土地と建物、取得価額の区分(2016年9月20日)
2016年9月20日
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●落合会計事務所 オフィシャルメールマガジン
vol.297 2016年09月20日配信●
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・ご挨拶………またまた台風が上陸しました
・特集…………土地・建物の区分が不明なときは・・・
●ご挨拶○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。
○○さん、こんにちは。
税理士の落合孝裕です。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
台風16号の影響で西日本では大雨となっています。
関東地方にも今日夜から猛烈な雨が降る予報です。
今年は台風が多いですね。
上陸した台風はこれで6つ目になります。
最近5年間では平均3つなので、
平均の2倍の上陸となります。
これで最後となることを祈るばかりです。
●特集○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。
さて今回は、「土地と建物、取得価額の区分」です。
不動産を購入したときに契約書などで、
土地と建物が区分がされていないことがあります。
一括で売買価格が記載しているケースです。
購入した側で土地と建物の価額を分けて、
帳簿に計上することになります。
土地は減価償却ができませんから、
なるべく建物の割合を多くした方が、
減価償却費が多く取れて、
その後の納税が少なくなります。
土地と建物の区分がされていないときに、
「不動産鑑定評価」をおこない、
その評価額により土地と建物の区分して、
申告することがあります。
国家資格の不動産鑑定士が評価するので、
信頼性がありますが、
「不動産鑑定評価」による申告でも、
必ず認められるわけではありません。
国税不服審判所の裁決で、
納税者が負けた事例があります。
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<平成27年6月1日裁決>
【概要】
○ 飲食業を営むA社
○ 平成23年に競売により土地及び建物を取得
○ 土地と建物の等に区分は不動産鑑定評価により、
土地(66.7%)と建物(33.3%)にわけて申告
【裁判所の判断】
○ 提出された不動産鑑定評価書は以下の点で、
必ずしも合理性のある算出価額とはなっていない。
○ 本件の建物が鉄筋コンクリート造であるのに対して、
これと異なる鉄骨造の建物が選定されていること。
○ 建物の評価額である12億2,000万円は、
本件の建物の新築請負代金の合計額の約2倍、
本件の競売評価書の積算価格の基礎とされた価格の
約2.7倍と相当する額の評価がされていること。
○ 土地及び家屋の固定資産税評価額は以下の点で、
いずれも同一時期の時価を反映していると言える。
○ 土地の場合は地価公示価格や売買実例等を基に評価されていること。
○ 建物の場合は再建築価額に基づいて評価されていること。
○ 土地と家屋の価額の算出機関及び算出時期が同一であること。
○ 土地と建物、壁面のディスプレイ設備(3、4階部分)の区分は、
固定資産税評価額の比により、
土地(83.5%)と建物(15.2%)、
壁面のディスプレイ設備(1.3%)であん分すべき。
○ 建物ついては新築工事時の工事費の内訳をもとに、
建物本体と建物付属設備に分けて計算する。
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不動産鑑定評価については、この裁決例のように否認されることがあります。
他の裁決例でも土地と建物の区分が不明な場合は、
固定資産税評価額であん分すべき、というものが多くあります。
今後土地と建物の区分が不明な不動産の購入をする場合は、
どのように対応したら良いでしょうか?
事前に状況がわかるのであれば、
契約書には土地と建物の区分を記載してもらうことです。
第三者間の売買であれば、
一般的には恣意性はないものとされますので、
その区分に従い申告してまず問題はありません。
それでも区分が不明な不動産を取得した場合は、
以下のようにすることがよいでしょう。
○ 固定資産税評価額をもとにあん分する
○ 不動産鑑定評価をおこなう場合は、
固定資産税評価額とかけ離れた金額でないこと
○ 建物付属設備は建築工事時の書類が取得できれば、
区分して経理処理をおこなう(償却期間が短く有利)
不動産の取得は金額が大きくなりますし、
取得価額の区分を一度決めると、
その後は数十年と継続することになります。
最初の計算をどうするかはとても大切なことになります。
●編 集 後 記○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。
パラリンピックも無事に閉会しましたね。
年内はプロ野球とサッカー予選だけかと思っていたら、
22日からバスケットのBリーグが開幕します。
長い間2つに分かれていたリーグをまとめたのが、
Jリーグの初代チェアマンを務めた川淵さんです。
女子バスケもオリンピックでベスト8と活躍。
これからの盛り上がりが期待できますね。
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