個人事業と会社での経費の範囲の違い(2013年5月21日)
2013年5月21日
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●落合会計事務所 オフィシャルメールマガジン vol.133 2013年05月21日配信●
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・ご挨拶……………………………… 事務所も来月からクールビズになります
・特集………………………………… 会社ならどこまで経費となるでしょう
● ご 挨 拶 ○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○
○○さん、こんにちは。
税理士の落合孝裕です。
いつもメールマガジンをお読みいただき、ありがとうございます。
もう5月も後半になりましたが、ちょうど良い気候ですね。
役所や金融機関では5月からクールビズがスタート。
ビジネスマンではノーネクタイの人が増えています。
うちの事務所でも6月から9月まではクールビズの期間となります。
でも、個人的にはネクタイがないのはちょっと寂しい感じもしますね。
● 特 集 ○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○○o。
さて、今日は「個人事業と会社での経費の範囲の違い」についてです。
先週のメールマガジンでは、
「賃貸不動産の法人化」についてご説明しました。
http://www.ochiaikaikei.com/mlmg/201305141446_721.html
そのなかで、会社をつくれば「経費をつけやすい」ことがあります。
個人事業より会社のほうが経費の範囲が広がります。
今日はこの点を掘り下げてご説明します。
まず、同じ個人事業でも業種により経費となる範囲は異なります。
○ 一般の事業(小売業、建設業など)
○ 不動産賃貸業
では、一般の事業のほうが経費の範囲は広くなります。
たとえば小売業で仕事を取るためには、
○ 飲食代を使って情報収集をしたり、
○ 仕入れ先を探しに遠くまで出張したり、
○ 車を使って営業したり、
○ 冠婚葬祭でお金を出したり、
様々なお金がかかります。
当然これらは経費になるわけです。
一方で、不動産賃貸業の場合は、
○ 飲食代がかかるの?
○ 出張する必要があるの?
○ 近くの物件なのに車を使うの?
○ そもそも冠婚葬祭は関係があるの?
と、賃貸に直接関係する経費はあまり広くありません。
小売業など一般の事業の場合は、
そもそも経費の範囲が広いので、
会社をつくってもあまり経費は増えません。
売上から仕入や経費を引いた所得が500万円程度であれば、
支払う税金はそれほど多くありませんから、
会社をつくってもあまり節税になりません。
このくらいの所得の事業主の方には、
「会社をつくっても税理士報酬が余計にかかるだけですよ」
とお話しすると皆さん納得します。
税理士の私が言うのも何ですが(笑)
さらに「小規模企業共済」といって、
全額が経費(正確には所得控除)になり、
将来退職金としてもらえる制度があります。
年額84万円まで加入できますので、
これも加入するといいでしょう。
このような諸々の経費を付けても、
所得が1,000万円くらいになれば、
これは会社のほうが税率が低くなりますので、
会社をつくることがお勧めとなります。
一方で不動産賃貸業の場合は、
少し話しが違ってきます。
会社をつくることによって経費の範囲が広がります。
それまで落ちなかったものが経費になるわけです。
○ 不動産賃貸業 → 賃貸に直接かかる経費はそれほどない
○ 不動産管理会社 → 物件の購入など経費の範囲は広い
会社の目的を多く登記しておけば、
たとえば不動産コンサルタント業のために、
研修に出席した、海外不動産を視察に行った、
など理由付けがもっともであれば、範囲はさらに広がります。
それまで落とせなかったものが経費となるわけですから、
一般の事業のように所得が1,000万円なくても、
700万円くらいでも不動産賃貸業の場合は、
会社をつくるメリットは十分あるのです。
場合によっては所得が500万円くらいでも、
会社をつくって経費で落とせる金額がとても多くなれば、
会社をつくったほうが有利なこともあります。
さて、次に会社ならではの経費についてです。
まず日当。
これは出張したときの雑費ですが、
領収証がなくても1日当たりいくらか経費とすることができます。
代表者なら1日当たり5,000円~1万円程度なら、
私の経験上、税務調査で問題視されることはありません。
日当の規定があり、出張を実際におこなっていることが前提です。
次に車の減価償却費。
会社の所有物であれば、たとえ外車であっても、
100%経費とすることができます。
実際はプライベートで使っていることもあるでしょうが、
税務調査で指摘されたことはありませんね。
さらに、生命保険料。
これは個人事業の場合はいくら入っても年間で5万円までですが、
会社であれば全額経費となるものもあります。
ただし、生命保険は税制の規制がかなり入っており、
半額が経費になるタイプが主流となっています。
生命保険は妥当額に抑えるほうがよいでしょう。
いくら経費になるといっても保険会社の儲けは入っています。
死亡しない限りは、加入者が得をする保険はそうありませんから。
最後に、役員報酬。
個人事業の場合は、奥さんなど同居親族に支払う給料は、
「専従者給与」といいますが、税務署に届け出が必要です。
アパート・マンションなら、賃貸室数が10室以上は必要です。
「専従者給与」は2名以上に出すと税務署から指摘されます。
実際にお客様の税務調査に立ち会ったときに、
かなり厳しく言われて、その後は出さないようにしました。
明文規定はないのですが、個人事業は規模が小さいので、
「2人も給料は出すことはないでしょう」ということでした。
会社となれば、何人に給料を出してもかまいません。
役員のほうが一般社員より責任が増しますので、
給料を出す人は役員にしておくほうがいいですね。
常勤となっていれば年収300万円くらいなら、
まったく問題ありません。
役員報酬の額について税務調査で指摘されたときは、
「おたくの役に立たない新人でも300万円くらいもらっているでしょう」
と反論すればまずおさまります。
理屈ばかりで役に立たない新人は、どの税務署にもいますので(笑)
このように、
不動産賃貸業の場合は特に会社をつくることは、
経費の範囲が広がり、毎年支払う税金が大きく節税になります。
○○さんの場合、実際にいくら得になるかは、
税理士など専門家に一度ご相談してみてください。
● 編 集 後 記 ○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。
昨日タクシーに乗っていると久しぶりに景気がいい話が。
「ここ2週間は毎日の売上げを集計すると予想したよりいいんですよ」
タクシーの運転手はほとんど歩合制ですから、
売上げがいいと自分の給料にそのまま跳ね返ります。
「やっと下々まで景気が回ってきた感じがします」とも。
こちらも元気づけられました。
ちなみにタクシー業界は「規制緩和」で台数が大幅に増えて、
運転手は大幅な収入減となりました。
当時の首相の小泉さんを運転手は皆嫌っています。
小泉さんのネタを振ると話が盛り上がりますよ(笑)
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