棚卸資産の計上もれ(2013年7月23日)
2013年7月23日
2013年7月23日
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●落合会計事務所 オフィシャルメールマガジン vol.142 2013年07月23日配信●
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・ご挨拶………………………………次はスッキリと勝ってほしいですね
・特集…………………………………会社の税務調査で必ず指摘される点です
●ご挨拶○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○
○○さん、こんにちは。
税理士の落合孝裕です。
いつもメールマガジンをお読みいただき、ありがとうございます。
日曜日はサッカーの中国戦を見ました。
野球で言うとフレッシュオールスターのような面々です。
終盤に立て続けに2点入れられて3-3のドローに。
モヤモヤ感が次の日まで残った人も多いと思います。
次はスッキリ勝ってほしいですね。
●特集○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○○o。
さて、今日は「棚卸資産の計上もれ」です。
税務署の異動が7月1日におこなわれました。
およそ3分の1くらいの税務署の署員が転勤となります。
この7月の半ばは、転勤後の職場にも慣れて、
税務調査に入る会社へ順に連絡を入れています。
税務調査で必ず指摘される項目に「棚卸資産」があります。
いわゆる「在庫」のことです。
○商品(他社からの仕入商品)
○製品(自社での製造品)
○仕掛品(製造途中のもの)
○貯蔵品(消耗品で未使用のもの)
このようなものが該当します。
なぜ、税務調査で必ず指摘されるのでしょうか?
それは「在庫」の計上がもれることが非常に多いからです。
作為的に在庫を落とす経営者も中にはいますが、
本当にうっかりミスでもれてしまうことがよくあります。
税務調査で調査官は、どのようにもれを見つけるのでしょう。
まず、翌期首に得意先に納品した「納品伝票」について、
細かくチェックして見つけるのです。
たとえば、3月決算の会社なら、
調査官は、翌期4月の「納品伝票」に記載された商品を、
1点ずつ3月末の「在庫表」と付き合わせていきます。
納品伝票が以下のとおりとします。
○4月1日A商品50個売上
○4月2日B商品30個売上
○4月3日C商品20個売上
次に3月末の在庫表で、
A商品、B商品、C商品がそれぞれ、
50個、30個、20個より多く計上されているか、
付け合わせるわけです。
4月に売れた個数以上に3月に在庫が残っていないと、
これはおかしいということになります。
もちろん4月初めに仕入れていればよいのですが、
そうでなければ「在庫計上もれ」で修正を求められます。
これは本当に簡単に見つけられてしまいますので、
安易な在庫落としはやるべきではありません。
次に「未着品」と「トラック在庫」の問題です。
「未着品」とは、次のようなものです。
○3月31日に仕入れて、
○4月1日に到着した商品
これは3月31日の日付で仕入高に計上します。
一方で3月31日には商品がありませんので、
その分は在庫から漏れてしまいます。
作為的でなくても「在庫計上もれ」となることがよくあります。
うっかり漏れがないようにしてください。
さらに「トラック在庫」とは、次のようなものです。
○4月1日の売上げて、
○3月31日にトラックに積んだ商品
これも3月31日には商品がありませんので、
その分は在庫からもれてしまします。
それ以外では「仕掛品(しかかりひん)」の計上もれがあります。
仕掛品とは、製造途中で製品となっていないものです。
工場で製造している製造業をイメージしがちですが、
ホームページ制作業やデザイン業なども対象となります。
3月決算のホームページ制作の会社が、3月中に、
○外注費80万円
○材料費20万円、と経費が出ているとします。
そのホームページが完成して納品したのが4月とします。
となると、
外注費と材料費の合計100万円は、製造途中の経費となり、
「仕掛品」として在庫に計上しなければならないのです。
外注費や材料費がゼロだとしても、
社内でその売上にかかった人件費相当を、
仕掛品として計上する必要があります。
税務調査で調査官は、
「仕掛品はもれていませんか?」と質問することはありません。
「4月に納品したホームページのうち、
2月や3月から取りかかっていたものありませんか?」
こう聞いてきますから、うそはつけません。
受注した仕事がすべてその月に納品することは不可能でしょうから、
調査官は仕掛品はまずあるものという前提で調査を進めます。
もし○○さんの会社、がホームページ制作業やデザイン業などで、
○仕掛品がまったく計上されていない、
○計上されていても金額がやけに少ない、
○しかも業績が回復して黒字になった、
と条件がそろっていれば、
そろそろ税務署から調査の電話が入ってもおかしくありません。
税務調査は、調査官が少なくとも1人は付ききりで対応しますから、
まちがいがまったくない「申告是認」が続くようでは、
その調査官の力量が問われてしまいます。
税務署に提出されて申告書をまずチェックして、
間違っていそうな申告書には税務調査がまず入ります。
税務調査で「在庫の計上もれ」がある会社は、
「また次の調査でも、もれているだろう」と、
調査官から軽く見られがちですので、
うっかりミスがないように心がけてください。
●編集後記○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。
先週と今週に2回、新人向けに法人税の研修の講師をやりました。
いずれも45分で朝おこなうようにしています。
所内の講師はスタッフが中心でおこないますが、
たまに私も講師をします。
そのなかで税務調査の話をしたのですが、
今年は税務調査がまだ1件しかないことにふと気づきました。
聞いていても税務調査のイメージがつかみづらいようです。
同じくらいの規模の会計事務所の所長と話をすると、
7月までに4~5件は入っている事務所が多いです。
事務所の顧問先の税務調査が少ないのはよいことですが、
スタッフが経験を積めないことが少し残念です。
物事はすべてがうまくいくとは言えないものですね。
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