かつらと植毛の経費の妥当性(2013年11月19日)
2013年11月19日
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●落合会計事務所 オフィシャルメールマガジン vol.159 2013年11月19日配信●
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・ご挨拶………………………………もう11月も後半になりました
・特集…………………………………かつらがよくて植毛はダメでしょうか?
●ご挨拶○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。
○○さん、こんにちは。
税理士の落合孝裕です。
いつもメールマガジンをお読みいただき、ありがとうございます。
早いもので、もう11月も後半になりました。
先週、事務所の忘年会の日程と場所を決めました。
例年のレストランが予約一杯で、いつもと違う場所に。
少しずつですが、景気が良くなっている感があります。
デパートでは、なぜかもうクリスマスの音楽が。。。
本屋には来年の手帳が並んでいます。
いよいよ年末年始の雰囲気ですね、
●特集○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○
さて、今回は「かつらと植毛の経費の妥当性」です。
タレントの板東英二さんが申告漏れを指摘されました。
しばらく休業をしていて、復帰会見でのコメントです。
「かつらが経費として落ちると聞いておりましたので、
植毛も落ちると思っていました。・・・」
「あれっ、かつらは経費に落ちるの?」
と疑問に感じた方が多いのではないでしょうか。
あるいは、
「板東さんでかつらだったの。。。」
あの報道があってすぐに、
週刊誌の記者から電話で質問がありました。
「かつらは経費でいいんですか?」
税務ではこういう取扱いになっています。
○興行または演劇用具で、
○衣装、かつら、小道具及び大道具については、
○2年で減価償却をおこなう
たしかに、2年で経費に落ちることになっています。
ただし「演劇用具」が前提ですから、
時代劇や舞台で使うようなものが対象となります。
板東さんが付けるようなかつらはどうでしょうか?
この税務の取扱いは何十年も前に定められたものです。
時代が変われば、もともとの税務の趣旨を、
時代に合わせて準用していくという考え方もあります。
タレントがテレビ写りを良くするために、
かつらは業務上に必要なものという考え方もできるでしょう。
何も付けないでテレビに出ては、
仕事が激減してしまう可能性もあります。
私見ですが、
タレントが仕事のためにわざわざ作ったかつらは、
業務上で必要なものと思います。
仕事で付けて、プライベートでははずすでしょうから、
衣装や小道具のようなものと考えて、
減価償却資産として経費に落としてかまわまいと考えます。
一方で、植毛の費用はどうでしょうか?
これは衣装やかつらのように着脱することはできません。
となると、美容整形の一種と考えるが妥当でしょう。
事業の経費にはなるかどうかというより、
「医療費控除」の対象となるか?となります。
美容整形については、
○容姿を美化し、
○容ぼうを変えるためのもの、
で医師による治療行為を受けたものではないため、
原則として医療費控除の対象になりません。
植毛の費用についても、
これに該当するものと考えられるため、
医療費控除の対象とならない、
ということになります。
これには例外があって、
たとえば歯列矯正については、
○子どもの成長期におこなうものは控除の対象
○大人が就職や結婚を考慮しておこなうものは対象外
と、年齢や目的によって対象になるならないがあります。
まとめますと、
○かつらは業務上必要なものであれば経費
○植毛は経費にも医療費控除の対象にもならない、
ということになります。
さらに、報道によると、
名古屋国税局より2012年12月に、
7年間で7,500万円の申告漏れを指摘されています。
「7年間」という点がポイントです。
通常の税務調査であれば、3年間の修正が一般的です。
ただし、国税側は悪質な場合には、
7年間の修正を求めることができます。
板東さんの場合「7年間」の申告漏れですから、
かなり意図的な所得隠しであったと推定できます。
最近の節税本によく書かれています。
「経費は理屈が付けば何でも入れてOK」
これを都合が良く解釈するのは危険です。
昨年から今年にかけて、
個人の申告で税務署への呼び出しが増えています。
不動産所得、事業所得で経費が極端に多い場合、
経費の内容について、返答を求められています。
個人事業の場合、
あくまでも業務に直接関連するものしか経費に落とせません、
この取扱いは軽く考えないほうがいいです。
年末も近づき、確定申告をまとめる時期になりますが、
経費になるならないは慎重にお考えください。
●編集後記○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o
先日、妻が高校一年の長男の保護者会に出席。
担任の教師から「おたくのお子さんはキングです!」と。
「おーっ息子やったな~」と喜んでいると、
遅刻の回数が、クラスで断トツ1番とのこと。。。(泣)
「何でも1番はすごい!」と皮肉を一発かましましたが、
社会に出たらタイムマネジメントは大切。
信用第一だからなあ。。。
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