1次相続と2次相続の納税(2012年4月17日)
2012年4月17日
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●落合会計事務所 オフィシャルメールマガジン vol.078 2012年04月17日配信●
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・ご挨拶……………………………… 四国へ出張しました
・特集………………………………… 相続税は1次と2次どちらで払いますか?
・編集後記…………………………… 坂本龍馬の銅像がありました
● ご 挨 拶 ○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○
○○さん、こんにちは。
税理士の落合孝裕です。
いつもメールマガジンをお読みいただき、ありがとうございます。
先週の土日は四国の松山から高知へ出張に行きました
東京に比べると気温が2、3度高く、過ごしやすいですね。
魚をはじめ食べ物も美味しく良いところです。
松山も高知も城があり路面電車が走っており、とても風情がある町でした。
● 特 集 ○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○○o。
さて、今日は「1次相続と2次相続の納税」です。
最近、相続税のご相談が増えています。
よく聞かれるのが、
「1次相続と2次相続を含めた対策を教えてください」
というものです。
1次相続とは、親御さんの最初の相続を言います。
通常は「父親の相続」になります。
2次相続とは、その次の相続のことで、
通常は「母親の相続」になります。
多くの財産を父親が持っているケースがほとんどです。
1次相続では、母親に財産の半分以上を引き継げば、
「配偶者の控除」の規定がありますので、
母親はほとんど相続税を納める必要がありません。
「配偶者の控除」とは、
母親が引き継いだ財産のうち、
法定相続分か1億6,000万円までは、
相続税を支払う必要がないという規定です。
法定相続分とは、子どもがいる場合は、
全財産の1/2となります。
1次相続では、母親が財産を多く引き継いだほうが、
支払う相続税は少なくなります。
ただし、その次の母親が亡くなった場合の2次相続では、
今度は「配偶者の控除」の規定が使えませんので、
グッと支払う相続税が増えてしまいます。
1次2次のトータルで支払う相続税を少なくしたいところです。
これには、およそ次のようにアドバイスをしています。
財産が1~2億円程度と比較的少ない場合、
子どもにある程度引き継がせたほうが、
2次相続で支払う税金は少なくなり有利です。
少なくとも母親が100%引き継ぐのは、
相続税の納税という点では得策ではありません。
母親が自分の親の相続である程度の財産を取得していれば、
1次相続では子どもがほとんど引き継ぐのも手です。
1次相続では納税が出るものの、
2次相続での納税が少なくなり、
トータルの納税額は少なくなります。
さらに、
○ 母親が今後もらう遺族年金、
○ 平成27年から予定されている相続税の増税、
なども考えると、
子どもが引き継ぐ割合は多めにするのがよい、
ということになります。
ただし、母親の気持ちを考えることも大切です。
手持ちの財産が少ないと不安を感じてしまいます。
われわれの事務所では、お客様に対して、
細かいシミュレーションを立ててご説明をしますが、
お母様のお気持ちも十分お聞きになって分割してくださいね」
とお話しするようにしています。
結局、母親が100%引き継ぐことでまとまるケースもよくあります。
一方、財産が3~5億円、それ以上と多い場合は、
母親は法定相続分どおりの1/2を引き継ぐことを、
アドバイスするケースが多くなります。
子どもが1/2を超えて引き継ぐと、
1次相続での納税負担が多くなってしまいます。
一方で、母親が1/2を超えて引き継ぐと、
将来の2次相続での納税負担が多くなります。
財産が多い場合は、特に「2次相続対策」が重要になります。
「2次相続対策」とは、
母親の将来の相続税を、いかに安くするかということです。
これは大きく2つあります。
1つ目は、預貯金から不動産への置き換え、
2つ目は、子ども孫への生前贈与です。
それぞれ、注意すべきポイントをご説明しましょう。
まず、不動産への置き換えです。
預貯金より不動産のほうが、
相続税評価額はおよそ半分程度になります。
無理に不動産も買う必要もありませんが、
将来値崩れがしない一等地のマンションなどなら良いでしょう。
賃貸して毎月の家賃収入を稼ぐこともできます。
また、子どものマイホームを母親が買い上げることも有効です。
これなら親子間での財産の移転ですので、
無理に見ず知らずの不動産を買うリスクもありません。
仮に、5,000万円で買い取るとすると、
○ 対策前・・・預金5,000万円、
○ 対策後・・・不動産2,000~3,000万円程度、
となります。
2次相続での相続税の税率が30%のケースなら、
600~900万円の節税になります。
さらに、子どもから母親に家賃を支払うことにより、
「小規模宅地の評価減」を適用することもできます。
これは200㎡までは敷地の評価額が、
さらに50%減となります。
子どものマイホームを買い上げる場合のデメリットは、
母親に登録免許税と不動産取得税がかかることです。
ただし、将来の2次相続での相続税の節税に比べると、
はるかに安いケースがほとんどです。
2つ目の生前贈与は、おもに預貯金でおこないますが、
子ども孫全員にまんべんなく贈与することが有効です。
110万円の贈与税の非課税わくをあえて超えて贈与すれば、
さらに節税効果が高まります。
○ 200万円の生前贈与なら、1人当たり9万円、
○ 300万円の生前贈与なら、1人当たり19万円、
の贈与税となります。
将来の2次相続で支払う相続税よりはるかに少なくすみます。
この場合、特に注意していただきたいのは、
預金通帳と銀行印はもらった側が管理しておくことです。
通帳の口座開設の申し込みをするときの署名は、
必ず本人がおこなうようにしてください。
お金をあげた親や祖父母が口座開設の署名していた場合、
将来の税務調査で否認されることがよくあります。
子どもが小さい場合は、親の代筆でもかまいません。
実際の1次と2次のシミュレーションは、
個別に判断していくことになりますが、
できる対策は早めにおこなうことは大切です。
○○さんも一度お考えくださいね。
● 編 集 後 記 ○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。
高知の駅前広場には、大きな銅像が置かれています。
真ん中は坂本龍馬ですね。
http://ameblo.jp/tochiai65282414/entry-11224783393.html
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