サラリーマンの副業による損益通算(2012年10月16日)
2012年10月16日
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●落合会計事務所 オフィシャルメールマガジン vol.104 2012年10月16日配信●
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─┌─────┐ このメールマガジンは、税金に関する様々な情報をまとめて、
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・ご挨拶……………………………… 一般向けのセミナーをおこないます
・特集………………………………… 税務調査でこれは認められるでしょうか?
・編集後記…………………………… 駐車代から簡単に地価を計算する方法
● ご 挨 拶 ○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○
○○さん、こんにちは。
税理士の落合孝裕です。
いつもメールマガジンをお読みいただき、ありがとうございます。
今週はセミナー講師の仕事が続いています。
昨日は、企業向けの社内研修の講師でした。
相続税の基礎から、最近の改正点までを1時間でお話ししました。
20日(土)は一般の方向けのセミナーの講師となります。
東急田園都市線の二子玉川駅近くの銀行でおこないます。
駅の周辺が大きく変わり、久しぶりに来た人はみなびっくりします。
帰りはお買い物も楽しめますので(笑)ご都合がつくかたはどうぞ。
http://www.asahi-kasei.co.jp/cgi-bin/view/maison/event/view.cgi?3519
● 特 集 ○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○○o。
今日のテーマは「サラリーマンの副業による損益通算」です。
所得税では「損益通算」という制度があります。
○ 事業所得
○ 不動産所得
などで生じた損失は、他の所得と通算(=相殺)できるというものです。
サラリーマンが副業として、
○ 物品の販売業をおこなったり、
○ アパートやマンションの賃貸業をおこなったり、
して、たまたま損失が生じたとします。
この損失は、給与所得と通算することができるのです。
たとえば、
○ 給与所得が、1,000万円
○ 物品の販売による損失が、△200万円
であれば、差し引き800万円が所得となるのです。
赤字の△200万円に相当する税金は還付されます。
所得税と住民税を合わせると約60万円、税金が安くなります。
最近では、この仕組みが書籍で紹介されたり、
サラリーマンの税金還付の指南をするコンサルタントまでいます。
たまたま赤字になって、税金の還付であれば問題ありませんが、
最初から還付目的で申告をおこなっているケースは、
税務調査で否認されてしまいます。
税務署が認めるケースと、否認するケースではどう違いのでしょうか?
これは一言でいうと「事業の実態」があるかどうかです。
事業の実態を判定する要素は、次のようなものになります。
(1) 物販であれば販売する場所があるか?
→ 必ずしも店舗がある必要はなく、ネット販売ならホームページでも可
(2) 在庫はあるか?
→ 物販であれば在庫が多少はあるはず、これから仕入れるのではダメ
(3) 帳簿を付けているか?
→ 会計ソフトやエクセルの集計でもかまいません
(4) 売上総利益(粗利益)は出ているか?
→ 原価割れではおかしい
(5) 売上は継続的に発生しているか?
→ 1年に数回程度では事業とはいえません
(6) 販売先は一般向けとなっているか?
→ 親類・知人だけでは事業とはいえません
(7) 経費は直接事業にかかるもののみとしているか?
→ 金額が多くても説明ができるものであること
これらをすべて満たしていれば、形式的には問題ありませんから、
税務調査が入っても、まず否認されることはありません。
一方で、事業の実態がないのに、帳簿処理だけで税金の還付するケースは、
税務調査であっさりと否認されてしまいます。
最近、税務署の調査官に直接聞いた話ですが、
東京都内でこういった申告が組織的に行われており、
軒並み税務調査に入っているということです。
過去の判例ではこのようなケースがあります。
<横浜地裁 平成11年7月28日判決>
○ 年収約3,000万円のパイロットが自分が描いた画集を販売
○ 原価4,000円に対して、1,000円で販売
○ 売上先は親類、知人など
○ 売上高は年10万円程度、経費は150万円~300万円程度
○ 帳簿を付けていなかった
結論としては、事業性が認められずに「雑所得」と判断されました。
「雑所得」となると、給与所得との損益通算は認められません。
還付された税金をすべて支払い、さらに延滞税、加算税まで支払うことになります。
このように、サラリーマンの税金の還付は、
その実態をきびしくチェックされます。
「節税本」を読んで甘く見ないことが大切ですね。
● 編 集 後 記 ○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。
その地域の土地の実勢価額をおおざっぱに知るには、
駐車場の月額から計算できることを御存じですか?
(算式)駐車場の月額 × 80倍 = その土地の坪単価
月額1万円なら、×80倍で坪80万円
月額2万円なら、×80倍で坪160万円
月額2万5千円なら、×80倍で坪200万円
たしかに、坪200万円は地元の用賀近辺の土地の実勢価額です。
不動産業者のかたに教えていただきましたが、およその目安になりますね。
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落合会計事務所
税理士 落合 孝裕
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