小規模宅地の評価減(内階段と外階段)(2011年6月7日)
2011年6月7日
2011年6月7日
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○○さん、こんにちは。
税理士の落合孝裕です。
いつもメルマガをお読みいただき、ありがとうございます。
昨日から急に暖かくなりましたね。
今年の夏も猛暑になるのでしょうか?
電力不足のこともあり、ちょっと不安ですね。
さて、今日は「二世帯住宅」を建てたときの
将来の相続税の取扱いについてです。
「二世帯住宅」とは、
○ 親の世帯
○ 子どもの世帯
の「二世帯」でいっしょに住む住宅のことです。
特に都心は地価が高いですから、今の30代~40代の世代が
ローンを組んで一戸建てを買うのはかなり負担になります。
親が少し広めの土地を持っていれば、
二世帯住宅は、土地の有効活用になります。
また、親には孫の面倒も見てもらえますし、
将来の親の介護もやりやすくなります。
相続税は、今年から増税が予定されています。
震災の影響でその時期が未定となっていますが、
昨年暮れに発表された税制改正案が、
そのまま法律になることは間違いなさそうです。
税金の対象となる財産が、
1億円~2億円くらいの場合、
30%~5倍くらいの大幅な増税となります。
「相続税の納税額をいかに減らすか?」
相続税の増税があるわけですから、
今まで以上に、必要になります。
さて、相続税の計算をするうえで、
大きな節税となるのが
「小規模宅地の評価減」の特例です。
これは、一定の土地について、
80%ないし50%と
大幅に減額ができる特例です。
たとえば、マイホームの敷地であれば、
相続人のうち【一定の人】が引き継げば、
240㎡までは80%減額になります。
3,000万円の土地であれば、
3,000万円×80%=2,400万円が減額ですので、
わずか、600万円の評価額になります。
これが適用できるかどうかで、
相続税の納税額は大きく変わります。
適用となる【一定の人】は、次のとおりです。
1.配偶者
2.同居親族
3.1と2がいない場合の一定の別居親族
これらの相続人が引き継げば、
240㎡まで80%引きとなります。
二世帯住宅については、
「内階段」で上下がつながっているか、
「外階段」で分かれているかで、
税務の取扱いはまったく異なります。
図を【ブログに掲載】しました。
ご参考にしてください。
http://ameblo.jp/tochiai65282414/entry-10916053278.html
「内階段」の場合は、
父母と長男家族は【同居】扱い
「外階段」の場合は
父母と長男家族は【別居】扱い
となります。
そこで、これから建築予定であれば、
相続対策を考えると「内階段」としたほうが、
次の2点の理由で、はるかに有利になります。
(前提条件は、
1階に父母、2階に長男家族が住んで、
土地、建物いずれも父の所有とします)
1点目は、「内階段」とすれば、
母と長男のいずれが引き継いでも、
小規模宅地の評価減がOKとなるからです。
「外階段」の場合は、
長男は別居扱いなので、
減額対象は母の引継ぎのみとなります。
2点目は、「内階段」とすれば、
土地全体が減額の対象となるからです。
「外階段」の場合は、
長男の住まいは別居扱いなので、
1階に対応する部分(1/2)しか、
減額の対象となりません。
もちろん、相続税の節税だけで、
建築を進めるのは、あまり現実的ではないかもしれません。
ただし、どちらでも良いのであれば、
「内階段」の二世帯住宅とするほうが、
はるかに良いことになります。
○○さんも、これから二世帯住宅をお考えであれば、
建築の前に、相続税のことも頭のすみに入れてくださいね。
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落合会計事務所
税理士 落合 孝裕
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