決算対策(未払費用と除却損)(2011年3月8日)
2011年3月8日
2011年3月8日
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○○さん、こんにちは。
税理士の落合孝裕です。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
3月決算の会社は、今月末が決算です。
黒字の会社は、上手に節税をしたいところですね。
経費を使えば、払う税金は減りますが、お金も出ていきます。
できれば、お金が期末までに出ない節税があればうれしいですよね。
さすがに、そうたくさんはありませんが、
今回は、どの会社でも使える節税を2つご紹介します。
1つ目は「未払費用」です。
未払費用とは、経費が3月末までに発生して、支払いは4月以降のものです。
法人税の規定ではこう決められています。
経費として落とすことができる条件は、
○ 債務が成立(支払いの義務が確定)しており、
○ 債務の原因となる事実が発生しており、
○ 金額を合理的に算定することができる場合、
です。
以上の条件に合っていれば、経費に落とすことができます。
期末までの支払いは条件でありませんので、支払いは翌期でかまいません。
支払いが翌期でも、当期の「未払費用」となります。
未払費用を徹底して計上すると、意外な節税になります。
金額が多いものから順にお話をします。
まず、「給料」です。
みなさんの会社では、給料の締め日と支払日が決まっていますよね。
たとえば、「15日締めの25日払い」という具合です。
これは、前月16日から当月15日までで給料を締め、
その給料を25日に支払う、ということです。
3月決算の会社なら、
○ 2月16日~3月15日の給料 → 3月25日払い
○ 3月16日~4月15日の給料 → 4月25日払い
となります。
この場合、3月16日~3月31日の半月分の給料は、
3月決算で未払費用として経費にすることができます。
翌期4月の支払いですが、
「債務は成立」し、「原因となる事実が発生」して、
「金額を合理的に算定すること」ができるからです。
たとえば、毎月の給料の支給額が、500万円の会社なら、
250万円を経費に計上することができます。
大きく節税になるのですが、意外に活用していない会社が多いようです。
ただし、役員分の給料については、未払計上ができません。
会社とは委任関係で、日割りという考え方ができないことが理由です。
「賞与」については、条件がかなり厳しくなっています。
3月末に決算賞与の支給を決定して、4月に支払うような場合です。
経費に落とせる条件は、次のようになっています。
○ 各社員に支給額を通知すること
○ 期末から1ヶ月以内に支給すること
○ 3月末に在職した社員全員に支払うこと=支給日までに退職した社員にも支払うこと
条件が厳しく、手間もかかりますので、
お金の都合が付けば、3月までに支払うのが良いでしょう。
さらに、「社会保険料」も未払費用の対象になります。
健康保険、厚生年金の社会保険料は、本人負担分を給料から天引きします。
そして翌月末に、会社負担分と合わせて支払います。
3月分の社会保険料は、翌月4月末に支払います。
よって、4月末に支払う社会保険料のうち、
会社負担分(支払額の1/2)を未払費用に計上することができます。
さらに、3月末が土日の場合は、2月分の引き落としが4月にずれます。
よって、2月分の社会保険料も未払費用となります。
それ以外に、電気代、水道代、電話代なども対象です。
これらも3月分の請求が4月支払いですから、未払費用になりますね。
細かく拾っていくと、合計で数百万円になることがよくあります。
意外に、未払費用をまめに計上していない会社が多いのです。
その分、税金の支払いが多くなります。税務署は、税金の払いすぎは指摘してくれません(笑)。
しっかり、会社で計上していきましょう。
お金が出ていかない節税の2つ目は、「資産の除却損」です。
これは、帳簿に上がっている資産のうち、
使えないものを除却(=廃棄)することです。
材料、製品、さらに、機械などの固定資産が対象です。
除却すれば、帳簿に計上されている簿価をそのまま経費にできます。
すでにモノがないのに、そのまま帳簿に残っていることもあります。
実際のモノと、棚卸表、固定資産台帳とをよく付け合わせしてください。
今回の決算で気付いたら、当期の除却損としましょう。
材料や製品の廃棄は、「廃棄証明書」があると良いです。
廃棄証明書は、廃棄業者に依頼すれば出してくれます。
一覧表を、まず会社のほうで作っておきます。
その一覧表に、廃棄業者が廃棄したことの証明印を押してもらいます。
これがあれば、税務調査ではまず問題がありません。
このように、節税はまずお金が出ないものを使い倒すのが一番です。
ぜひ、○○さんの会社でもご活用くださいね。
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落合会計事務所
税理士 落合 孝裕
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