,700円台~5,100円台であり、
1/3以下となっている)
○ 自治会への加入はB借家の住所でしており、
A土地・建物での加入はなし
○ A土地・建物は窓ガラスが壊れたまま放置されており、
人が住めるような状態ではなかった(近隣住民の申述)
○ B借家の賃貸借契約書の入居者欄には、
売却した本人の氏名が記載してある
上記より、平成20年から平成24年3月までの間、
A土地・建物を生活の本拠にしていたと認め難い。
よって、3,000万円の特別控除の適用は認められない。
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推理小説さながらですね。(苦笑
納税者を追いつめていく様子がわかります。
「3,000万円特別控除の特例」は、
そのマイホームに住まなくなった日から
3年を経過する年の12月31日までに、
売却した場合に適用があります。
たとえば、平成28年12月末までに売却するのであれば、
平成25年までに住んでいたマイホームに適用があります。
その後は空き家でも他人に貸していてもかまいません。
○○さんが近々マイホームを売却する予定があれば、
しばらくは売らなくても適用はありますので、
不動産の市況をにらみながら売却するのも手ですね。
●編 集 後 記○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。
税務調査のシーズンです。
事務所の顧問先では例年はほとんどないのですが、
今年は税務調査からの依頼案件もあり件数が少し多めです。
一緒に立ち会うスタッフの力がつく機会です。
年末まで問題なく乗り切りたいですね。
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