「生計を一にする」場合の小規模宅地の特例(2014年9月30日)
2014年9月30日
2014年9月30日
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●落合会計事務所 オフィシャルメールマガジン vol.202 2014年09月30日配信●
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・ご挨拶………………………………明日から10月ですが。。。
・特集…………………………………「生計が一」なら適用ができます
●ご挨拶○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。
○○さん、こんにちは。
税理士の落合孝裕です。
いつもメールマガジンをお読みいただき、ありがとうございます。
明日から10月ですが、毎日暑いですね。
昨日は東京の最高気温が28℃。
事務所ではクーラーが全開となっています(苦笑)
週末からやっとすずしくなりそうです。
「暑さ寒さも彼岸まで」とはよくいったもので、
今年は26日が彼岸明けなので、
1週間遅れで暑さもやわらぐようですね。
●特集○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○
さて、今回は「「生計を一にする」場合の小規模宅地の特例」です。
相続税の申告で、特に上手に使いたい特例が、
「小規模宅地の特例」です。
被相続人(亡くなった人)が所有の宅地について、
○特定居住用宅地(マイホームの敷地)
○特定事業用宅地(商売をしていた敷地)
○貸付事業用宅地(不動産賃貸の敷地)
50%ないし80%の減額ができる特例です。
一番利用されることが多いのが、
「特定居住用宅地」です。
○240m2(平成27年より330m2)まで、
○80%減額、となります。
この「特定居住用宅地」については、
マイホームの所有者や生活の状況で、
適用できる面積が大きく変わることがあります。
実際の事例で見てみます。
親の敷地内に、親の住まいと、子どもの住まい、
2棟の建物が建っていることがあります。
土地をある程度持っている方の場合、
意外に多い形態です。
具体的に、以下の事例で見てみましょう。
いわゆる「二次相続」の事例です。
○敷地の全体の面積が330m2、
○父親はすでに亡くなっていて、
○土地はすべて母親が所有、
○2棟の家が建っており敷地を半分ずつ使用、
○1棟は母親が一人暮らし、もう1棟は長男家族が居住、
○母親居住の家は母親が所有、
○母親の相続は平成27年以降を前提
次のいずれかで、
敷地330m2のうちで80%減額ができる面積が変わります。
(1)長男の家の所有者が「長男」か「母親」か。
(2)母親と長男家族の「生計が一」か「生計が別」か。
長男の家の所有者と、生計の組合せで考えてみます。
(1)家は長男所有で、生計が別
(2)家は長男所有で、生計が一
(3)家は母親所有で、生計が別
(4)家は母親所有で、生計が一
(1)家は長男所有で、生計が別
→これはよくあるパターンです。
つまり、母親の住まいは母親所有で、
長男の住まいは長男所有です。
この場合、特例はまったく適用できません。
自分の家を持っている相続人は、
原則として母親の家の敷地については、
特例は適用できないことになっています。
(2)家は長男所有で、生計が一
→家は長男所有であることは同じです。
【生計が一】という点が異なります。
生計が一であれば、
長男の家の敷地については、
80%減額の対象となります。
申告期限(相続から10ヵ月以内)まで、
長男は保有し居住することが条件です。
(3)家は母親所有で、生計が別
→今度は長男の家が母親所有の場合です。
母親の家も母親所有のため、
土地も建物のすべて母親所有となります。
長男は母親に家賃の支払いなしが前提です。
この場合は、
母親の家の敷地については、
80%減額の対象となります。
ちょっと変な感じですが(1)の長男所有より、
自宅がないほうが節税となるのです。
自宅を持つ(くらい余裕がある)相続人には、
特例を適用する必要はなし、という税法の考え方です。
実際は住宅ローンの返済で大変と思いますが。。。
(4)家は母親所有で、生計が一
→(3)と同様に、不動産はすべて母親所有で、
長男と【生計が一】ということです。
実はこのパターンが一番有利となります。
母親の家、長男の家、すべての敷地について、
80%減額が適用できます。
申告期限までの保有、居住の要件はありますが、
平成27年からは330m2まで80%減額です。
結論としては、
長男の住まいの家は母親所有が有利、
母親とは「生計が一」が有利、となります。
ところで「生計が一」とは、
どういう状態をいうのでしょうか?
これは収入や生活を共にしている状態をいいます。
ただし別居となっている場合でも、
次のような場合は「生計が一」となります。
(所得税基本通達2-47)
イ.当該他の親族と日常の起居を共にしていない親族が、
勤務、修学等の余暇には当該他の親族のもとで
起居を共にすることを常例としている場合
ロ.これらの親族間において、常に生活費、学資金、
療養費等の送金がおこなわれている場合
したがって、
○食事はなるべく一緒にする、
○母親の身の回りの世話もする、
○週末は長男の家に泊まる、
○母親の収入が少なければ療養費の負担もする、
など積み重ねれば、別居でも「生計が一」となります。
回数や金額がどのくらいならOKという、
明確な規定はないので悩ましいところです。
常識的な判断ということになりますが、
少なくとも年に数回程度ではむずかしい、
ということになるでしょう。
相続対策を考えると、
「生計が一」かどうか微妙なケースでは、
将来の相続税の申告時に説明できるよう、
食事や宿泊などの回数などを、
今から記録しておくことも必要ですね。
●編集後記○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o
楽天が来年8月に品川から二子玉川に移転します。
自宅のベランダから建築途中のビルが見えますが、
少しずつ階数が増えています。
地元にお金を落としてくれるのはありがたいのですが、
朝夕のラッシュは大変なことになりそうです。
はたしてあのホームの人が乗り切れるのか?
ちょっと不安もあります。
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