賃貸建物の名義(2012年8月7日)
2012年8月7日
2012年8月7日
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●落合会計事務所 オフィシャルメールマガジン vol.094 2012年08月07日配信●
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・ご挨拶……………………………… 猛暑が続いています
・特集………………………………… 建物の名義はどちらがよいでしょうか?
・編集後記…………………………… 事務所説明会をおこないました
● ご 挨 拶 ○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○
○○さん、こんにちは。
税理士の落合孝裕です。
いつもメールマガジンをお読みいただき、ありがとうございます。
猛暑が続いています。
本当に毎日暑いですね~
まだ1週間はこの暑さが続くようです。
不思議なもので、体が徐々に慣れてきました。
人の体は強いものですね(笑)
オリンピックもありますが睡眠もしっかり取って、
お互いに体調を整えて猛暑を乗り切りましょう。
● 特 集 ○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○○o。
今日は「賃貸建物の名義」についてです。
新たに賃貸建物を建築するときに、よく質問を受けます。
「建物の名義は会社と個人でどちらがよいでしょうか?」
前提として、土地の所有者は個人とします。
個人が建物の所有者となることが多いのですが、
会社が建物の所有者となるという考え方もあります。
会社がない場合は、新たに会社を設立することになります。
会社が建物の所有者になると、
家賃収入はすべて会社のものとなります。
一方で経費も会社から出すことになります。
個人の場合と比べると、経費に落とせる範囲が広がります。
会社のほうが次の点が有利です。
(1) 給料を出せる人数と金額が広がる
(2) 日当、生命保険料を経費に落とせる
(3) その他の経費の範囲も広がる
まず、給料を出せる人数と金額が広がります。
個人の場合でも、給料を出すことはできます。
奥さんに専従者給与を出すことができますし、
別生計の親族に給料を出すこともできます。
もちろん仕事をしてもらっていることが前提です。
ただし、会社のほうが業務範囲と責任が広がると考えられますので、
金額も多めに出すことが可能となるということです。
これは明文規定があるわけではないのですが、
個人事業の場合は、不動産賃貸にかかる業務に限られますが、
会社の場合は、会社運営も含めてなので範囲が広がるという考え方です。
給料を出す人は、奥さんや子どもになるでしょうが、
いずれも役員にしておいたほうが無難です。
役員のほうが責任が増すので、
多く出すための理由付けになります。
また、会社の目的も今後の事業展開を考えて、
○ インターネット事業
○ 飲食店の経営
○ 広告事業、など
多めに登記しておくことも手ですね。
もちろん、それぞれの役員がどんな仕事をしているかの、
役割分担を決めておく必要があります。
次に、日当や生命保険料を経費に落とすことができます。
「日当」は出張したときに会社が支払うものです。
会社の事業に関連して地方や海外に出張したときに、
1日当たり数千円~1万円程度を支払うことができます。
もらった個人の側では、税金や社会保険料の対象となりません。
会社で日当の規定を作成しておくことが前提となります。
また「生命保険料」は、個人で支払った場合は、
年間5万円までしか所得控除となりませんが、
会社契約であれば、その保険の種類により、
その保険料の半額から全額を、経費とすることができます。
さらに、それ以外の経費についても、
たとえば交際費であれば、
○ 飲食代
○ ゴルフ代
○ 冠婚葬祭の費用
など、会社の場合は税務調査が入ってもまず指摘されません。
もちろん、仕事関連であることは前提ですが。。。
また、一つ注意すべき点としては、
会社に借地権を発生させないように、
税務署に「無償返還の届出書」を提出することがあります。
専門的になるので細かい説明は省きますが、
この届出書の提出により、会社は借地権の認定課税がされずに、
余計な税金を支払うことがなくなります。
この点のみに注意すれば、
会社のほうが経費をたくさん落とせるので、
建物は会社所有にするほうが良いことになります。
ただし、相続が起こった場合は話は逆になります。
相続税の計算では、建物は個人所有のほうが節税効果は高いのです。
たとえば、
建築コストが5,000万円の建物を、借入金で建てた場合、
建物の相続税評価額は、
○ およそ半分の2,500万円程度となります。
○ さらに、貸家の評価減で△30%ができます。
よって、5,000万円が約1,750万円になります。
借入金との差額を計算すると、
1,750万円 - 5,000万円 = △3,250万円
分の財産が減ることになります。
相続税が30%のケースなら、
△3,250万円 × 30% = △975万円
分の相続税の節税となります。
これは借入れをしないで、手元現金で建てても同じ効果です。
一方で、会社で建てた場合は、建物の所有者は会社となります。
個人 → 会社(=株式)を所有 → 建物を所有、となり、
個人は、株式を所有することになります。
株式の評価額はマイナスになることはありませんから、
たとえ債務超過だとしても、ゼロの評価となります。
よって、財産の減額の効果はなしとなります。
というように、
相続税で考えると、個人で所有したほうが節税、
ということになります。
おおざっぱにまとめますと、
その個人が高齢の場合は、相続が比較的近いので個人所有、
まだお若い場合は、会社所有、とするのが良いとなります。
このように、節税プランは、
○ 毎年支払う税金
○ 将来の相続税
を総合的に考えて対応する必要があります。
○○さんもこれから賃貸物件を建築することがあれば、
よくお考えのうえで進めてください。
● 編 集 後 記 ○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。
昨日は、採用のため用賀駅近くの会議室を借りて、
事務所説明会を開きました。
29名の方に出席していただき、盛況に終了しました。
http://ameblo.jp/tochiai65282414/entry-11322020221.html
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