小規模宅地の評価減で特定同族会社事業用宅地との併用(2013年5月7日)
2013年5月7日
2013年5月7日
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●落合会計事務所 オフィシャルメールマガジン vol.131 2013年05月07日配信●
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・ご挨拶……………………………… さあ今日から仕事がんばりましょう
・特集………………………………… オーナー社長向けの相続対策です
● ご 挨 拶 ○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○
○○さん、こんにちは。
税理士の落合孝裕です。
いつもメールマガジンをお読みいただき、ありがとうございます。
ゴールデンウィークが終わりました。
今年は穏やかでよい天気が続きましたね。
一昨日は家族で川崎の宮前平の温泉へ。
さすがに混んでいましたが、温泉につかりリラックスできました。
さて、今日から仕事にがんばりましょう。
● 特 集 ○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○○o。
さて、今日は「小規模宅地の評価減で特定同族会社事業用宅地との併用」についてです。
平成27年から相続税が改正されます。
一番大きな改正点は、基礎控除額が4割下がることです。
相続税の対象となる金額が大幅に増え、増税となります。
一方で、相続税の特例である「小規模宅地の評価減」は、
平成27年の相続から適用となる面積が広がります。
こちらは減税となります。
「小規模宅地の評価減」とは、
○ 亡くなった人が所有していた一定の宅地について、
○ 評価額から80%減額または50%減額をする、
という特例です。
80%減額ということは、
1億円の評価の土地が2,000万円になることですから、
相続税が大幅に減ることになります。
平成27年から次の2点が改正されます。
(1)特定居住用宅地(マイホームの敷地)が240m2→330m2に広がる
(2)特定事業用宅地(個人事業主が商売をおこなっている敷地)
または特定同族会社事業用宅地(オーナー会社に賃貸している敷地)
の400m2との併用が可能になる(計730m2の適用が可能)
(2)については、平成26年まではいずれかの選択適用となっています。
よって、400m2が減額できる上限となります。
個人事業主が商売で使う「特定事業用宅地」は、そうありません。
というのは、個人事業主である程度の売り上げになると、
会社を作るケースがほとんどだからです。
よって、オーナー会社へ賃貸する「特定同族会社事業用宅地」のほうが、
圧倒的に多く存在しています。
オーナー会社の経営者にとっては、
400m2から730m2に広がるので大きな減税ですね。
「特定同族会社事業用宅地」について併用の対象になる点は、
平成25年度税制改正大綱の文章を読んだだけでは、
適用できるかどうかわかりづらいところです。
少し専門的になりますが、以下説明します。
-----------------------------------
<平成25年度税制改正大綱>
1 相続税・贈与税の見直し
(途中略)
(2)小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例について、
次の見直しを行う。
① 特定居住用宅地等に係る特例の適用対象面積を330 m2(現行 240 m2)
までの部分に拡充する。
② 特例の対象として選択する宅地等の全てが特定事業用【等】宅地等
及び特定居住用宅地等である場合には、それぞれの適用対象面積まで
適用可能とする。
(以下略)
-----------------------------------
上記の下線部分に【等】ということばが入っています。
この【等】の意味は、以下の条文の下線部分より、
「特定同族会社事業用宅地」(オーナー会社に賃貸している敷地)
のことを指していることがわかります。
-----------------------------------
<租税特別措置法>
第六十九条の四
(途中略)
2 前項に規定する限度面積要件は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、
当該各号に定める要件とする。
一 当該相続又は遺贈により財産を取得した者に係る選択特例対象宅地等の
全てが特定事業用宅地等又は特定同族会社事業用宅地等
(第四号において「特定事業用【等】宅地等」という。)である場合
当該選択特例対象宅地等の面積の合計が四百平方メートル以下であること。
(以下略)
-----------------------------------
ということで繰り返しになりますが、
平成27年の相続からは、
○ マイホームの敷地・・・330m2
○ オーナー会社に賃貸している敷地・・・400m2
合計730m2までの土地が80%減額となります。
路線価が40万円/m2の土地であれば、
○ 平成26年まで
40万円/m2 × 400m2 × △80% = △1億2,800万円
○ 平成27年以後
40万円/m2 × 730m2 × △80% = △2億3,360万円
と大幅に減額されることになります。
この「オーナー会社」は、不動産賃貸業を除くことになっています。
小売業や製造業や飲食店業など、一般の事業ならOKです。
いくつか土地を所有しているのオーナー社長は、
この改正にそなえて、今から整備しておく必要があります。
たとえば、会社の利益を出し黒字にするため、
オーナー会社に建物や土地をタダで貸していることがあります。
相続対策を考えれば賃料を取るべきです。
賃料の水準については、固定資産税程度では無償とみなされます。
固定資産税の3倍以上がメドとなります。
また、すでに一般事業をおこなっているオーナー会社に、
土地や建物を有料で貸している場合で、
その土地の賃貸面積が400m2に達していないのなら、
400m2以上を貸すようにすれば相続対策になります。
さらに、不動産管理会社を持っていて、
駐車場として貸している土地がある場合なら、
駐車場をやめて一般の事業を始めることも対策になります。
会社の目的にはその新規事業を追加する必要があります。
もちろん、節税ありきで大赤字では意味がありませんが、
もともと近々新規事業をおこなう予定があれば、
相続対策にもなりますので、来年中に始めたほうが良いでしょう。
土地をたくさん持っている方は、
この小規模宅地の改正を目一杯使うことが相続対策になります。
ぜひご一考ください。
● 編 集 後 記 ○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。
最近、信号機の光が前より明るくなっていますね。
昨日の夜タクシーに乗っていて運転手さんに聞いてみたら、
「電球からLEDに変えたからですよ」と教えてくれました。
以前より耐久性も明るさも増しています。
ただし、発熱しないために雪が積もると溶けずに、
信号機が見えなくなってしまうのが難点のようです。
でも、雪が積もる地域はLEDとせずに電球のままとすれば、
解決するように思いますが。。。どんなものですかね。
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