中小企業倒産防止共済の上手な使い方(2011年9月13日)
2011年9月13日
2011年9月13日
—————————————————————————————————————————————-
このメールマガジンは、税金に関する様々な情報をまとめて、
毎週火曜日に配信しています。
お知り合いの方にも、ご紹介いただけると幸いです。
http://www.ochiaikaikei.com/
—————————————————————————————————————————————-
○○さん、こんにちは。
税理士の落合孝裕です。いつもメールマガジンをお読みいただき、
ありがとうございます。
今日も暑いですね。
いつになれば秋になるのでしょうか・・・
さて、今回は「倒産防止共済」の上手な使い方についてです。
正式には「中小企業倒産防止共済」と言いますが、
取引先の債権が回収できなくなった場合、
共済金の貸付が受けられる制度です。
「経営セーフティ共済」とも呼ばれています。
この制度が、10月から掛金の増額などの改正となります。
制度の内容は以下のようになっています。
【 】内は、10月からの改正点です。
(1) 中小企業※のみが加入できる ※サービス業なら、
資本金5千万円以下または従業員100人以下
(2) 取引先の取引停止処分、破産、【私的整理】(昨年7月から)が貸付の対象
(3) 回収できない金額、または掛金の10倍まで貸し付けてくれる
(4) 貸付けを受けた場合、貸付額の10分の1の権利が消滅する
(5) 毎月の掛金は【20万円】が上限(9月までは8万円)
(6) 積立限度額は【800万円】が上限(9月までは320万円)
(7) 貸付限度額は【8,000万円】が上限(9月までは3,200万円)
(8) 貸付金の返済期間は、
○ 5,000万円未満は5年
○ 5,000万円以上で6,500万円未満は【6年】
○ 6,500万円以上で8,000万円以下は【7年】
(9) 払った掛け金は、全額経費となる
(10) 40か月(3年4か月)以上納付した後の解約は100%返金
(11) 1年以上掛ければ、解約返戻金の範囲で事業資金の貸し付けも可能
取引先の倒産による連鎖倒産を防ぐことが本来の目的です。
ただし、節税目的で加入しても、とても使い勝手が良い制度です。
というのは、
○ 払った全額が経費となる
○ しかも年払いも可能
○ 40か月で全額返金が可能(しなくても良い)
という特徴があるからです。
つまり、決算ギリギリで加入しても、
最高240万円を会社の経費とすることができます。
解約は会社の自由にできますから、たとえば800万円の限度額まで積み立てをおこない、
資金繰りが厳しいときに解約することができるのです。
解約金は利益として計上する必要があります。
資本金1億円以下の会社は、
法人税等の税率が、
○ 800万円以下の部分・・・約30%
○ 800万円超の部分・・・・・約40%
10%の違いがあります。
毎期1,000万円以上の利益を出している会社は、
掛金を支払ったときに、掛金の40%が節税できます。
その後、収支トントンのときに解約すれば、
解約金の30%の税金を払えば良いことになります。
差額で、最大800万円×10%=80万円のトクになります。
解約した後に、また再加入すれば良いのです。
○○さんの会社では、
節税目的で生命保険に加入しているかもしれませんが、
「倒産防止共済」は、生命保険と比べて、次の点が優れています。
○ 払った全額が経費となる(生命保険は50%のみ経費のタイプが多い)
○ 解約は営業マンに遠慮せずできる(生命保険は営業マンや紹介者への気兼ねがありますね)
○ 40か月で100%の返金が可能(生命保険はせいぜい80~90%)
もちろん生命保険のように死亡保障はありませんので、
使い分けることは必要でしょう。
倒産防止共済をすでに320万円の限度額まで積み立てた会社は、
積み立て再開の【届出書】を出すことにより、
800万円まで増やすことができます。
こちらから届出書を出さないと再開しませんので、
ご注意ください。
今回の増額を機に「倒産防止共済」を
節税商品としても上手にお使いください。
—————————————————————————————————————————————-
落合会計事務所
税理士 落合 孝裕
所在:東京都世田谷区用賀2-14-11ブリュンヒルデ4階
電話:03-5716-6528
○顧問契約、単発の相談のお問い合わせは
http://www.ochiaikaikei.com/
—————————————————————————————————————————————-
「税理士が教えるとっておきの税金情報」
発行者:落合会計事務所